心が熱くなった話です。
「どこまで人を許せるか」という題名で
この本に載っていた話です。
長男が白血病で小学二年生で亡くなっちゃたのです。
ですから末っ子の二男が三年生になった時、
「ああこの子は大丈夫じゃ。お兄ちゃんのように死んだりはしない」
と喜んでいたんです。
ところが、
その二男が
学校のプールの時間に
沈んで亡くなってしまいました。
それは
誰かに背中を押されて
コンクリートに頭をぶつけて、
沈んでしまった
というのです。
駆けつけた母親は
「押したのは誰だ。」
「犯人を見つけるまでは、学校も友達も絶対に許さんぞ」
という怒り狂ってしまいそうでした。
でも後から駆けつけた父親が
裏の倉庫に連れていって、
こう話したんです。 
「これは辛く悲しいことや。
だけど見方を変えてみろ。
犯人を見つけたら、
その子の両親過ちとはいえ
自分の子は友達を殺してしまった、
という罪を背負って生きてかないかん。」
「わしら二人が我慢しよ
うちの子が心臓麻痺で死んだことにしよう」
夫の言うことにはビックリしたけど
何度の強く言うから
そうしたのです。
でも30年たった今では
夫の言う通りでした。
命日の七月二日に
墓前に花がない年が一年もないんです。
三十年も前の話なのに、
毎年友達が花を手向けて
タワシで墓を磨いてくれている。
もし訴えたりして
裁判に勝ったとして
お金をもらったら・・・・
それが何になるでしょう？
それより
こんな優しい人にその子が育ってくれて
本当に良かったです。
ありがとうございました。
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