君への贈り物 12   Switch ~君を守りたい~ 2nd シーズン | a guardian angel

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スキビ好きな私が無謀にも始めてしまった…

二次創作・ネタバレ・つぶやきを含む妄想ブログです。

当然のことながら、作者さま・出版社さま等とは一切無関係です。

Side 真輝


彼から預かった新曲は…


『 TWIN SOUL -始まりのKISS- 』  作詞・作曲 不破尚


遥かなる時を超えて 廻り合った二人は 今一つになる

君はもう一人の僕 出逢った瞬間(とき)から感じてた

恋焦がれ 愛しくて 求め合う心に 抗うことはできない

このKISSに誓うよ 君が僕のたった一人だと

運命が残酷に二人を引き裂いたとしても

時代を超えて二人はいつかまた巡り合う

それが僕らの運命だから 君はもう一人の僕だから

Melting soul  Melting soul  Melting soul


僕らは二人で一人 愛しい君にKISSを贈る

もう離れない 離さない 抱きしめて

君の身体ごとすべてで 僕を埋め尽くして 

恋焦がれ 愛しくて 求め合う心に 抗うことはできない

この世界で君に出会えた奇跡に酔いしれる

もう離れない 離さない 永遠の口づけを 

Melting soul  Melting soul  Melting soul


TWIN SOUL…魂の片割れ

一つに戻ることをめざして…強く惹かれあい、離れて生きることは…自分の半身をもぎ取られるように…死に等しい苦しみを伴うというこの宇宙にたった一人の相手。

巡り合える人は少なく、出逢えること自体が奇跡のような…そんな相手。

彼にとっては…彼女が…?

だけど、彼女にとっては…

「…運命の相手…ね」

彼女の手作りだと言ったネックレス…

あの石は…あの色…サイズから言っても…彼女の買えるような代物じゃない…。

それに…あの表情…ほんのり頬を染めたその顔は彼にだけに見せる表情…?

…なんだか面白くないな。


a guardian angel-プリンセスローザ.jpg


「ん…あれっ?私…」

「…あ…目が覚めました?」

「…○×△!!」 

「学校と仕事と…お疲れですよね。」

「//// 私ったら…ごめんなさい…」

真っ赤になって俯く彼女に思わず笑みが零れる。

「僕は役得でしたよ。可愛いキョーコさんの寝顔が見れて。」

そうにっこりと笑うと…更に赤くなってしまった彼女。

「///」

「クスッ 着いたら起こそうかと思ってたんですが…ちょうどよかった。

着きましたよ。」


Side キョーコ


外を見ると…手入れの行き届いた広い庭園…

薔薇の花のアーチの向こうには噴水があって…咲き誇る薔薇の香りに酔いそうなほど…。

「…素敵なお庭ですね。」

「ちょうど薔薇が満開で…よかったら中庭を散歩してみませんか?」

う…妖精さんも…私を呼んでる…

『キョーコちゃん、こっちよ~。お花畑きれいでしょ~。』

だけど、二人きりにならないこと…って言われてるし…

移動の車は…仕方なかったにしても…

「…あの…社さんは…。」

「彼も、もう着いているそうですよ…中庭の階段から合流できますから…行きましょう?」

そう云って私の手を引いて歩き出す彼…

「えっ…あ、あの…」

繋がれた手に驚いて足を止める私に…にっこりと有無を言わせない空気を纏って…私を連れていく。

その表情に…この人は危険だと…頭の中で警鐘が鳴る。

笑っているのに…どこかミステリアスで…心が読めない人。

今までの穏やかな口調もどこか作られた感じがして…

だけど…なんか…やっぱり似てるかも…

笑顔のポーカーフェイス…『敦賀蓮』という温厚で紳士の仮面をつけてる彼と…

CMの時の…あの帝王を彷彿とさせる男の色香といい、この整った顔立ちも…

ハリウッド女優だったっていうお母様の遺伝子のせいかしら?

一緒にいると…似てるな…って思うけど…でも…


歩き進めていくうちに足元に違和感を感じて…気がついた。

バラの花が咲き誇るその路には…小さなきれいな小石が散りばめられていたことに。

私の視線に気づいた彼が…それを教えてくれた。

「この道は夜になると光るんですよ?だから…月明かりの下…夜の散歩も素敵なんですよ?」

その言葉に…彼の手から離れ…誘われるようにメルヘンの世界へ…

月明かりの下…月の精霊に誘われる…夜の蝶と薔薇の花…そんな素敵な世界に囚われる。

『 はぅ…ステキ… 』

はっ! 我に返った瞬間

そんな私を見て、嬉しそうにクスクス笑っている彼が視界に映る…。

急に恥ずかしくなって…思いついたことを口に出す。

「 /// あ…あの…とってもロマンチックで素敵ですけど…

これって…お母様の趣味ですか?」

そんな私の言葉に少し…表情を曇らせながらも…応えてくれた。

「…そうですね。数えられるほどしか…来ていませんけどね…」

「……。」

何だろう…?何か悪いこと聞いちゃったのかな…?

「ここには母のコレクションも多いから…キョーコさんもきっと気に入ると思いますよ?」

そして、またクスクスと笑いだしたその顔に…気のせいだったと思うことにした。

…さっき、傷ついた顔をしたように見えたのを…。

そんな話をしながら…中庭を抜けると…次の瞬間私の目に飛び込んできたのは…まるで絵本から飛び出してきたような…白亜の宮殿のようなお屋敷。

チェスの駒のような…オブジェが置かれた芝生に続く広い白い階段…

…の上から手を振ってる社さん!が見えた。

「おーーいっ…キョーコちゃーん。」

手をぶんぶん振りながら、社さんが階段を一気に駆け下りてくる。

「はぁっはぁっはぁ…っ」

「だ、大丈夫ですか?社さん…。」

「……。」

息が整うまでの間に…どこからか橘さんのお付きの人がやってきて…ひそひそと彼に話しかけている。

そんな様子をみながら…持ってきた水筒を取り出し…社さんにお茶を渡すと…

お付きの人の言葉に、少し厳しい表情をした橘さんが…

「すみません…少し席を外しますね。上の部屋でお待ちいただけますか?」

にっこりと…その表情を取り繕って…私達にそう告げた。

「あっ…はい。…あの…今日は迎えに来てくださって…ありがとうございました。」

私の意志ではなかったけど…ここまで連れて来てくれたお礼を云うと、歩き出そうとしていた彼が、その声に足を止めた。

「いえ、僕の方こそ…楽しかったです。それじゃ、また後で。」

にっこりと…嬉しそうに笑うと足早に去って行った。

私達の様子を見てた社さんが…なんだか心配そうに聞いてきた。

「…キョーコちゃん…何もされなかった?」

何もって…

手を握られた位で…

あっ…明日…話を聞く約束…したんだっけ…

でも、社さんに云ったら…彼にも筒抜け…魔王が降臨!!しちゃうかもしれない。

まだ…どんな内容かわからないし…変な心配もかけたくない。

それに…大事な話が…告白とは限らないもの。

経済界のプリンスなんでしょ?

私なんて相手にするわけないじゃない!…よね?

…多分。

「美味しいランチを車で頂きましたけど、後は…

CM撮影の内容を聞いて…

社さんが心配するようなことは何もなかったですよ?」

にっこりと笑ってそう答えた。

だって…橘さんの云う大事な話が…あんな内容だとは思いもしなかったから。


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