いや~、先頃は大変失礼しましたf(^_^;

久しぶりに更新したのはいいんですが、メール投稿は文字化けするって知らなくて・・・。


という訳で改めて書き直しての投稿です!



・・・・長いから完全書き直しは本当に時間ばっかかかって申し訳ないのです。(T-T)




では↓からどうぞ。

















「・・・はぁ、そういうところは呆れるくらいに変わらないのね。
  仕方ないから、幼馴染みの誼(よしみ)でよぉ~く噛み砕いて説明してあげるわ、心して聞きなさいよ?
  いい?
  私が好きになって、今後の人生を共に歩んで行こうって決めた人は当然だけどアンタには全然関係のない人。」



「何言ってやがる!!
  アイツは敦賀 蓮だろうがっ!!」
 
  

「分かってないわね・・・私が好きになって、将来を共に歩んで行こうって決めた人は"役者・敦賀 蓮"を『演じている』全く別の男の人よ。
  敦賀さんとは違う、全く別の魅力を持ったひと。
  ・・・ま、私が好きになった彼の魅力をいくら幼馴染みとはいえ関係のないアンタに説明する必要なんかこれっぽっちも感じないけどね。」



「じ、じゃあ俺との約束はどうなる!?」
 


「約束って・・・そんなの無効に決まってるでしょう?
  私アンタと交わした契約書なんてなんにも持ってないけど、契約書作った?」



「け、契約書なんて・・・俺達の間にそんなもん要らねぇだろうがっ!!」



「アンタねぇ・・・子供の口約束じゃあるまいし、20歳越えたいい大人が契約書が必要ないなんて言う?        
  自分の歳を考えて物は言うべきよ、恥ずかしいと思いなさいね。
  何より私、小さな事でも即裁判のアメリカで伊達に大学生2年間やってきた訳じゃないの。
  たとえアンタの言う様な約束だとしても、今時あり得ない可笑しな内容だと思わないの?
  アンタ言ったわよね?
  約束を破ったらアンタの家で一生仲居だって。
  私は奴 隷になる気なんてないから、当然双方合意の下で雇用契約って事になるんだろうけど、合意する気はこれっぽっちもない私とアンタの間に契約は結べない。
  つまり約束自体無効。
  理解できたかしら?」



畳み掛けるように言葉を重ねた京子に、尚はしばらく返す言葉に詰まり口をぱくぱくさせていた。

仕方ない事と言えた。

ゴミの様に棄てた幼馴染みの少女は自分に怒りや憎しみに満ちた眼を向け罵倒する事はあっても、怒りも憎しみもない、興味すらないものとして無関心な態度を取った事はただの一度もなかったのだから。


それでも今日まで培われてきた、強烈な幼馴染み下僕扱い俺様至上主義を崩すまでにはまだ弱いらしく、僅かな時間を空けただけで尚は直ぐに京子に牙を剥いた。



「~~~ふざけんなっ!!
  キョーコのくせに俺にそんな口をきいていいとでも思ってんのか!?」



「・・・アンタ本当に私と同い年?
  じゃあいっそのこと、弁護士立てて裁判にでもしましょうか。
  私は構わないわよ?
  アンタの言い分、これっぽっちだって通りゃしないの分かってるもの。
  社会人として痛い目見るのはアンタの方よ。」



心底呆れたと言わんばかりの眼差しを幼馴染みに向けられ、尚が口ごもった所にマネージャーを始めとするスタッフが戻って来た事で個人的な会話はそこで幕切れとなり、悠然と穏やかな笑みを浮かべた京子とどこか魂の抜けたような間抜け面の尚の対談はサクサクと進められ呆気ない程スムーズに終了した。





「・・・あ~、スカッとしたわぁ!!」



移動中の車の中、後部座席で心底楽しそうに笑いながらビジネスバッグの中の資料を弄る和泉に、運転手を務める由里子がバックミラー越しに、京子は横から苦笑で受け答えをしていた。



「京子ちゃんが仕事上がりの最後に言った言葉に返す言葉もなく固まってたあのボーヤの顔!!
  あれだけで当分笑い話のネタに出来るわ!!
  こういうの溜飲が下がるって言うのかしらねぇ♪(*^-^*)」



「当分飲み会のいい笑い話ネタになりますね。(^-^)」


爽やかに便乗してサラッと毒を吐く由里子にこれまた京子は苦笑を返していた。


京子としてはごく当たり前の事を言ったつもりだったのだが、自分のマネージャー達にとっては痛快で、幼馴染みにとっては痛烈な一言だったらしい。



『こうして直接話す機会はもう殆どないと思うから言っとくわね。
  今詰まってるスケジュールが調整出来次第、私また活動拠点をアメリカに戻すの。
  あっちで結婚式も挙げる事になるから、アンタのご両親にはお世話になったけど式には呼べなくてすみませんって伝えてね。
  後で写真は送りますからって。
  あぁ、当たり前だけどアンタを呼ぶ気なんかこれっぽっちも無いわよ?
  アンタ一応日本じゃトップアーティストのはしくれだし、変な野次馬アメリカまで引き連れて来られても迷惑だからね。(^-^)
  じゃあ、お疲れ様でした。』



「顔面蒼白で完全フリーズしてたもの、あのボーヤ♪(*^-^*)」



「・・・少しでもハッタリ効かせておかないと、いちいち絡まれるのもうんざりしてましたしね・・・。」


愉しげな和泉に苦笑を浮かべたまま返した京子に、ミラー越しに由里子が反論した。



「何言ってんの?
  あんな歌は上手いかもしれないけど中身のうっすい、世界を知らないボンクラ歌手に、世界を相手に大!活躍中の私達の京子ちゃんが負ける訳ないでしょ?
  京子ちゃんの言葉は紛れもない事実よ!
  ハッタリじゃなく、事実なんだから遠慮なんかこれっぽっちも必要ないわ。」




「・・・あはは。f(^_^;」



見も蓋もない由里子の言い分と満足気に笑って頷く和泉に引きつった笑いを返して誤魔化すしか術を見出だせない素のキョーコとを乗せたまま、車は都内の車列の波に紛れて行くのであった・・・。