午前三時 天と地が繋がる時間は 新たな出会いと発見の予感
SQ5と言いながら子供時代の話なのでタルシス。この頃から冒険者力がぐんと延びたかもしれないモブhage描写あり---------- 気球挺から景色を眺める。風馳ノ草原は穏やかな風景で――本当は、見下ろせば危険な生き物が跋扈しているけれど――こうやって眺めているのは好きだ。「2人とも、改めて説明するぞ」 じっと外を見ている僕たちの肩を母さんが叩く。振り返って、得物をぎゅっと握った。「今から向かうのは、小さな果樹林と呼ばれる小迷宮だ。そこで竜血樹脂という素材を採集するのが目的だ。ただ珍しい素材だからな、今日1日で終わるかどうかはわからない」「うん」「はい」 リトも隣で杖をぎゅっと握って頷く。そして、真剣な顔をする母さんのことをじっと見上げた。 家にいるときは優しい母さんだけど、こういうときは怖いくらいに引き締まった顔をする。父さんもリリアおじさんも、ふわふわと笑うトルルさんも表情を引き締めるけれど、母さんは特にそうだと思う。それは、リーダーをしていたから、なのかな。 吹き抜ける風が髪を揺らす。空を吹く風は冷たくて、体が固まってしまいそうだ。地上に降りたら、迷惑をかけないようにほぐしてから行かないと。「そして今回は、とくに注意してほしいことがある。生息しているFOEの鹿のことだ」「鹿がいるの?」「ああ。いつも2頭ほどの小鹿が内部を駆け回っている。あの小鹿だけなら大した脅威ではないんだが……」 髪を掻き上げた母さんがため息をつく。それから、爪先で船底を軽く叩いた。「小鹿に手出しをすると、どこに潜んでいるんだか、親鹿が怒り狂って襲いかかってくるんだ。……私たちがタルシスに来てすぐの頃にも、兵士の一団が犠牲になった。だから、小鹿には手を出さないように」「「はーい」」 返事をしながら、リトと顔を見合わせる。でも、父さんと母さん、おじさんとトルルさんなら、勝てちゃうんだろうな。だって、この大地の果て、世界樹の下まで行った人たちだから。「こら、これから迷宮だというときに気を抜かない!」「わっ、ごめんなさい!」「だって……うぅ、ごめんなさい……」 母さんに軽くげんこつをされて首をすくめた。樹海は危ない場所だから、ちゃんと言うことを聞こう。母さんたちが教えてくれるのは、僕たちが生きるための知恵だから。 やがて目標に近づき、林の近くに気球挺をとめる。大地に足をつけると、近くには別の気球挺があって、他にも冒険者が来ているんだということがわかった。新しいものに見えるから、最近立ち上げたギルドの人たちだろうか。樹海から資源を持ち帰る冒険者という仕事は、大変だけど必要なものだ。だから、なくなることはない。「準備できたか?」 リリアおじさんが大きな盾を持って近づいてくる。その横で、トルルさんが弓を持ってニコニコと笑った。細くて綺麗な指が、ピンと弦を弾く。「父さん、大きい盾だね」「ん? ああ、念のためにな。フィアー……仲間の盾使い程上手くはないけど、この中では一番、盾の扱いになれてるのは俺だから」「慣れた場所でも、どんな事が起きちゃうかはわからないからね。だから、樹海の中では気を抜いちゃダメだよ。お母さんたちも気を抜かないから、リリトもキリカくんもそうしてね」 返事をして盾を見る。あの盾はきっと、僕たちを守るためのもの。母さんたちに比べれば全然、僕たちは樹海に慣れていないから。 足を引っ張らないように頑張ろう。改めて得物に手を掛ける。訓練をして、魔物と戦うのにも少し慣れてきて、でも、そういう時こそ危ないっていうから。気を引き締めて。 木々を抜けて道を行く。道中で魔物を倒したり、回避したり、目まぐるしく変わる状況に必死で追いすがりながら、一見穏やかに見える景色の中を歩いていく。「……あ」 と、父さんが足を止めた。視線の先を追ってみると、雨風に晒されたためか傷みの目立つ看板が道の脇に打ち込まれていた。母さんから聞いたばかりの鹿の注意書きが刻まれている。「結構、傷んでますね……。まだ読めますけど、念のため、戻ったら報告しておきましょうか」「そうだな。この辺りは経験の浅い冒険者も訪れる場所だし、こういうものは目立つようにしておかないと危な……」 と、その時。 母さんの言葉を遮るように、空気が激しく震えた。身を縮める僕たちを囲んで、母さんたちが表情を一変させる。「さっきあった気球挺のやつらか!? リーフ、あれどこだ!」「少なくとも名の知れた奴らじゃない! ビエリは!」「いいえ、私も! ですが最近、孔雀亭に新人らしい冒険者が――」「みんな隠れて! 来る!」 トルルさんに引っ張られて、リリアおじさんの盾の影に押し込まれる。母さんはと視線で探すと、父さんと一緒に素早い身のこなしで茂みの中に飛び込んだのが見えた。僅かに間をおいて、何か、大きな生き物が目の前を疾走して姿を消す。リトに視線を向けると、何やら青い顔をして口を押さえていた。「リト、大丈夫……?」「……木が」「……うん。教えてくれたね」「逃げて、って……ころ、される、って……」「リリト、大丈夫だ。大丈夫。この盾は、そうならないために持ってきたんだから」 おじさんがゆっくりと盾を下ろす。だけど見上げてみれば、リトを安心させるような口調とは裏腹に、厳しく沈んだ表情をしているように見えた。「木だって、そうならないように、お前に教えてくれたんだろ」「……だが、これは……」 茂みから出てきた母さんが、影の向かった先に視線をやる。それから、忌々しそうに舌を打った。「どうします、リーフ? もし私が孔雀亭で見た冒険者たちなら……親鹿に太刀打ちできる装備では、なかったように思えます」「だったら尚の事、今日は撤退だ。私たちだけならともかく、キリカとリリトにはまだ荷が重い。それより急がないと、私たちまで巻き込まれる」「えっ……」 思わず、疑問の声が漏れてしまった。 助けに行くという選択がない。アリアは、たくさんのひとたちを、なにより――アークおじさんを助けたはずなのに。「行くぞキリカ。急げ」「待って! だってその人たち――」「キリカ、行こう……! だって、だって木が騒いでる! 逃げろって、さっきよりずっと、強く、叫んでる!」 言い募る僕の声を、悲鳴のようなリトの声が掻き消した。それを上塗りするように、また、激しい空気の震え。背中を押されて走り出す。 その道中、最後尾だったおじさんが振り返り様に、地面に盾を突き立てた。全身で支えたそれに、激しい打撃音が二度。それから、耳が痛くなるような不思議な音が鳴り響いた。目の前がぐにゃりと歪んで、感覚がおかしくなる。 あれ、これ、なんだ。 誰かが何か、叫んでいる。 人影が、動いて。 どっちに、向かって。「え……あ……?」 手が動いた。つかんで、引き抜いて……それから……「――」 そこで、澄んだ音色が景色を裂いた。いつの間にか得物を握っていた僕の隣で、トルルさんが歌っている。不思議で優しい、知らない言葉の、暖かな歌。「え……な、なんで、これ……」「キリカ、鹿の鳴き声を聞くな! 戦わなくていい、自分を保て!」 母さんの声を聞いて、はっと視線を前に戻した。リリアおじさんの構えた盾を蹴りつけながら、大きな鹿の魔物が高くいななく。けれどその音は、トルルさんの歌に打ち消されるようにして、僕たちのもとへは届かない。「あれ、が……親鹿……?」 風を切る音がして、何かが親鹿の額に突き立った。悶絶したそれは叫ぶのをやめて暴れまわる。歌を止めたトルルさんが、その手にした弓を引き絞った。「リーフ、私、右足いくね!」「任せる。とにかく足を潰せば――」 また、今度は二つの風切り音。放たれた矢が太ももに命中し、親鹿の動きが目に見えて鈍った。「失礼します」 親鹿がよたついたその場所に、白くて長い髪が広がる。見知った特徴的な刃の長剣が二振り、踊るように首を切り裂いた。