ルート66と映画

　NHK 映像の世紀を興味深く拝見した。「こんな道だったのか」とつくづく、合点。アメリカ横断国道ルート66(1926～1985年)は五大湖の大都市シカゴを南西に出発し、保守的な州といわれるテキサス州などを通り、西海岸ロサンジェルス経由サンタモニカへ道は続く。そんなルート66を知ったのは同名のテレビ番組(1960～1964年)があったからだ。

　映画「俺たちに明日はない」(1967年原題Bonnie and Clyde) で若い男女が次々と銀行強盗を繰り返す。最後に蜂の巣のように愛車フォードに銃弾を撃ち込まれて射殺されるラストシーンが日本でも話題になった。

　この二人がこのルート66沿いに強盗を繰り返していたことを番組で知った。高校生の私にその理解力もなかった。

　もう少し大人になって、J・フォード監督の「怒りの葡萄」を見た。原作はノーベル賞作家スタインベック。1930年代の不況不作に耐えかねて、一家がオンボロトラックで夢の都市サンフランシスコに生活の糧を求めて向かう映画。原作も監督も超一流だから、心打つ名作になっている。

　この頃、カントリーソングのレジェンド、ウッディ・ガスリー(1976年自伝映画)もこの道を旅した。貨車の上に乗って旅する主人公もルート66を旅していた。

後ろに「ニューメキシコ　ルート66」の標識が

　やがてアメリカは第二次大戦後、空前の好景気に沸き立った。しかしベトナム戦争が始まり泥沼化し、全米で戦争反対運動が起こり、ヒッピー文化が花開いた。ピーター・フォンダは1969年映画「イージーライダー」で、ヒッピー風体の青年に扮し、ルート66を走り、大ヒットした。

後部座席のJ・ニコルソンが本作でブレークした

　公民権法1976年に人種差別禁止の法案が成立。それまで黒人は容易に旅を出来なかった。黒人専用のホテルなどが掲載されている旅ガイド「グリーンブック」が必携だった。そんな映画「グリーンブック」(2018年)は見るに辛い。差別と友情を描いた映画だ。

　私は「Black White、なんで Greenなの? 」と思っていたら、番組が緑色ではなく「人の名前」と教えてくれた。

　かつて、「アメリカは人種のるつぼの国」と習った。しかし現在は「グリーンボウル」。サラダの器の中の野菜のように、各人種の味が失われることなく、共存していく社会だという。

　日本も現在人手不足で多くの職場で他国の人が当たり前のように働く時代になった。彼ら彼女らにも日本での慣れない暮らしがあり、言葉の壁があり、子供たちの教育問題を抱えている。私たちは一緒になってこの難しい問題を解決していかなければならない。

僕は中学生

50円で「風と共に去りぬ」を見た

僕の宝物