コノハコ
この箱のなかに、
いくつの人生が隠されているのか。
いくつの物語が隠されているのか。
いくつの日常が隠されているのか。
微笑ましい夕食を楽しむ家族の隣室では、
狂ったように体を重ねる男女がいるかもしれない。
いたたまれない虐待の場面が広がっているかもしれない。
わたしの日常は、隣人の非日常であって、
隣人の日常は、わたしの非日常。
共通する日常は、すべてを包むこの箱だけなのかもしれない。
そう考えると、建築することの意義は、
とても重要で、かつ、とても些細なものに感じる。
秋へ。
そろそろ夏休みが終わります。
初海外とか、
コンペの運営とか、
最後の合宿とか、
意外といろいろあった夏休みでした。
いいもの食べて、
いいもの見て、
いい思い出ができて。
夏の暑さがだんだんと落ち着いて、
秋風と秋空が顔を出してくるのは、
浮かれた気分を、
無理やり切なさで落ち着けるためとしか思えません。
夏が終われば、秋が来ます。
この秋は、春よりも別れと始まりの季節になる気がします。