大変こちらもおサボりさんでしたぁ~っ!!

申し訳ないです。m(__)m



今回は少し時間を遡ってスタートです。








話は数日前に遡る。



悪戯心満々のローリィの策略により、全く以て知らされていなかった蓮が海の向こうの大騒動に気付いたのは、事務所に定期連絡を入れた社が大慌てで撮影現場の楽屋代わりになっているキャンピングカーに飛び込んで来たからであった。



「れっ、れれれ蓮っっ!!
大変大変っ!!
キョーコちゃんがっ!!」



血相変えて手術用手袋をしたままノートPCを抱えて飛び込んで来た敏腕マネージャーのあまりの慌てように、キョーコに何が起きたのかと詰め寄ろうとした蓮に、社は思わぬ言葉を浴びせかけた。



「キョーコちゃんがっ、マスコミにお前の存在を仄めかす発言を記者会見でぶちかました!!
お前たちっ、そういう事は予(あらかじ)め俺にも話しといてくれないと心の準備が出来ないだろ!?」



…流石はLME社員。


間接的にもあのローリィの部下なだけにややズレた発言をかました社に若干ズッこけた蓮だったが、軽く深呼吸して何とか対応した。



「…あの、落ち着いてください社さん。
先ずはキョーコの記者会見っていうのを見せて貰わないと俺も何を言われているんだか分からないんで…。」



ノートPCを指差しながら困った顔をした蓮に、漸く自分がどれだけ慌てていたのか気付いた社は、あぁ悪かったと蓮にディスプレイを広げて見せた。




『………では次の質問をお願いいたします。
「□○社の△◎です。
数々のランキングを総なめにした京子さんから見て、貴女のお眼鏡に敵う男性は数少ないと思われますが、その心を射止める男性はまだいらっしゃいませんか?」』



画面越しの恋人は、ディスプレイを通しても判るほどそれは愛らしく頬を染め「えっ…」と口篭っていた。



マスコミがそんなキョーコに食い付かない筈もなく矢継ぎ早に様々手を変え品を変えあらゆる方向からアプローチするも、キョーコは《京子》としてのスタイルを崩すことなく記者会見を乗りきって見せた。



最後のマスコミからの泣きの一声に一瞬だけ見せた恋する乙女の表情を除いては。



『「…果報者なのは私の方です。
自分が目指す未来に真っ直ぐ向き合い、その上で私に共に高みを目指そうと言ってくれる…そんなひとです。」』



これでいいですよねと微笑ったキョーコはそれは愛らしく、そのまま一礼して必死に呼び止めようとする取材陣を振り返る事無く会場を後にしたのである。




「……定期連絡入れた事務所じゃ、もう上を下への大騒ぎだってさ。
あっちこっちから問い合わせが殺到してるし、我こそは京子の想い人だと名乗りを挙げる奴等が大挙して事務所に押し寄せるしで…ってコラ!!
俺にそんな殺気立った視線向けても何の解決にもならんだろうにっ!!
……とにかく、出来るだけ早く帰国出来る様にスケジュール見直すから、んな恐い顔封じ込めて、今は仕事に集中してくれよ?」



社の注意に深く深呼吸して何とか《敦賀 蓮》の顔に戻った蓮は、現場に戻るべくキャンピングカーから外へ出たのだが…京子旋風は海を越えたアメリカでも騒動を巻き起こしていたのだった。



《あぁレン!!
済まないが1週間ほど撮影は中止になった。》



《…どうかしたんですか?》



機材なら交換すればいいし、ロケなんてこのアメリカではまず無いから撮影許可下りなかっただのという理由ではないだろうと訊くと、意外な名前が耳に飛び込んで来た。



《キョウコだよキョウコ!!
あの彼女が恋人の存在を明らかにしたんだ!!
  これは間違い無く2年もこっちで活動してきた間に彼氏を作ったに違いない!!
あの報道がネットに出た途端、フレディとカイルが私のとこにすっ飛んで来てな、自分こそがキョウコの彼氏だから今すぐ会いに行きたいからスケジュールずらしてくれと2人揃って頼み込んで来やがった。
…ま、キョウコに夢中なあの2人があんなニュース見て悠長に構えてられるような余裕も無いだろうし?
スケジュールずらしたことに関する違約金は出すって言質も取ったしな。
…てな訳であいつらのいないトコを優先的に撮影していく事になったから、あいつらとの絡みがメインのお前さんはあいつらが帰ってくるまで撮影無しってことさ。
済まないな。》