ばったりと倒れた大鹿の魔物をしばらく見下ろしてから、父さんがこっちを振り返る。色素の薄い肌に飛んだ血が、やけに目立って見えた。「……キリカとリリト君は?」「大丈夫、怪我はないよ」「そうですか。よかった」 それでも、安堵したように笑った父さんはいつもの父さんの柔らかい笑顔で、急に戻った日常に、ひざの力が一気に抜けた。地面にへたりこんでから、心臓が耳の奥でうるさく叫び出す。「さ、さっき、なんか……変に、なって……僕、なんで……」「あれは狂乱の角鹿と呼ばれる魔物だ。鳴き声は精神を錯乱させて……敵味方の区別もつかなくなった者たちで、同士討ちを始めることすらある程だ」 思わず息が詰まった。僕は、引き抜いた刃を誰に向けるつもりだったんだろう。その届く範囲にいたのは、皆、大好きな人たちなのに。「ご……ごめ、ん、なさ……」「キリカ」 目の前にひざをついた母さんが、ぽん、と僕の頭を撫でた。軽く首をかしげると、長い前髪の下から眼帯に覆われた半面が覗く。「樹海はこういう場所だ。判断を間違えば、新人だろうがベテランだろうが関係なく命を落とす。時には、判断が正しくても」「はい……」 思い出した。母さんの顔の傷は、魔物に襲われてできたもの。片目の視力を失ったのは、敵わない相手に逃げると判断した上での怪我だった。そう、聞いた。「……キリカが躊躇した理由もわかるけど、間に合えなかったんだ。あそこから追いかけたところで、この魔物の早さには追い付けない。それに、たどり着いたとしても……な」 唇を噛んでうつむいた。今なら、考えればわかる。あの魔物がここで追い付いてきたってことは……そういうことだ。「さて……リーフ、どうする? こうなったらもう危険もないし……」「うん……今の戦いを警戒してるのか、魔物たちも息を潜めてる。今なら、いつもより安全に奥まで進めそうだよ。……様子、見に行く?」「そうだな……採集はともかく、来ていた者たちの所属と……安否は確かめておかないと……」「キリカとリリト君は……顔色も悪いし、気球挺で待っていてもらいましょうか。今の2人には、少し刺激が強すぎるでしょうし……」「ううん、行く! ……行っても、いい?」「俺も……。ちゃんと、見といた方がいい……気がする……」 声を上げた僕の横で、おじさんたちになだめられていたリトも口を開く。 そうだ、見ないと。樹海では何が起こるのか、体に、心に覚えさせておかないと。それを怠れば、きっと……誰かを巻き込んで、してはいけないことをする。 ひざに力を込めて立ち上がった。リトと顔を見合わせて、小さく頷く。「……わかった。無理はするんじゃないぞ」 こっちだ、と、母さんの先導について歩いていく。目をこらしてみれば地面の足跡は途中で水辺に続き、そこに深いへこみを残して消えていた。対岸へ向かう道を行きながら、頭の中で地図を書き起こしていく。遠い。 しばらくして、鉄の臭いが鼻を突いた。片手で口と鼻を覆って道を曲がる。「……なるほど」 母さんが静かに呟いた。こちらに目配せをして、父さんと一緒に駆けていく。続こうとする僕とリトの肩を、トルルさんが優しく叩いた。「無理に見なくていいからね」「はい」「うん……」「あー……これは、酷いな……」 続いておじさんもため息をつき、振り返った。青い目が案じるように僕たちを見て、それから先へ進んでいく。「キリカ……」「うん……行こう」 足を踏み出し、視界をふさぐ人の背中から外れる。そこに広がっていたのは緑の下草と赤い絨毯。入り乱れて倒れる人たちと、2頭の小鹿の亡骸。 せり上がってくるものを飲み込んだ。一歩一歩、倒れた人たちを調べる両親の側に寄っていく。 同士討ちをしてしまったことは一目でわかった。だって、鹿が矢を射ることはなく、刃物を振り回すはずがない。「やはり、私の見た新人のようですね……。あの看板を見落としたのか、それとも」「採集地点の草を食む小鹿を、厄介者として排除しようとしたか……」 これが、樹海で起こる凄惨な悲劇。多くあるそのうちの、ただひとつ。母さんたちが、実力と強運をもって回避し続けたもの。 ぞっとする。新人冒険者といっても、道中の魔物を退けて歩き回るだけの力はあったはずの人たちだ。それが、こんなに呆気なく。こんな、無惨に。 もし、腕の立つ冒険者がいなくなって、樹海から資源を持ち帰る方法がなくなったら。戦う術のない町の人たちは、どうやって生きていかなきゃならないんだろう。「……」 強く、ならなくちゃ。 守られながらではなくて、前に立っていられるように。 冒険者という仕事が、なくなることはないのだから。
【マグナゲート】 チーム名:Epica パラダイスの運営を優先しているため冒険に出る機会は少ないが、時間を作っては掲示板の依頼をこなすようにしている。 主人公:リイカ ツタージャ♀ 少し気の強い、オシャレ好きの女の子。人間だった頃はモデルをしていた。思いのままに、俊敏に活動できるポケモンの姿は気に入っている。 パラダイスの小物のデザインを、ドテッコツたちと一緒に考えたりしている。 ライカの可愛さに惚れ、善良さに惚れ込み、ポケモンとして生きていくことに迷いはない。 照れるとエモンガに絡む。パートナー:ライカ ピカチュウ♀ 心優しく、いい子すぎる女の子。だが芯は強く、流されず、パラダイスの希望の象徴。 パラダイス発展に尽力するあまりオシャレには無頓着だったが、リイカに着飾らされるうちに楽しくなってきた。ただ、オシャレした姿を見られるのは少し恥ずかしいらしい。 真っ正直にリイカの動きを目で追って、目を回すこともしばしば。
【救助隊】 チーム名:Storia 時々、未開の地の探検にも赴くが、本業は救助。救助のスペシャリスト。 稀に見る大所帯で、遠征先に合わせたパーティを組むことができる。主人公:ロイ ヒノアラシ→バクフーン♂ 結構マイペースな男の子。自分がポケモンになった原因を気にしてはいるが、それはそれとしてヒノアラシ生活を満喫している。 アンプから向けられる素直な言葉をくすぐったく感じつつも、その言葉に支えられてきたことから感謝は尽きない。 幸運の持ち主で、いい縁をたぐり寄せる。その結果が大所帯ギルドであった。パートナー:アンプ ピカチュウ→ライチュウ♂ かなりマイペースな男の子。よく食べ、よく寝、よく笑う。 自分の気持ちを素直に伝えることを大切にしており、そのせいで相手をイラッとさせてしまうことがある。だが一方で、裏のない信用できる者として一目置かれているところも。 頭の回転が早く優秀な人材だが、ロイの冗談に乗せられることは多い。メンバー:コイル かつて助けた古参の仲間。あまりにタイプが偏るため一緒に冒険は出来なかったが、別チームのリーダーを任されている。後進の指導にも精力的に取り組む。 アンプと電気トークに花を咲かせることもあるとか。メンバー:アブソル 知識豊富な人格者。わからないことはナマズン長老かアブソルに訊け。 ロイたちがいないときのリーダー代理をコイルと共に務めている。 物珍しそうにポケモン広場を歩き回っていることもある。 +--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+ 救助隊DX発売決定を機に、ちゃんとキャラ設定練ろうと思った。まだまだ仮。 今後もポケダンシリーズがリメイクされていくことを、そして新作が作られていくことを期待しつつ……ありがとう株ポケ。ついでにサントラ出して。
