それは祖母が我が家を出て叔母の家に行き、私一人暮らしになったあたりから始まった。
ピンポーン
寝ぼけていて訪問看護師さんが来たのかとドアを開けるが誰もいない。
よく見れば真夜中だ。
それが毎晩続くようになった。
時間はまちまち。
2時だったり明け方の5時だったり。
誰かのいたずらにしてはおかしい。
私の部屋は1階にあり、玄関からは見晴らしのいい駐車場と道路があるのでもし、いたずらだったら逃げていく姿や足音が聞こえるはずなのだ。
そういう事が2ヶ月ほども続いた。
Facebookでその事を書いたら友人が、『鬼子の夢』で登場した通称、陰陽師を紹介してくれた。
彼によると、それは祖母の生霊だという。
心配で毎日やってくるのだそうだ。
とりあえず、対処法を教えてもらい結界を張ってからは真夜中にチャイムが鳴る事はなくなった。