・汲み取りの蓋の隙間に月明かり股下透かせばにをい長閑けし
トイレに入りながら昔の「厠」を思い出した 田舎の我が家も昔何処にでもあったそれと同じく匂いもした 我が家の厠は廊下の一番奥で いったん敷石の土間に下り 下駄を履き そこから四五歩ほど歩いて一段高い敷石に下駄を脱ぎ 戸を開けて更に一段高い板の間にあがり 木蓋を取ってしゃがみこむ 下は見通しがよくきいた 汲み取り口の蓋が少しずれていると 時には月明かりが差し込んだり 冬には粉雪も吹き込んだ 男の小便はこの隣に大きな陶器の金隠しがあった 当時は風情とか情緒とか言えるものではなかった・・・今 懐かしさとともに少し匂いがよみがえって来る
写真は目下DIYでリノベーション中のわが家のトイレである 昔の厠とは随分違う 便器はネットオークションでゲット 展示品未使用品を安々とゲットできた 手洗いカウンターはサービスで一緒に送って頂いた 我が家で最も豪華な空間なのだ・・・