ある日、ふと降りてきた現代風異世界の話。正直つじつまの合わないところばっかりだと思うけど、捨てるのも勿体ないしキャラクターは私の中で生きているのでとりあえず記録。+--+--+--+--+--+--+--+--+--+◆世界 基本は現実世界と同様。コンビニは覇権争いを繰り広げているし、スマホアプリはいろんなものが普及している。 ときどき「非実在性実体」と呼ばれる正体不明の存在が現れ、人を襲っている。+--+--+◆用語NECS 非実在性実体対策課(Nonexistent Entity Countermeasure Section)。十色市警察内に設置された特殊部隊。非実在性実体の討伐、および被害者の支援にあたる。 NECS装備に適正のある警察官の他、適正のある一部市民を特殊隊員として擁している。境界門 プラス軸の世界とマイナス軸の世界を繋ぎ、隔てる門。プラス軸の世界ではほとんど忘れられているが、マイナス軸の世界においては割と知れたものらしい。 最近調子がおかしいという。喫茶「明鏡止水」 市内の住宅地でひっそりと営業している喫茶店。メニューは多くないがオムライスが旨い。浸食 非実在性実体に襲われることにより、被害者が受ける様々な影響。軽いもので記憶の部分的な喪失、重いものでは存在自体が消失すると考えられている。 程度に寄るが、浸食を受けた情報(浸食情報)について人間が認識することはできない。機械等での読み取りは問題なく行われるが、浸食情報に関連する情報は、どのような形になっても正しく人間に届くことがない。ただし、関係の深い者であれば「縁」のようなものを感じることはあるらしい。千里グループ 大手エネルギー開発会社。NECSの装備品開発や非実在性実体の観測に協力している。十色市 舞台となる都市の名前。田舎でも都会でもない街。千里グループの本社がある。狭間の世界 プラス軸の世界とマイナス軸の世界の間にあるとされている世界。ここに到達した存在は、2つの世界に根本から影響を及ぼすことができるという。狭間の世界は影響を受けない。プラス軸の世界/マイナス軸の世界 「私たち」のいる世界と「非実在性実体」のいる世界。物理的な世界と仮想的な世界。実体と非実体。 世界の濃度が違うため、本来の世界を出ると適応できず苦痛に苛まれるという。形状を維持することも難しく、異世界で活動するためには特殊な装備による保護が必要。非実在性実体 マイナスとも呼ばれる。度々街に現れては人を襲う謎の生物。炎や風など、超自然的な力を操る。半透明で目視するのは難しいが、NECSの装備があれば確認可能。千里グループ協力のもと観測設備が作られており、アプリを通じて観測情報が市民に提供されている。 正体はマイナス軸の世界の住人。大半はこちらの世界に適応できず、酷い苦痛のため自我を失っている状態。+--+--+◆人物海堂 ランマ 主人公の男の子。16歳くらい。気がつくと公園のベンチに横たわっていた。重度の浸食を受けており、彼に関する情報は全て浸食情報となっている。本名不明。 浸食を受けたことと引き替えに非実在性実体のもつ超自然的能力(と謎の変身能力)を得ており、風を操ることができる。その力を駆使して非実在性実体を退けることに尽力しており、その様子は都市伝説的に「緑の少年」「仮面の男」などと呼ばれていたりするらしい。 喫茶「明鏡止水」で働いている。名前は迅が仮に付けたもの。久川 迅 喫茶「明鏡止水」のマスター。32歳。 非実在性実体に襲われたところをランマに助けられた。その後、行く宛てのない彼を保護し、仕事と住居を与えた。その理由は「縁を感じた」からとのこと。ランマの呼び名も彼が考えたもので「快刀乱麻を断つ」が由来。間藤 百花 NECS所属の女性警官。25歳。 喫茶「明鏡止水」の常連。迅とも親しく、休日は一緒に遊びに出かけることもあるとか。 何かがこっそりと抜け落ちたような感覚に襲われ、親しかった誰かが浸食を受けてしまったのだと察している。その後ランマと出会い、縁のようなものを感じている。「緑の少年」「仮面の男」を探しているが、その正体には気付いていない。結 ランマに酷似した非実在性実体の少年。風の力を操り、プラス軸の世界に溢れてきた非実在性実体を連れ戻したり、何かを調べたりしている模様。陣(仮) 迅に似た非実在性実体の男性。結の協力者らしい。結の身に着けている装備を整備したりしている。料理は好きだが上手くない。火の力を持っている。桃花(仮) 百花に似た非実在性実体の女性。のんびり、ほんわかしている。最近行方が知れない。強い土の力を持っている。背津 拓真 NECS隊長。32歳。百花の上司で、迅とは昔の同級生。 少なくない隊員が浸食を受け消えていることに胸を痛めている。千里 望 千里グループ会長。
1年ぶりにやる気が戻ってきてSQX再開しました。アリエッタの旅も再開です。なおプレイデータ自体はラスダンまで進んでます。+--+--+--+--+「うっ、敷き詰められた花びら……落とし穴……自由落下……」「きゅぅーん……」「もしかしてカメもいるのかしら。超危険な花びらとか」「2人と1匹の表情が曇ったわよ」「この迷宮も気を抜けないってことだね」+--+--+--+--+・次はハイラガの番だなぁと思っていたら、さ……桜ノ立橋だとぅ!?入ってみたら、ハイラガの時より少し明るい感じ……?落とし穴がありそうですが、気をつけてじわじわ行きましょう。それにしても、やっぱり綺麗だよねぇ、桜ノ立橋は……。・歩いていたらわんこが出ました。……いや、クサビの方が可愛いから!(しつこい)名札ぶらさげてるんですね。かわいい。クサビも首輪に名札さげてると思う。クロガネjJr……ハイラガではベオウルフにお世話になったよ。いい人たちだった。ところで彼、ファーマーなのでは? ペットはファーマー、正しい判断だった。・両手に犬でてくてく行きます。足元に空が見えるな綺麗だなと思って眺めていたら遠くに浮島が。本当にギミック総出演だなぁ……。クロガネJrと一緒に乗り込みます。・……と思ったら、その近くにあった小イベで「水上を吹き抜ける風が~」と言われました。そっか、水か……。飛泉ノ水島だもんな、水か……そっか……。ションボリしていたら、冒険者さんがスープを分けてくれました。男装の麗人の方です。・両手に犬を継続していたらアテリンがいました。お久しぶりです、元アリアのアークです! ライシュッツさんは……?航海王女たち海の一族はマギニアを敵視しているそうです。伝承が何とかかんとか……。半年前にここへきた水兵の一団が行方不明になっているらしく、アテリンからは先へ進むなと言われました。でも進むみたいです。……マギニアへの報告は?・と思ったら、階段手前でナレーションに「報告せぇよ」と言われました。帰ります。
そよぐ草の波を見つめながら、ため息をついた。……暇だ。 タルシスまでは、こういう時間はトルルさんが歌ってくれたり、ビエリが用意してくれた軽食の品評会をしてたっけ。でも、耳を澄ましても草木の歌がわからない僕にはうまく歌えないし、護衛を交代して遊べるような人数の余裕はない。「アリアって、やっぱり恵まれてたんだなぁ……」 みんな仲良かったし、冒険者の先輩である彼らから学ぶところもたくさんあった。それができない今は、どうしたらいいだろう。「暇そうだね」 コランダリアさんと話でもしてみようかと思ったところで、背後から声を掛けられた。振り返ると、未だについてきていた長髪の青年の姿。「今のところ魔物の気配もないし……というか、こんな僕たちを見物してるあなたの方が暇そうですけど」「あはは、違いない」「否定しないんだ……」 改めて、彼の容姿を観察してみる。変わった形の羽織ものの下には、金属板を重ねたような防具を身につけている。似たようなものは、地元でもブシドーが身につけていたような気がするけれど……いや、彼らよりは防御面を重視していそうだ。そして、腰には2本の刀。でも、ナイトシーカーでもないだろう。彼らが使う、闇に紛れたり身代わりに使うマントを、彼は身につけていないから。何より、ナイトシーカーをやっていくには防具が重すぎる。「アーモロードの人ですか?」「よくわかったね」「ハイ・ラガードやタルシスでは見かけなかった装備だし、アリアの先輩がエトリアとハイ・ラガードの冒険者は大差ないって言ってたから……」「ふぅん、消去法か……。