何もない人生だと思っていた。
結婚も、彼氏も、子どももなし
特別な経歴もない
中小企業の経理事務員。
そんな自分が不安で、自信がなくて
ずっとずっと悩んでいました。
でも、ある日ふと気がついた
何もないと思っていたけれど
私には「自由」があった。
失うものも、守るものもないなら、
一度くらい自分の“やってみたい”を
試してみよう。
五感で感じて、わくわくして、
美しいものに心を動かしたい。
そのために、
時間とお金と健康を整えようと思い、
フリーランスの事務員をはじめました。
これは、そんな私の葛藤と悩み、
そして小さな挑戦の記録です。
今日、前職の同僚と久しぶりに会って
ランチをした![]()
かつて一緒に、会社の成長期という
荒波を乗り越えた仲間。
その頃の私たちは、
責任感だけで立っていたような気がする。
総務は彼女ひとり、経理は私ひとり。
「管理部門だからやって当たり前」と言われる中で、
互いに励まし合いながら、
よく夜遅くまで残業していた。
最後のバスがもう来るよといいながら、
走って帰ったこともよくあったな![]()
事務は正しくできて当たり前。
だから、感謝されることも、
評価されることもなく、
それでも「会社の信頼を守ること」が
使命だと信じていた。
頼まれた仕事は、断ってはいけない。
ミスをしないこと。
先を読んでリスクを防ぐこと。
会社の成長を裏側で支えること。
それが、自分たちの存在意義だと思っていた。
だけど、気づけば、仕事はどんどん増えていく。
やればやるだけ、
できないことを叱責される。
やりがいだったはずなのに、
いつのまにか苦しさに変わっていった![]()
反対に、「無理です」と言える人は、
失敗することも、叱られることもない。
残業もせずに帰っていく。
「なんであの人だけ!」
「私たちがやらないと誰がやるの⁉」
そんな責任感でやっていたけれど、
結局やったことは、上司の手柄になっていった
もう、何のために、ここまで頑張っているのか。
それでも、いつか認めてもらえると
思っていたんだよね
。
「私たちはアピールが下手だから」
「やめたいよね」と愚痴りながら、
それでも、お互いに転職の話をしたことはなかった。
なんとなくそこは触れてはいけない
一線だった気がする。
なのに不思議と、同じ時期に退職届を出していた。
言葉にしなくても、
きっと彼女も限界だったのだと思う![]()
それを知って、自分だけがこの地獄から抜け出す
つまり、抜け駆けではない。
そう思ったら、安心したし、良かったと思った![]()
今は、私はレストランのアルバイトをしていて、
彼女は営業事務として働いている。
お客様を中心に、チームで動く仕事。
「私の仕事」ではなく、「誰がやってもいい仕事」。
その感覚に、最初は戸惑った。
でも、お客様が笑顔になることが“目的”なら、
丁寧さよりも、流れを止めないことの方が大切。
だから、必死にそのリズムに合わせている。
「そこまで丁寧にやってくれなくていいから
もう少しスピード早くやって」
ずっと、“正確であること”が正しい。
そう思ってきた私には、
簡単には慣れないから、そうやって注意を受けた。
でも、正しさよりも、
誰かの心に届く速さが必要な世界もある。
その瞬間、気づいた。
あんなに信じていた「正確さ」は
この場所では一番ではないのだと。
違っいたというより、
「それだけではなかった」。
決して、正確であることが、
間違っていたわけでも、ダメでもない。
ただ、環境が変われば「正しさ」も変わる。
そう素直に思えた。
昔なら、それを受け入れられず、
「でも」とか「だって」とか言っていただろうな
。
けれど、今なら「なるほどねー」と受け入れられる。
それは、我慢して飲み込んだわけでもなく、
心の何処かで、「腑に落ちた」感覚に近い。
そうやって、「こうでなければ」と
自分で縛っていたものから、
ふっとはずれた気がした![]()
完璧さを手放したら、
心が少し軽くなった。
自分で自分を生きづらくしていたんだと思う。
でも、きっと誰かに説明されても
頑固な私は、経験をしないと分からなかったと思う。
正しさからそっと外れたとき、
少し心が柔らかくなった気がした。
きっと、 柔らかく生きるって、
思っていたよりずっと、強いことなんだ![]()
