何とお待たせすること3ヶ月以上…(ToT)
もー、スライディング土下座じゃ済みませんね…( ̄~ ̄;)
難産だったんです、これ。
最終的着地点に到るイビりにもぼちぼち限界が…(;^_^A
では本編どうぞ!!
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散々振り回され挙げ句おばちゃんパワーの洗礼に晒された若手メンバーが、目を虚ろにしてローリィが緋堂を含めた緒方組と悪巧み談義をしている姿を眺めていると、目敏く緒方組おばちゃんズが叱り飛ばしてきた。
「ほらそこの坊っちゃん嬢ちゃん!!
呆けている場合じゃないのよ。
私たちは只の知恵袋だと思いなさい。
貴方たちこそが表立って動かなきゃいけないんだから。
…とはいえもうCMと映画同時進行でやっちゃってるし?
シメるにも時間ないしね~。」
「…誓子さん、CMの方のスタイリストとメイクにあたしたちの後輩がいるんですけど、少しちょっかい出させてもいいですか?
あたしたちが手取り足取りタマゴから仕込んだコたちですから腕も人となりも太鼓判捺せますよ。」
誓子の言わば直属部隊に当たるであろうスタイリストとメイクからの提案に話は更なる拡がりを見せ、若手メンバーの魂が抜ける濃密な一夜はこうして過ぎていったのである…。
さて。
何だかんだとスケジュールの都合もあり、映画の次の撮影が行われるのは1週間後となっていた尚は、グラビア撮影や新曲の打ち合わせ等々、吉野の采配の元的確に仕事をこなしていった。
プロモーションの撮影も残すところは2シーン。
ダメ出しされまくった撮影も今日でアップ出来るとあって、どこか軽やかな足取りでスタジオ入りした尚を待ち受けていたのは、女性スタッフによる表向き一般論な噂話、裏は尚に対するイヤミハリケーンの嵐であった。
「…でね、その腐れ外道。
うまいこと言って散々幼馴染みの女の子に貢がせた挙げ句襤褸屑(ボロクズ)みたいにポイ捨てしたんだって~!!」
「きゃ~っ!!
何その最低男!!
完全犯罪者じゃないの!?
その酷い目に遭わされた娘(コ)その後どうしたのか聞いてる!?」
「う~ん、そこまでは私も聞いてないんだけどぉ…ねぇ、もしそんな最低男が近くに居たらどうする?
私ならそんなヤツが近くに居ると判った瞬間からソイツを地獄に堕とす算段組み始めるかも!!」
「「「同感だわ!!」」」
だって女の敵よそんなヤツ、そうよね~と興奮気味に語る女性スタッフたちの会話の内容に、何も知らない男性スタッフは暢気なものだが状況を知っているプロモーション監督の潮と、リアルにその悪行をやってのけていたと最近漸く自覚した当人である尚はどうにか顔にこそ出さずにはいたが戦々恐々としていた。
(うわ~。さすがあの大女優緋堂誓子の認めたお姉ちゃんズの弟子…突っつき方のえげつなさも直伝なのか!?)[by潮]
(…何なんだよあのねーちゃんたち…チラチラ俺の方見ながら変な事言いやがって!!…でも待てよ!?確かこの前緒方監督、監督同士横の繋がりが在るって…まさかこの話、黒崎監督からスタッフに回った話じゃ!?)[by尚]
心当たり有りまくりの尚が思わず黒崎監督に目を向けたが、当の本人は役者もびっくりの演技力を発揮し俺の顔に何かついてるかとそ知らぬ顔をして見せた。
さすがに俺の話を緒方監督辺りから聞かなかったかとは言えない尚は、何でもありませんと首を横に振ったのだが。
ポーカーフェイスを貫こうとも、女性陣の話す内容は自分を指し示す内容ばかり。
「あらぁ…体調悪いのかしら?
顔色悪いし…背中、汗びっしょりよ?
大丈夫?どうしたの不破くん。」
腐っても鯛、人間性は兎も角ビジュアルも売りの一つにしているカリスマロックシンガー、【不破 尚】。
メイクでどうとでもなる顔色は誤魔化し切れずとも冷や汗といえど顔に汗を出さないの“だけ”は天晴れと言えた。
「ちょ、ちょっと貧血…かなぁ。
少しスタジオ暑いから背中だけ汗かいたかもしれませんね、ハハハ…。」
「あら大丈夫?
…ねぇさっきの話、不破くんも聞いてたでしょう?
どう思う?
同じ男として、幼馴染みを人間扱いも出来ない恥知らずな腐れ外道の最低野郎って。
アタシたちとしては、そんな馬鹿こそ人間以下の愚劣極まりないイキモノに思えるんだけど…。」
口調こそ明るいが鏡越しに見える彼女らの眼は明らかに《お前だよ解ってんだろ言い返せるモンなら言い返してみろやあぁん?》とばかりに冷ややかで、尚の背筋は凍りつく寸前であった。
(ヤバい…このオバチャン…もといオネーサンたちにヘタな口利くと明日の朝日を拝めない気がする…っ!!
だ、だけど返事しねーとそれはそれでもっとヤバそう!!)
メイク室で椅子に腰掛け、ヘアスタイルのチェックをされながらの鏡越しの会話にはスタイリストとメイクアップアーティスト、そしてその助手たちが揃い踏みで尚を取り囲むようにしていた。
----疾うに逃げ場が塞がれていると尚が気付くのにもはや時間は要らなかった。