待ち合わせのコンビニからファミレスまでの道中と、ファミレスからホテルまでの道中、同じようにバナナの膝の上に頭を置いていましたが、私が考えている事、気持ちは明らかに違いました。
1時間半前に初めて見た実物のバナナは想像していた人物と何も違いませんでした。優しい笑顔で、毎日電話で聞いていた声で私を安心させ、一瞬にして、数ヶ月も会う事に抵抗があった事を忘れさせたのです。
あと10分もしないうちにホテルへ着く。本当の不倫が始まる。そこへ足を踏み入れていいの?密室で犯罪に巻き込まれるかもしれない。平気で浮気をする人って事は性病に感染している可能性も高い。そもそも、私は初対面でそういう事を出来るタイプじゃない。ダメだ!
「ごめん、やっぱり会ったばっかりでホテルには行けないよ。ごめんなさい。」
「無理をしなくてもいい。りんごを抱きたいのは当たり前。だけど、身体だけが目的じゃないから。りんごのペースに合わせるよ。」
「バナナ、ありがとう」
車はUターンして高速に乗り、隣の県までドライブへと行きました。
iPhoneからの投稿