厳密に言うとアーモロード生まれではないけれど、技術を鍛えたのは海都だからね、間違いじゃない」 一度、ヤギの群れに視線を戻す。穏やかに草を食んでいるヤギの数を、衛兵が数えている。そろそろ日が傾いてきたし、帰る時間だろうか。「大変だ!」 再び青年に戻しかけた視線を、衛兵の叫び声で再び群れに戻した。慌てて駆けてくる衛兵は、明らかに慌てている。「山羊が一頭足りないようだ! 探すのを手伝ってくれないか! オオツノという若いヤギなんだ!」「えっ……」 キョロキョロと辺りを見回す。このあたりでヤギが行けそうな場所というと、ここまで来た道か、森か……少し離れた場所には険しい谷もある。「うーん、落ちた……か、慣れない森で迷子……。クサビ、どう思う?」 クンクンと辺りの匂いを嗅いでいるクサビに声を掛ける。しばらくの間、周辺を嗅ぎ回った彼は、一声鳴くと森の方へ駆け出した。クコとコランダリアさんに声を掛けて、後を追いかける。ついでに、青年も引っ張っていくことにする。「あいたたた、引っ張らないでくれ……何で僕まで……」「アリエッタの依頼にここまで勝手についてきたんだから、手伝ってくれてもいいじゃないですか! というか、若いヤギなんだからマギニアの大事な食糧事情に関わりますよ!」「わかったわかった……」 茂った低木を払って、森の中へ進む。目的地がわかっているように走るクサビの背中を追いかけていると、すぐ近くでヤギの悲鳴が響き渡った。各々が得物を手に取り、戦闘態勢に入る。「ばうっ!」 真っ先にクサビが飛び出していく。その先には、魔物に追い詰められて大きなツノを突き出しているヤギの姿。おそらく、あれがオオツノだ。「クサビ、頼むよ! クコはオオツノの保護をお願い! 僕が動きを封じるから、コランダリアさんが仕留めてください! あなたは他の魔物が近づいてこないか監視!」「了解っ」「任せて!」「はいはい」 銃を構え、赤い毛並みの魔物に照準を合わせる。まずは足を狙って動きを鈍らせる。それから、ぶんぶん振り回している腕を封じる。とにかく、みんなが怪我をしないように戦いを運ばなくちゃ――! 幸運にも、特別強い魔物だというわけではなかったらしい。僕とクサビの攻撃で動きの鈍った魔物を、コランダリアさんの一太刀が斬り伏せていく。「……敵、沈黙を確認。リーダー、もう大丈夫そうよ」「うん、ありがとう。クコ、オオツノの調子は?」「特に怪我はなさそうね。立派なこのツノが、魔物を威嚇できたみたい」「そっか、よかった。他に魔物の気配はなさそうだけど……」「僕も大丈夫だと思うよ。倒すまでが手早かったから、騒ぎに気付いた援軍もなさそうだ」 ほぅと胸をなで下ろす。何だかんだ、レムリアに来てから初めての戦闘だったから、少し緊張した。戻ってきたクサビをなで回して、一通り褒める。真っ先にヤギの行き先に気づいてくれたんだし、夕飯をちょっとだけ豪華にしてあげよう。 オオツノを連れ、草原で待っていた衛兵に届ける。まさか魔物に襲われていたとはと小さく震え、感謝の言葉を受け取った。そのまま、マギニアへの帰り道を行く。クサビは相変わらず先頭を意気揚々と歩き、クコとコランダリアさんは微妙な距離で僕の前を歩く。「アリアのアークねぇ……実のところ全く聞いたことがなかったけれど、意外とやるもんじゃないか。ぼんやりしているように見えて、ためらいなく指示を出せるというのはなかなかできるものじゃない」「ぼんやりは余計ですー」 青年の隣で、僕は唇を尖らせる。アリアではリーフさんか、時々リリアさんが指揮を担っていたから、その様子をずっと見ていた甲斐があったかもしれない。「それで、僕ばっかり名前を知られているのはちょっと癪なんですけど……」「ああ、ごめんね。僕の名前はビスク。ショーグンとして鍛えてきたつもりさ」「ショーグン……」 聞き慣れない響きを口に出してみる。「実はギルドを探していてね。外じゃ有名なアリアのメンバーがいるっていうんで、面白そうだったらいいなと思って見ていたんだ。面白そうだし、入っちゃおうかな」「えぇ、そんな気楽な感じで……」「だって聞いたかい、君? 冒険者としてマギニアに乗り込んだ癖をして、その志を失った者がもう少なくないそうなんだ。万が一、加入したギルドがそうなっては困るんだよ」「困る?」 青年を見上げる。僕より少し、いやもうちょっと身長が高いのが、ちょっと悔しい。「アーモロードの樹海は地元のギルド、みなみぼしに探索し尽くされてしまったからね。僕が冒険者として腕を磨くためには、ここしかないのさ」「わー、意外と志が高い」「意外とは余計かなぁ」 苦笑しながら首を振る彼を見て、何だか笑いがこみ上げてきた。リーフさんも、こんな感じでアリアの仲間を集めていったのかな。楽しくなりそうな感じを、信じたのかな。「じゃあ、みんなで相談かな。メンバーが揃うのは嬉しいことだし、樹海を踏破したいって意志がある人だったら、僕は嬉しいし!」「気前がいいねぇ。騙されて妙な壺とか買わされたことない?」「壺はない!」
「みんなと一緒に来られてよかった。だから、この先も――」+--+--+--+--+・こいつら放りっぱなしの焼き魚勝手に食べましたよ!?まあ、戻ってきそうな痕跡もないみたいだし、火が付きっぱなしなのはアカンけど……うん、アカンな。樹海で火の元注意しないのは大馬鹿者だ。・いかにもテントウムシとか呼びそうな巨大な邪花さんいらっしゃーい。「仲間を食べようとしたが食べられる仲間がいなかった!」って文字列怖すぎ。・てくてく歩いて壁に乗り……カメ?いかにもボスっぽい9マスの魔物が鎮座ましましてます。歩いたら気付いて追っかけてきたんで、適当に撒きながら行きましょう。わりと足速いっすね。・あと雑魚になんか気持ち悪い……ぬめぬめの……なんか出てきたんですけど……塩一袋叩き込んでも良いですかね……え、貴重だからダメ? ……うう……。・腹ごしらえしていたロブとカリスがアリエッタにも芋をくれました。嬉しい! んまい!・うっかりボスっぽいヤツに叩き落とされたら、落下地点にレオくんが!今回は怪我してなくてよかったです……ソロ探索なんだから気をつけてね。ボスの動きの法則性について教えてくれましたが、うん、気を抜いて歩いてただけなんだ……そうなんだよゴメンね……。こういう感じで誘導するボスって初めて、かな……?・何だかラスダンみたいな熱さを多少感じますが、まだまだ先は続くはず。そのためにサックリやっちゃいましょうかね! さあさあ勝負だ!とりあえず筋肉質の腕しばりますねー(パァンパァン援軍がバステ解除不可にしてきたりしましたが、何とか全員で経験値ゲット。そんなに俊足なパーティでもないので、スタンだけは面倒でしたね。・奥へ進んだら、東土ノ霊堂ぶりに謎の声ちゃんが。「ヒトをたすけたんだ」とはなんぞ? マギニアのミッションをこなした件ってこと?・飛泉ノ水島についたら赤毛のイケボ青年が。水兵という言葉を発するところからして、このさきには航海王女がいるのですね? んで獣避けの鈴か何か持ってますね?・そんなこんなでミッションを報告。褒めて、そしてお金を……!……って、あれぇ!? ミュラーさん!? ミュラーさんなんでこっちにいるの!?慌ててギルドを覗いたら衛兵長がにこにこ担当してた……マジか……驚きだわ……。・どうやらペルセフォネが体調を崩したようです。今までずーっと気を張ってたもんな……。ミュラーさんが見舞いに行ったら鈴の音がしたと……さっきの人きてるじゃん!・非常に失礼なことを言うけど、ミュラーさん裏切らないよね……?最初から気にはなっていたんだけど……。まあ、とにかく飛泉ノ水島の探索を始めましょう。あちこち霧がかってるようですね。んで……火口もあるの? へぇ……行くのかな。・その前に、扉の鍵みつけたんで各所の扉ひらきまくりますけどね!