既に半分以上撮影の済んだ映画の、それもメインの2人を契約違反だからといって今更交代させるというロスを避けたかった監督は、1週間の撮影スケジュール変更とペナルティとしての違約金を条件に2人の急な渡日(とにち)を許したのである。



急なオフを言い渡された蓮は暴風吹き荒ぶ心を恐るべき演技力で見事に覆い隠し、そういうことならばと同意して監督に一礼してキャンピングカーに戻ってきた。



「………社さん。」



「…キョーコちゃんに逢いに行くんだろ?
  後は任しとけ。
ネットで飛行機のチケット押さえといた、このまま空港行っていいぞ?
事務所にも連絡入れといてやるから、急げよ。」



ノートPCを閉じてパタパタ追い払う素振りをしながら笑う社に、蓮は済まなそうに頭を下げると踵を返して走り去っていった。



「お~…。
火事場のキョーコちゃんに優るとも劣らないスピードだなぁ…。
ま、キョーコちゃん逢いたさに意地でも事故やらスピード違反で逮捕なんてポカはやらかさないだろうけど気をつけて行けよ~。」


既に米粒程の大きさにしか見えなくなっていた蓮の後ろ姿に、聞こえないと分かっていても声をかけた社であった。








裏話ですが~。


やっしーに最初タブレット持たせるつもりだったんですよ。


でもですね、気付いちゃったんです。


あれってスマホと一緒で人の僅かな体内電流を感知して作動する筈でしたよね?

…ということは、僅か10秒直に携帯掴めばクラッシュなやっしーがタブレットは不可能であろう!!と結論付けまして、ノートPCでの一幕と相成った次第です。(笑)



それでは。m(__)m


あぁ…また2ヶ月以上…空いちゃった…(ToT)



白い目で見てる皆様、大変長らくお待たせ…って、待っててくれてるのか!?

( ̄□ ̄;)!!

と、とにかく行きます!!









「大体ねぇ、京子ちゃんみたいに可愛い女の子が彼氏いないなんてあり得ないわ!!
私が男なら絶対放っとかないわよ!?
ねぇ、みんなもそう思うでしょ!?」



大女優の言葉に周囲が慌ただしく反応した。



勿論ですと握りこぶしでうんうん首を上下に激しく動かしながら返す女性スタッフに、彼氏がいないと言う京子の言葉に反応して立候補しようとする若手男性スタッフ。



…そしてその後ろでわたわたと慌て始める緒方。



「…え、えっ?
ええっ!?( ; ゜Д゜)」



あまりの周囲の鬼気迫る反応に戸惑いを隠せない京子に、大女優はこれは恋愛に関しては無地に近いのだと判断したらしい。



「監督!!
今日の撮影、後どのくらいかしら!?
水元くん、夜のスケジュールどうなってた?
京子ちゃん、貴女この後の予定はっ!?」



ベテラン大女優、又の名を“おばちゃんパワー全開なド迫力な大物”である。


勢いに圧され緒方は思わず撮影スケジュールの印刷された資料を慌てて捲り、明日以降に回しても問題ないと即座に判断すると今日は上がりにしましょうとあっさり言い放ち。


水元と呼ばれたスーツ姿の青年も慌ただしく持っていたビジネスバッグからスケジュール帳とおぼしき小冊子を拡げると小さくブツブツ何かを呟いた後、大丈夫ですと若干引き吊った笑顔を浮かべながら大女優へと返し。


