中央アジアに旧ソ連の小国「キルギス」があります。
キルギス語でアラ・カチュー(ひったくって逃げるの意味)という、誘拐婚がはびこる国として知られいます。
元々知り合いだった男性や、数回会っただけの顔見知り程度、一方的に見初められて顔も良く知らない男性とその友人らから誘拐され自宅に連れて行かれて、その家族の女性たちから説得させられます。
花嫁の象徴純白のスカーフを無理やり被せられて、数時間後には観念して8割が結婚を承諾すると言います。
いったん男性の家に入った女性は純潔を失ったと見なされ、世間体や噂が広まり家族に恥をかかせたくないと受け入れるのだそうです。
勝手に一目ぼれされて結婚させられたんじゃ、たまったものじゃない!
セクハラだよ、セクハラ、女性にだって人権ってもんがあるでしょう。
フォトジャーナリストの林典子さんが発表した「キルギスの誘拐結婚」を読んでから、本当にこんな非人道的な事が行われている国があるのか・・と興味を持ったのがキルギス行きを決めるきっかけになりました。
今年の7月に行ってみるとそんな事を忘れさせるほど普通の国で、イスラム圏の女性はあまり外を歩かないものですが、首都ビシュケクに限って言えば普通に女性たちが街を歩いています。
オマーンや、クェートなどの敬虔なイスラム教徒の多い国を旅したような、身を構える事が全然ありませんでした。それらの国は、用心のためにイスラム女性が顔を隠すヒジャブというものを被って観光していました。
夏でしたがもちろん長袖、長ズボン。街には女性どころか子供もあまり見かけませんでした。
ちょうどイスラム国による邦人殺害事件直後だったので、一人という事もあり充分注意を払って行動しましたが、その時感じた緊迫感はキルギスには全く感じられませんでした。(こちらが勝手に緊迫していたんですが)
しかし、あんな平和に見えても誘拐婚は今も行われているのです。
信じがたいですが、これは事実のようです。
キルギスは平均年収が2150ドルなので、日本の10分の以下です。そんな経済的なことも背景にあるようです。
カザフスタンから乗り合いタクシーで国境超えをしましたが、国境を越えた途端に道もダートになり、街並も貧しくなり、カザフスタンとの経済格差を感じたものです。
キルギスに着いてアパートの管理人さんを待つ間に、一人の英語の出来る男性から声を掛けられました。
男性 「一人で来ているの?デンジャラス!」
私 「えっ?デンジャラス~!!!」やっぱり危険なところだったの!?
男性 「いや、ジョークだよ。きれいだったからね」
イタリア人か!!本気でビビッたわ。
海外に行くと、自分が今まで培った価値観や常識が覆される事があります。
だから面白いですが、でも旅をすればするほど私は日本が好きになります。
アップル@信州