「先はまだ長そうね。……まあ、来た道もそんなに長くないけど」「えっ?」「地元じゃ1層5階建てだったんだ。だから、3階だと僕たちはちょっと小さく感じる」「タフだねぇ……」「わんふっ!」「ああっ、何かクサビのテンションが高い! 引っ張られる!」「わんふっ(ビスクもタフになろう)!」+--+--+--+--+・入ってすぐに後ろからオリバーが走ってきました、衝突は回避!SQX初の、イベント発生地点での強制帰還じゃないですかね、これ。……もうちょっと早く教えてくれれば、糸1回分浮いたのに!・司令部に戻って話を聞きます。ほーん、磁軸を探せとな。了解でーす。そろそろ海賊王女の話かと身構えちゃいましたけどね。・ふとミュラーさんに会いに行ったら心配してもらいました。真摯なまなざしが、生真面目で無理をしても理想を追いかけてしまうペルセフォネと似ていると。「くぅーん?」・一方でクワさんはTP切れ。パンケーキ食べなよ。・迷宮に戻って探索です。何か足音がいやに響く場所があったので、コランダリアさんに床板(石版)を持ち上げてもらいます。中身は……ぴぬてぃ……?剣だし、とりあえずクコに装備させときましょうかね。・先へ進むと暴れ野牛さん登場ですね!懐かしい……アリアが壊滅したこともあったな……フフ……。・ボス部屋らしい空間がないなと思っていたらまだ下がありましたよ!------・依頼を受けました・ぶよぶよした魔物……思いつくのはウーズちゃんですけども。やっぱウーズちゃんかなぁと思いながら向かったらスーサイドウーズちゃんですってよ。うーん……ウーズちゃん一族には、冒険者に手を上げて欲しくなかったな……(今さら悪い子はフリーズドライブです。分裂しましたが明星でさっくり。・ネイピアが髪飾りを盗まれたと。でも記憶があやふやな感じの喋り方ですね?とりあえず対タヌキ用トラップを持って……うろうろ……あ、巣だ。何か様子が変だと思ったら、さてはネイピア……たぬに惚れたな……?
「……」「ハッハッハッハッ……」「ここも中々湿気てるね」「髪の毛ベタベタ……」「汗が気持ち悪いわ」「……」「蒸されてるねぇ……」+--+--+--+--+・虹蜥蜴ちゃんわーいと思ったらパープルアノールの方かよ! 虹蜥蜴ちゃんを出せ!それにしてもFOEのオーラが赤い……。これは後回しすべきかもしれないな……。・そういえば、ちょこちょこ小迷宮のボスを倒して回っているのですが、ビスクが放り投げられて戦線離脱したタイミングでダリアさんが決めてくれることが少なからずあって……功労者なのに経験値が貰えないとかいう悲しみ……。・FOE周回ルートに置いていたオートが容量オーバーになって絶望しかけたものの、なんとか衛兵の居場所までは到達しました。よかった、どうもうまく捕獲できへんなぁと悩みに悩んでいただけだそうです。……よかった。・ボスの皮はシリカが1万enで買ってくれるらしいので、もうちょい力をつけたらレッグスナイプ祭で引っぺがしてやりましょうかね!→力をつけたので剥いできました。装備もできるよなと思ってネイピアに下ろしたらDEF+1 封じ/バステ耐性↑4のベストになりました。あ……はい、さよなら……。+--+--+--+--+ここ数日プレイできていない時間が多いので(自創作だったり他の用事だったり)投稿も忘れてました。うーん、第9迷宮までは進んでいるので、ストックは足りるはずだけど……。
人が通れるよう隙間をあけて、酒場の前に立つ。「さて、外国じゃ有名だっていうアリアのメンバーとは、どんなものか……」 ある程度の情報は仕入れてある。人の良さそうな茶髪の青年がリーダーで、その相棒は大きな犬。赤い大きな帽子を被った女性と、巨大な剣を駆る女性が仲間なのだという。午後になると毎日、この酒場へクエストを受けに顔を出すというから、そろそろ来るのではないだろうか。 日差しを浴びて彼らを待ちながら、地元のことを思い出した。 アーモロードの世界樹の迷宮を踏破したのは、海運業をやっている家の息子と、その仲間たちだった。僕とはさして年齢も変わらないのに、彼らは多くの難関を乗り越えて、樹海の恵みを幾度となく海都へ持ち帰っていた。 それに、憧れた。 それを、羨んだ。 他の街はどうだか知らないけれど、海都には意外と孤児が多かった。迷宮に挑み、帰らぬ者となった冒険者の子供であったり、樹海から沸いた魔物に襲われて家族を失った子供であったり、海で両親を失った子供であったり……とにかく、いろいろあったのだ。 僕自身も、そんな子供の1人だった。 両親は、世界樹の迷宮に活路を見出そうとした冒険者だった。どこかの国から、海を越えてきたのだという。それは、物心ついた頃には身につけていた衣類が、装飾品が、残されていた武具が物語っていた。 孤児院で育っていた僕は、順調に樹海を進む彼らに触発され、残されていた武具を取った。彼らのように強くなりたい。人々に求められるようになりたい。そして、危険な場所も手を取り合って進める、笑い会える、信頼できる仲間が欲しい。そう思った。 技を磨いて、仲間を探した。彼らのようになりたいのだと、理想を語った。 ――無理だよ、あいつらは特別なんだから。 彼らは恵まれているから。孤児院の仲間はそう言った。生まれが違う。育ちが違う。戦いを学ぶ余裕があったから、あれだけ強くなれるのだと、だから自分たちが追いつけるはずがないと、言った。 悲しかった、けれど、納得もした。優秀な冒険者が脱落してもなお、彼らは進み続けていたから。彼らの影を追いかけ続けるのは、樹海に一歩も踏み込んだこともない僕たちには無理があるのだということは、彼らが先へ進めば進むほどに思い知らされた。 だから、彼らの影を追いかけるのはやめた。 彼らならできただろうかと考えるのも、やめた。 共に進む仲間もいない僕には、彼らの後を追うことすら、できはしないのだから。 でも、だからこそ腕を磨き続けた。彼らを追うことができなくなっても、僕には、僕の理想がある。 マギニアが海都へ来たのは、それから何年も後のことだ。アーモロードの世界樹は彼らに踏破され、未知なるものが無くなったとすら言われた頃。 新たな迷宮、失われた文明。レムリア大陸は、真に前人未踏の地。その言葉を聞いて、決意した。 今なら、他の冒険者たちと同じスタートを切ることができる。知らない国の、知らない冒険者たちの戦い方を知ることもできる。強く、人々に求められるような冒険者に、なれるかもしれない。 だから、マギニアに乗り込んだ。 そして、彼の噂を聞いた。「名声にあぐらを掻いて、偉ぶるタイプでなければいいけれど」 吹き抜ける風に揺れる髪を押さえる。 強い人だというのなら、見てみたい。その在り方を知ってみたい。 そして、可能なのであれば――肩を並べてみたい。共に進む、仲間が欲しい。「……あのー……通りたいんですけど……」 控えめな声に気付いて、意識を前方に戻す。「君たちがアリエッタかい?」 想像していたのとは、幾分か違う。けれども聞いていたものと合致する特徴を持った青年を眺め回す。彼の足元には、おとなしく座る大きな犬。 これは、思ったよりも面白そうかもしれないな。 いくつか言葉を交わし、僕の足元を犬が駆けてゆく。バランスを崩して戸口に手を掛ける僕の横を、青年たちが通り過ぎていく。聞こえてくるのは、店主と楽しそうに言葉を交わす彼の声。 どうやらクエストを受けるらしい。草原で、ヤギのお世話。 それならひとつ、見物させてもらおうか。彼らがどういう姿勢なのか、見ればはっきりするだろうから。+--+--+--+--+ 邂逅を書いたときはまだキャラが定まってなかった感じのビスク。 でも今となっては残念なイケメンとして安定しちゃいましたね。
