ロックアウト問題が解決できないままとうとう10月を迎えた今シーズン。
選手会側とオーナー側の歩み寄りができない原因のひとつにハードサラリーキャップ制の導入が大きく関与している。
サラリーキャップは日本のbjリーグなどでも導入されている身近な制度であるため知っている方も多いだろう。
サラリーキャップは年俸の総額の上限を統一するルール。
このルールによってチームの経済力によって強弱がつかないようにある程度配慮されている。
しかし、一般のサラリーキャップ制はソフトサラリーキャップ制度と呼ばれるシステムで選手の在籍年数やドラフト一年目選手など幾つかの項目で上限を超えることが許されている。
この特約のような項目がある為、選手はボーナス的な報酬を得る可能性を持つことが可能となりやはり経済力の強いチームはやや有利になる面が否めない。
NBAは古くからソフトサラリーキャップ制を導入してきたが、今回のロックアウト労使協定で問題となっているのは、この制度をハードサラリーキャップへ変更する旨が記載されている点が問題となっている。
ハードサラリーキャップ制は、例外を認めずに完全にチームのサラリー上限を定める制度。
一切の特約を含まず完全固定されるために、経済力によるチーム差が減少し、どのチームもフロント経営陣の力によってのし上がれる可能性を持つことを意味する。
制度としてはハードサラリーキャップ制自体に問題はないのだが、この制度の導入を拒んでいる幾つかのチームオーナーと大多数の選手会メンバーがいる為、労使協定の進展が望めない状況となっているのが現在のNBAの現状なのである。
バスケットボールというスポーツ競技はゴルフや野球よりも選手生命が短い。
その為、この労使協定に関する問題はすんなりと譲れない部分も多いのは仕方のないこと。
しっかりと心ゆくまで検討しあい、選手がプレーに集中できる環境を整えてシーズンをスタートして欲しい。
◆サラリーキャップ制撤廃の真相
ロックアウト問題を抱えるNBAでサラリーキャップ制の撤廃案があることが先日報じられていた。
このサラリーキャップ制の廃止案を提唱したのはダラス・マーベリックスのオーナーであるマーク・キューバン氏。
しかし、実際にこの撤廃案には不可解な問題も多く残った。
この撤廃案の最大の問題はチーム課税の問題である。
シンプルに内容をまとめるとサラリーキャップ制の制限枠を超えたチームには追加として重い課税措置を行うという内容。
これは課税によってペナルティーを加え、チームのサラリーキャップの平均化を図る狙いがあるが、やはり徐々に低迷するNBA市場の活性化に関してはマイナス要因の方が大きくデメリットがメリットを上回る条件にしか見えてこない部分もある。
尚、このサラリーキャップ制廃止案に関しては、選手会側からの提案でありオーナー側から提示した事実は一切ないとNBA上級副社長のマイク・バス氏は語っている。
しかしいずれが提示したにしてもこのサラリーキャップ制という制度自体は生き残ることになりそうである。