そんな2人の様子に狼狽えながらも未だマネージャー無しで活動している京子は自分の頭の中のスケジュール帳と相談し、心の中で自分自身逆らっちゃマズイと判断し、、わたしも平気ですと返していた。



「ん!!
じゃあ決まりね!!
ご飯食べに行きましょ!!
貴女たちも時間空いてたら後からでもいいわ、ご馳走するからいらっしゃい。
ほんとならオールナイトで女子会と洒落込みたいトコなんだけど…ねぇ?」


水元マネージャーがそればかりはご勘弁をと半泣きな顔をして合掌しているのを見遣ると、仕方ないかと諦めた素振りで京子の腕を掴み控え室に向かって彼女は歩き出した。



「じゃあみんな、お疲れ様~。
  さ、支度しましょう京子ちゃんっ♪」



「…えっ!?
あ、あのっ、緋堂さんっっ~!?」



「ふふふ、逃がさないわよ~♪
水元、後は頼んだわ!!
京子ちゃんの事務所にも連絡入れといてね!!」



「……承知しております。m(__)m」



ドナドナよろしく緋堂に引っ張られていく京子が何がどうしてこうなったと頭に???マークを乗っけたままスタジオを後にするのを、緒方組スタッフ一同はただニコニコと見送るのであった。




大女優改め緋堂 誓子(ヒトウ セイコ)と京子が帰り支度と外出用の変装をするまでに間に合ったスタッフは2人だけだったが、終わり次第みんな駆けつけますと鞄からスマホを取り出してニンマリ笑う同行スタッフに、完全に逃げられないと項垂れる京子の姿があった。



到着したのは誓子の馴染みのレストランで、一体いつ連絡したのか個室まで準備済みで。



「メニューはお委せにしてあるから適当に摘まめばいいわ。
メインはこっち。
さ~、きっちり恋愛談義しましょうね~、京子ちゃんっ♪」



…キョーコにはいろんな意味で試練の一夜が過ぎていった…。



敢えて結論だけ言おう。



キョーコはプライベートでの尚…もとい松太郎との関わりをただの幼馴染みとして渋々暴露した訳だが、それで納得するほど誓子も集まった女性スタッフたちも甘くはなく、結局もうこれ以上自白できる内容など何一つございませんと土下座de泣きを入れるまで事細かくみっちりと白状させられ。



全てのカミングアウトが終わったとき、魂の抜け殻と化したキョーコと仁王も裸足でトンズラこきそうな憤怒の形相の女性陣の姿がそこにあった。



根性なら屈指のモノを誇るキョーコをここまでに追い込むとは…恐るべしおばちゃんズパワーである。(-_-;)



数日後再び撮影に参加した誓子が怒りも露に緒方に事情を話し、それが更にローリィに報告され、誓子を筆頭とした緒方組女性スタッフ一同が宝田一味に加わる事になったのは自然の流れと言える。




「…お久し振りです宝田社長。
早速だけどあのボーヤ、潰していいわよね?」



『……待て待て待て。
せめて今進行中のプロジェクトが済むまでは待ってくれ緋堂くん!!
今潰すと他の面子が満足せんぞ!!
勿論私もだ!!』



私は計画に参加はしてるがまだ大したことしてないから、ココであの餓鬼潰されたら欲求不満で暴れそうだと不満タラタラなローリィに、何だかんだ長い付き合いの大女優、緋堂 誓子は電話の向こうで苦笑していた。



「…営業として損害が出るからじゃないトコが宝田さんよね…。( ̄~ ̄;)
分かったわ、今は潰さないでいてあげる。
  でも撮影中はいびるからね♪
あんな可愛いコに辛酸舐め尽くさせたんだから、それ相応の体験させてあげるのも人生の先輩たるオトナの役目よね~。
じゃっ♪(*^_ ’)」



プツリと切れた誓子からの電話に、ローリィは尚の芸能界生命の命の緒も一緒に切れたと感じていた。











あ、あれぇ…?


酸いも甘いも体験してきたお姉ー様がたによるキョーコちゃんへの恋愛講座はどこいった!?

(゜Д゜≡゜Д゜)?