「うっ、いやな桃色が……寝たら叩いてでも即座に起こして」「たくさん咲いてるわね。焼き払えたらいいんだけど」「生憎、広範囲を焼き払う技術は持ち合わせていないわ」「列単位でなら僕が何とk……スヤァ」「ばうっ!!!」ガブー「痛ーーーーいっ!」 +--+--+--+--+・やっぱり壁の上を自在に移動できる鳥は出てきますよね。カリスとロブから教えてもらいましたが、ハイラガといえば障害物を越えて飛来するFOEっすもんね……青いモヤモヤ……。・歩いていたらコロコロしているタヌキのエネミーが。こ、こいつはちょっと可愛……いやクサビが一番可愛いから! うちのクサビが一番だから!でも触ったら気持ちよさそうだよな……って変化? えっパイナップル!? さようなら!・タヌキ、タヌキかぁ、面倒だなこの野郎……などと思いながら扉をくぐったら危険な花びらさん! あなた危険な花びらさんですよね! やったー! 花粉ばらまいて♡あの危険な花びらさんが、世界樹の全てがクロスしたSQXに参戦しないはずないんです。ああよかった、やっと会えた……。・やけに臭いキノコが生えていたので、帝国出身毒抜きならなんのそのコランダリアさんに試してもらいました。「あら……これ美味しいわよ。歯ごたえがあって」「臭いさえ気にならなければいいんですけどね」「(俯いて震えている)」・ところでここは、ついにB4Fを備える迷宮だったということですね。うおおおお楽しみだぞーーーーー!------・依頼を受けました・ブシドーの子が鉄刀木を求めていると。ほうほう、持ってるしどうぞ。……え、あれ、これって3に出てきたフルベとヒイラギなのでは……?・危険な花びらさんの群れを焼き払うやつもやりましょう。珍しく真面目なクワさん。それだけ大変な相手だと言うことは重々承知です。でも、どうせなら失敗を……ね?(足元から登場する大量の花びらさん)まあ大量の素材が手に入ったんで良いんじゃないですかね。
「何あれ、ガサガサ言ってる」「追いかけてくるわね」「前方にツタがあるわ。一旦降りましょう」「これで撒けるといいけど……」「……わんっ!」「クサビ、どうし……ジャンプしてきたーーーーーー!」+--+--+--+--+・敵もちょっとずつ変化してきましたね。アーク「まんまるターキーだ! ターキーにしてやる!」クコ「他の魔物にも丸呑みされるらしいわね」・進んでいたら、道の奧に妙なオブジェ……じゃない! パイナップルだ! FOPだ!(?)なんて呑気に考えてたら、ツル降りても追いかけてきましたよ! お前すごいな!でも上がることはできないみたいです。やーいやーい(?)・ちょっと進んだところでレオくんに声を掛けられました。え、めちゃくちゃ明るくなってる! ただの好青年じゃないですか! クサビも嬉しい! 撫でて!一足遅いパイナップル情報を頂いて別れます。気をつけてねー。・何回だって言おう。パイナップルの頭上に「!」って出るの、深夜テンションだと面白すぎるからやめてくれ!あとこの子って、よく見ると二足歩行なんですね。ちっちゃい足でトコトコ歩いてた……。・ブーメランの素質がある板きれをブーメランに育て上げてみました。魔物の頭にぶつかったりしなくて良かったです。・奧の扉の前で再びレオくんと遭遇。あー……パイナップルに挑んだ傷なのね、それ……。FOPは多分想像以上に危険だと思ってたけど、やっぱり危険らしいので、将来的にぶったおして酢豚に突っ込んで仇を討ちますね。待ってて。・この階、パイナップルの話しかしてない気がする……。+--+--+--+--+・依頼を受けました。・樹海の継続探索のためには漬け物が必要……うん、塩分取れるしいいんじゃないかな。ただ鉄を含んだ石を重しに使って大丈夫かな。変質しそう。・戦闘後に鳥が振ってきてhageかけたという人からの依頼。さくさく戦い終わったところで、でっかいターキーが降ってきたー!「こっちも逃さないよ!」「確かに食べるところは多そうだけど!」
「また霊堂なのね」「これは何なんだろうね? レムリア文明の遺産なのだろうけど」「ここも青い線の装飾だね。そういう流行だったのかな」「それにしても、全く色が抜けていないわね。どんな技術だったのかしら」「……ペロッ(青い線を舐めた)」「あっ、何やってんのー!?」+--+--+--+--+・今までに関わった冒険者が先行して向かっているとのこと。キャンプ的なものを築いてくれているんでしょうか。誰やら彼やらに会えるなーと思っていたら、ウィラフさんは幽寂ノ孤島のベースキャンプにいました。あーうん、新出の冒険者だけっぽいね!・歩いていたら粉々になった薬瓶が。なんだろなと思っていたら、上空からテリアカβが!「あ痛っ!」「リーダーの犠牲でテリアカβは無事よ」「それはよかった……」・割れたスイカにハエが集ってました。無事なヤツを見つけてもぐもぐ。これは水分補給向きですよ。・久しぶりに新しい敵が出てきましたね。パイン! ……パイン?「酢豚に入れてやる!」「ああ、パイン許容派だっけ……」・奥の方にツタの這った壁が。上を見ると……オリバーとマルコが!「上に続いてるねぇ」「そうだねえ」「ひぇっ!」「そんなところに立って……」「わふっ! わふっ!(早速よじ登っている)」1フロアで冒険者が移動できる高低差があるのは初めてかな。たのしい!・扉の前にもさっきの2人が。向こうに追跡型の狼がいるそうです。うーん……やっぱうちのクサビが一番可愛いな!・割れたメディカの入った革袋が落ちてますが、これ飲んだら腹下さない?大丈夫かな……大丈夫だったっぽいけど、本当に大丈夫かな……?・B2Fに一歩踏み込んでからマギニアへ帰ったらシリカ嬢が。どうやらトカゲの皮を仕入れるよう頼んだ衛兵が帰ってこないらしいですね。あー……あいつは必中攻撃ないと厳しいからな……。行ってみたけど敵が強いので一旦引き返します。大丈夫、残念ながら早く行っても後で行っても結果は変わらないから……。
「(頭を抱えている)」+--+--+--+--+・カリスとB2Fで出会わなかったなと思ったら案の定!クサビが雨にも負けず突っ走ってくれるので、ぬかるみも無視してドンドン行きます。・とにかく奥へと進んでいたら、橋を通行止めにしてロブが魔物の群れと戦ってました。ええい、わかったから引っ込んでなさい!・ロブがカリスを連れていかない理由はおおよそ想像通り。大事だから怪我させたくない、怪我させたくないから連れていかない、と。「決めた、ミント草の煮汁に氷入れてぶっかける」「おちついてってば」「だって守るなら傍にいてナンボでしょうが!」・奥に行ったらカリスいました。よかった、突っ込んでなくて……。それにしても、盾を装備し忘れたり、DEFコマンド以外選べなかったりした子が、アリエッタの進行にあわせてソロ探索できるようになるってハンパないぞ。では仕上げとして一緒に戦いましょうかね!・名前こそ違うものの、ほぼナルメルと同じようなシルルスをぼちぼち撃破。ぱっと見じゃ草地なのに潜れるんだね……いや、本当は室内を縦横無尽に動き回ってるんだろうけど。・奥の階段からワールドマップに戻ったら、次の霊堂が見つかりました……けど、「あれこそ始まり島に続き、この島にもあると言われていた霊堂に違いない」って……そんな話したっけ……? 見逃した……?・戻って小イベントを回収。硬貨は罠だろうなーと思いながらも突っ込んでみました。300en!糸3本も買えるよ! やったね! なんて思ってたらビックビルが降ってきましたよ。「バターチキンカレーにしてやる!」「何て???」
