君への贈り物 7   Switch ~君を守りたい~ 2nd シーズン  | a guardian angel

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スキビ好きな私が無謀にも始めてしまった…

二次創作・ネタバレ・つぶやきを含む妄想ブログです。

当然のことながら、作者さま・出版社さま等とは一切無関係です。

Side キョーコ


今日は午後からCM撮影がある…。

あの日…夜遅くに帰宅したクオンは…やっぱり怒ってはいなかった。

それに私が言う前にCM撮影の仕事を受けたことも知ってた。

今日も仕事のついでだからと学校まで送ってくれた彼に…

気乗りしないのを見透かされて逆に叱られた。

「君はプロだろ?仕事は仕事!ちゃんと頑張っておいで?

ただ…仕事が終わったら…」

私をまっすぐに見て…少し低めの声で云われた。

「彼とは…二人きりになっちゃ…ダメだよ?」

「はい!」

そんな彼に、ビシっと敬礼して見せたら…

「クスクス…そんなに固くならないでもいいよ。

ただ…彼はちょっと危険な感じがするから…

気をつけてね?」

確かに…危険というか…あの手慣れた感じ…

ちょっぴり帝王な彼と似てるんだよね…。

なんて…怖くて言えないけど。


教室に着くと美森ちゃんが話しかけてきた。

「相変わらず、仲がよさそうね、キョーコ達は!」

「ちょっ…ちょっと!美森ちゃん!!声が大きいっ」

美森ちゃんとは3年でもまた同じクラスになった。

去年の夏以降…美森ちゃんは…頑張ってアタックを続け…

冬にはショータローと付き合い始めた。

だけどそれも…3ヶ月も経たないうちに…

美森ちゃんから別れを切り出す形で終わってしまった。

一緒にいても…優しすぎるショータローをみてるのが

辛いから…と泣く彼女を前に…私は何も言えなかった。

だけど…しばらくして彼女なりに気持ちにケリがついたのか…

最近はショータロー相手にも…かなり毒舌らしい…。

そんな美森ちゃんと私は不思議な友人関係を築いている。

モー子さんとはまた違うけど、

彼女もまた私の大切な友人の一人…。

「何よ?本当のことでしょ?全く…

尚ちゃんもいい加減諦めればいいのに!!

またキョーコと仕事するなんて…

男なんて…本当未練がましいんだから。」

「え?」

「あら…知らなかったの?

だって、あなた今日CM撮影でしょ?」

「そうだけど…ショータローが参加するなんて聞いてない…。」

「参加…って言っても尚ちゃんは曲を提供するだけだから…

共演するわけじゃないけど…今日は顔を出すって…」

「そう…なの?

でも…今回のCM…どんな内容で撮影するのか

詳細はまだ聞いてないの。」

「…そう…。

私もよくわからないんだけど…

ねぇ…今回のCMって共演者いるの?」

「それが…クライアントの…」

「ひょっとして…この人?」

そういって美森ちゃんが見せてくれたのは、

『今話題のあの人に聞く!経済界のプリンス 橘真輝特集!!』 と書かれた女性誌…。

「この本…楽屋に置いてあったみたいなんだけど…

尚ちゃんがこれ見て昨日ドアに叩きつけてたから…。

拾ったのをそのまま持ってきちゃったの。

これって…あなたのことだったのね?」


記者 全国のイケメン好きなみなさーん。橘さんの恋愛観について聞いちゃいますよ~。ズバリ!好きな女性はいますか?

橘  そうですね…気になる女性はいますね。

記  その方は芸能人でいうとどなたに似てますか?

橘  芸能人なんですよ、彼女。うちのCMで共演させて頂いてるんですけど、

   彼女みたいな人だったら付き合ってみたいですね。

記  おおっと…これは~!!…載せちゃって大丈夫なんですか(笑)

橘  構わないですよ?上手くいくように祈ってて下さい。(笑)

記  なんか余裕ですね~。確かに橘さんに口説かれたら落ちない人はいなそうですよね~

橘  そんなことないですよ?

記  またまた~…だって経済界のプリンスにしてこのイケメンぶり、

    しかもこの色気…瞬殺されますって。

橘  彼女もそうだといいんですけどね(笑)


「なっ…!!」

開いた口が閉まらない…

橘さん!!なんてことを言っちゃってるんですか!!

これを彼が見たら…ううん、これからCM撮影だってのに、

レポーターとかきちゃったらどうするつもりなの~~!!

ムンクの叫びのような…

芸能人にあるまじき顔になってる私を見て…

顔を引き攣らせながら美森ちゃんが云った。

「な…なんだか…大変みたいね…。」

プロだけど、仕事だけど…

やっぱり…この仕事受けるんじゃなかったかも…

。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。


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