うちの葬祭スタッフはイケメンぞろい(笑)ですが、
半分ほどは既婚者でパパです。
休みも日曜と決まってはいませんし、
当直もある忙しいパパ。
おそらく仕事の多くを語らないでしょうから
その背中をみてどんなことを思っているのかな・・・と
ふと思うことがあります。
そんな中、あるスタッフは、子どもたちに
「自殺だけはするな」と言い渡しているそうです。
確かに、自殺された場合、遺族や周囲の方たちの
大変さは、言葉にしがたいものです。
何故逝ってしまったのか、という悔しさ、自責の念もさることながら
自殺はただ、ご遺体を引き取ることはできない、ということもあるのです。
決して普通のご遺体の状態ではないことが多いでしょうし、
警察の捜査、検死も必要です。
他人に親族の遺体の内外を触られることの苦痛は
耐えがたいものでしょう。
さらに、人間関係や仕事の関係などが原因ならば
その関係者には一生の重荷になってしまうことも少なくありません。
お葬儀のうちあわせどころではない空気に
葬祭スタッフはただそばにいて
肩をそっとたたいてさしあげることぐらいしかできません。
彼は、いやがる子どもたちに、
それでも一度はこの内容を真剣に伝えたそうです。
自分の命を大切に、そしてまわりの人も大切にしてほしい、
人が旅立つ現場にいるからこそ伝えたい、
そんな熱い親心、
間違いなく子どもたちの心に刻まれたと思います。