髪を結った、長髪の男性が立っている。「……あのー……通りたいんですけど……」 ここはクワシルの酒場の入り口。今日も今日とて依頼を受けに来たのだけれども……。「君たちがアリエッタかい?」「はぁ、そうですけど……」 ふーん、と小さく呟いて、青年は僕たちを順番にじろじろと眺め回した。その視線が、クサビで1回止まる。「本当に犬連れなんだね……」「狼ですけど」「大差ないよ」「まあ、確かに犬っぽいですけど……」 見られ続けて、クサビの眉間に深いしわが寄る。「用がないなら通りますね。ほらクサビ、行くよ」「わふっ!」 青年の足元をしゅるりとすり抜け、クサビが店内へ駆け込んでいく。バランスを崩した彼の横を、僕たちはそそくさと通り抜けた。クコとコランダリアさんが、怪訝な顔で彼を振り返っている。「おう、また来たねアリエッタ。飲みに来たのかな? 情報収集? それとも僕に会いに来た?」「クワさんの顔を見たかったのと、クエストがあれば、また受けたいなって。……このヤギのって何ですか?」「それは街の畜産家からの依頼だね。飛行都市であるマギニアには、新鮮なお肉やお乳を提供するために、いろんな種類の家畜が飼われているんだ。ヤギ、ヒツジ、牛、馬……・移動する事で艦橋が変化するんで大変らしいんだけどね」「そうですね……人間でも、土地が変わると結構大変だし」「そうだろう? それで、彼らは新しい土地に着くと、新鮮な草……家畜の餌を求めてマギニアから降りるんだ。だけど……今回だけは別だ。前人未踏の危険な島、ときては、安易に降りることもできない。そこでクエストというわけだ。冒険者に護衛代わりについてきて欲しいんだってさ」 ああー、なるほど……タルシスでも似たようなが依頼あったような……。「誰かが誘導するヤギの群れの護衛っていうことですね」「そうそう。受けてくれるのかい?」「ふーん、それくらいだったら今の私たちでも問題なさそうよね。クサビも役に立てそうだし」「クサビは牧羊犬じゃないけどね……コランダリアさん、構わない?」「ええ、街の食糧事情に関する依頼を無下にはできないものね」 それじゃあと簡単な手続きを終え、集合場所の街門へと向かう。 その僕たちの後ろを、ついてくる人影があった。「……あの、何ですか?」「見物」「えぇ……」 長い髪を揺らしながら、青年はにこにこと笑いながら、平然と後ろを歩いてくる。また、クコとコランダリアさんが怪訝そうな顔でちらちらと後ろを見ながら歩いている。「大丈夫、邪魔はしないさ。ただ、君が一部じゃ有名なギルドのメンバーだったと聞いて、どんなものか気になってね」「またアリアって……」 クコが眉間にしわを寄せ、低い声で呟いた。 クサビが駆け出したのに気付いて前に向き直ると、そう遠くない位置にマギニアの街門が見える。そして、その向こうには広大な大自然。「お前たちがアリエッタだな? 酒場から連絡は受けているぞ」 鎧の男性の前で、クサビが座ってしっぽを振っている。彼がマギニアの衛兵だ。何日かクエストを受けている間に、あの装備はよく見かけた。 挨拶をしながら、彼の背後に視線を向ける。……ヤギの群れだ。クサビに怯えているものも何頭かいるようだけれども、逃げ出しそうな様子はない。肝が据わっているなぁ、食用には惜しい。「では、ヤギは私が導く。道中の護衛は頼んだぞ」「はい!」 衛兵の示した方角には、うっすらと道のようなものができている。どうやら、既に司令部から認可された冒険者が切り開いた跡らしい。クサビを先頭に、周囲を警戒しながら歩き始める。「……いい風ね」「そうだね」 隣を歩くクコが口元をほころばせる。この感じは、世界樹の迷宮に挑むとき、いつも思う。危険の存在しない、平和な場所のようだと。 けれど、そうとは限らない。 この辺りは迷宮ではないけれど、魔物たちはどこにでも潜んでいるものだ。だから、警戒は怠らない。不意に足元からモグラが出てきてもいいように、心の準備はしっかりと。 たどり着いた草原で、クコが草を見ているのを横目に、辺りを見回す。日の高さを見る感じだと、今はお昼くらいかな。日が傾くまでは自由に食べさせるつもりらしいから、程々に気合いを維持しながら待っていなくちゃ。
「この扉の鍵、動いているね……」「ええ、回ってるわね……」「そしてまぶしい……」「(うずうず……)」「じゃれつこうとしてない? クサビ、猫じゃないんだから……」+--+--+--+--+・ハァーーーーーー????ワールドマップ上にFOEが出たんですけどォォォォ!?しかもカンガルーなんですけどォォォォ!!??案の定アッパーでビスクが吹っ飛んだんですけどォォォォ!!!???・オオヤマネコ先輩、冒険者から奪ったカバンを振り回すとかいう、チャーミングな動きもするんですね……。・おやおや、ずっと未来(SQ5)に、トキが思いっきり水面に石を叩きつけて魔物を怒らせる水切りイベントじゃないですか。アリエッタはみんな器用なようで、向こう岸まで到達したようです。……向こう岸でも調子に乗って魔物が出てくるとかそういう……。→やっぱり……。・ぬかるみ床も出てきましたね……今回は本当にギミック満載やな。見たところ避けられ為そうだし、えーい踏んじゃえーと思ったところで迷彩服男子に止められました。ロブくんだそうです。「あいつ腹立つーーー! 何なのよ! 腹立つーーー!」「よしよし、おちついて……」「次に会ったら、キンキンに冷えたミント草の煮汁かけてやる……」「さむそう」・またもカバンの冒険者さんと出会いました。未使用アイテムの買い取りを依頼されたので、メデイカⅡだけ買っておきました。・帰還したら衛兵に声を掛けられました。ミッションが出たそうです。+--+--+--+--+・依頼を受けましたが敵が強かったので行きません。今の僕たちじゃ無理です!
「これは……想像以上にアーモロードと酷似した環境だね」「あつい……あついよ……」「その格好じゃあね……」「ハッハッハッハッ……」「帰ったらミント草で何か作ってあげるから」「それ、私にもよろしく~……」+--+--+--+--+・ネイピア商会で面倒を見るよう頼まれた盾職の女の子、カリスをPTに入れてウロウロしましょう。……あの、DEFしかコマンドが選べないのですが。・花畑がある!「綺麗ねー。……あら、何か箱があるわよ」「棘のあるツタが絡まっているわね。何かしら」「お任せを。繊細な刀捌きには自信があるからね」ハマオが入ってました。・行き止まりに茶色い果実が。楕円形で、茶色い産毛が生えていて、中から黄緑色の果肉が……ってキウイじゃん!・別の行き止まりには紫の果実が。鱗を重ねたような形状で、先端が棘のように張り出していて、白桃色をしたゼリー色の果肉が黒い種を含んで……ドラゴンフルーツじゃん! ちゃんと味した?・更に果物が。黄色く、大きなトゲ状の突起が幾つも生えていて、武器のような形状をしている……今度はパインですか? ドリアンですか?? あ、ドリアンですね!(魔物の)・街へ戻ったら迷彩服男子に色々言われ、アガタとカナエを思い出してしまいました。あれはどっちかしか助からないイベントだからな……きつかったな……。・一夜明けてカリスちゃん、オオヤマネコを倒したいそうです。え、アカンて……盾の後ろで目を閉じちゃう君じゃ危ないって……。むしろ東土ノ霊堂から始めなさいな……。・2日目はDEF以外のコマンドも開放されていたので少しは成長したのでしょうが、この勢いだとB2Fも一緒に行くってこと……?え、それだと、ボスまで着いてきそうで守りきれなくてってなりそうで怖いんですが!ねえ、怖いんですが!
「あいたたた……みんな、いる?」「きゅーん……」「おしりぶつけた……」「大丈夫、身体は問題なく動くよ」「あ、アーマーからの衝撃が骨に響いて……」「……少し休憩してから動こうか……」+--+--+--+--+・落下地点には、冒険者の荷物っぽいものや、衛兵の鎧っぽいものの欠片が散乱している模様。みんな飛竜さんシュート食らったんだね……。・ちょっと歩いたらシリカ嬢と出会いました。それからテントに行ってレオくんと話しました。おそらくクサビはレオくんにモフモフしてると思う。わんこは暗い空気は好かんのです。・……って、あれ? 気のせいかなシリカ嬢とレオくんが知り合いっぽくないんですが。おやおや? 気のせいかな司令部で言われたことと食い違っ……おやぁ?※お客のなかの1人という出会い方だったためシリカが覚えてないだけだそうです。・赤い木の実をパクり。んまーい!冒険者は全員拾い食いのパッシブスキルが自然上昇していきそうですよね……。・茂みに落ちてた光る物を拾ったら、ウーズ一家が降ってきました。うーん、かわいいなー、もー(雷切を連発しながら)・この階から出られずに数日間を過ごす……切っ掛けは違うけど、なんだか5日間クエストを彷彿とさせるなぁ……。・そういうわけで無事に帰還してミッションです。飛竜討伐!とりあえず頭縛りますねー(パァンパァン戻って報告したら「国を永遠に繁栄させる秘宝」の話を聞いたのですが、うーん、うさんくさい!+--+--+--+--+前日談から書いてるせいで、SSが日記に追いつかない……。
宿へ帰ると、クサビが廊下をウロウロしていた。「うう、やっぱり見るからにフカフカ……フカフカは世界を救う……」 指をわしゃわしゃと動かし、彼女はクサビに近づこうとする。その空気感を察したのか、それとも彼女の帝国装備に警戒したのか、クサビは飛び上がって廊下の向こうまで走っていった。階段のあたりからちらちらと顔を覗かせる彼に声を掛けて、呼び戻す。「うーん、しかしこれは……クコは調合中かな」「調合?」「ドクトルマグスって、薬草を調合して、いろいろ薬とか毒とか作るんですよ。クサビはその時に出る臭いが大嫌いらしくて」「へぇー……」 僕が借りている方の部屋を開けて、クサビを避難させる。それから、隣の部屋の戸をノックした。少しの間を置いて、作業用のシャツを着て頭にタオルを巻いたクコが顔を出す。「……え、誰?」「ミュラーさんに会いに行ったら、ギルド入りたいって……」 じとーっとした目で彼女を眺め回し、それからじとーっとした目を僕に向ける。「何?」「別に……アークのどこを見て惹かれたのかと疑問に思ってるだけ」「酷いなぁ! タルシスにいた頃にアリアとしての僕を知ったんだって!」「なるほど、アリアブランドの力」 ちょっと待ってと言い置いて、クコが部屋の中へ引っ込んだ。しばらく待っていると、頭のタオルを解いて上着を羽織って廊下へ出てくる。辛うじて人前に出られる格好という感じだ。「あなたのこと、聞かせてもらえる?」「帝国出身、インペリアルのコランダリアよ。タルシスでアリアにお世話になったの。直接じゃないけどね。アリアとして、帝国の事情を知っている彼に力を借りたくて志願したのよ」 クコの目つきが、徐々に鋭くなっていく。「力を借りるって?」「大地浄化の手がかり探し。かつて非常に栄えたというレムリア文明なら、何か手がかりとなるものが見つかるかも知れないでしょう」「本当にそれだけ?」 ええ、と頷くコランダリアさんを見上げて、クコは聞こえないくらい小さな音で舌打ちをした。前にタルシスでのことを話したことがあるから、警戒してるんだろうか。もしかして、僕が警戒心なさ過ぎるんだろうか。ハイ・ラガードへ帰る前、帝国兵がタルシスをよく訪れるようになった頃、僕たちの言い分を理解してくれる人も少なからずいたし、取り立てて危険を感じることがなかったから、大丈夫だと思ったのだけれど……。「まあ、アークが構わないならいいけど……インペリアルって事は不足がちの前衛職だし。……私はクコ。ドクトルマグス。何かあったら巫術でぶった切るから覚悟して」「感謝するわ」 ほぅ、とコランダリアさんが息をついた。それから、安心したように目を細める。「帝国の問題だから、本当は帝国兵でギルドを立ち上げるべきなんだけど、今回の調査には間に他の国が入っているし、帝国もいろいろと慌ただしいの。だから、事情を知る君に協力してもらえるのは、本当に助かるわ」「ああ、いえ……世界樹の麓あたりからもう、土地の感じ荒れてましたし……。土地が元気になるなら、リーフさんたちも暮らしやすくなるから、それなら僕も嬉しいので」 僕の返答を聞いて、クコは大きくため息をつく。それじゃあ調合に戻るからねと言って、再び部屋に引っ込んでいった。「……私、嫌われちゃってるみたいね」「クコはちょっと……過保護というか……僕を心配しすぎてくれてるというか……。アリアではこういう感じなかったから、ちょっと難しいなぁ」 あの時はみんな、基本的に和気藹々としてたから。みんなのことを思い出して、ほんの少し寂しい気分になる。レムリアの世界樹を踏破するまで、帰って顔を見に行くことはできないんだと思い出す。「えっと……それじゃあ、ミュラーさんに言って、コランダリアさんのこと登録してもらいましょうか。これから、よろしくお願いします」
冒険者ギルドの壁一面に貼り付けられた、募集要項を一つずつ眺めていく。 噂には聞いたことのあるギルド、聞いたこともない名前、知らない土地の人々……手早く読み上げていく内の一枚に、覚えのある文字列がよぎった気がして視線を戻した。「アーク・シルバーバレット……?」 ぐいと顔を近づける。彼の名は……故郷で何度か耳にした。 帝国の理想、世界樹の起動を阻止したギルド、アリアの一員。パッとした活躍は聞かないが、木偶ノ文庫でローゲルと対峙した際、暴発目前の彼の砲剣を分解したとかいう話だ。 まさかアリアが来ているのかと、さらに募集要項を読み直す。……違う、彼女たちでは、ない。彼女たちが連れていた狼がクサビという名だった記憶があるものの、その2つの名前以外にアリアらしい要素はなさそうだ。いや、アリエッタという名前には、アリアへの思いが込められているのだろうけれど。 ため息をついて、壁から離れる。 彼女たちが世界樹の起動を阻止したことを、私は恨んではいない。仲間の多くは緑の呪いに蝕まれ、命を落とした者も少なくなかった。あのまま起動していれば、帝国は浄化された土地だけを残して滅び去っていたかもしれない。何も知らない国民が、何も知らないまま命を終えていたかもしれない。 だから……恨んでなどいない。思うところは幾つもあるけれど、アリアはウロビトを救った。イクサビトを救った。帝国の民の命を、次の可能性まで引き延ばした。それだけだ。 砲剣を抱えて頭を振る。私がここへ来た理由は、帝国の大地再生のヒントを探すためだ。そのためには、実力を保証され、なおかつ私の目的に理解を示してくれる仲間が必要だ。おそらく……彼は適任だろう。アリアは、お人好しばかりだった。「ギルド長、この、アリエッタというギルドのことなのだけれど……」「彼なら、後……10分もすれば顔を出すだろう。詳しい話は直接するといい」「……そうね。では、少し待たせていただくわ」 少し歩いて窓辺に寄る。ここは空を飛ぶ都市マギニア。私の故郷ではない。彼らの故郷でもない。あるのは、レムリアの遺産を探し出すという目的だけだ。「ミュラーさん、こんにちはー」 重い木の扉が軋みながら開き、優しさを帯びた青年の声が室内に響く。「君、アリアのアークね?」「はい?」 きょとんと私と見た彼に向かって、意を決して口を開いた。