いわゆる金縛りに遭いやすいということで悩まれているのですね。

まずは、金縛りとは、どの様な現象かについて、解説していきたいと思います。

「金縛り」は簡単に言うと「頭は起きているけど、体が寝ている状態」です。
医学的には「睡眠麻痺(sleep paralysis)」と呼ばれる状態で
レム睡眠中に起こる現象です。
レム睡眠とは、閉じたまぶたの下で、
眼球がキョロキョロと、不規則に動く急速眼球運動(Rapid Eye Movement)
が見られる浅い睡眠状態の事で、
その頭文字「REM」を取って、レム睡眠と呼ばれています。
レム睡眠は、入眠後およそ一時間半周期で起こり、
はっきりとした「夢」を見るのもこの時です。
人は睡眠中、このレム睡眠の状態になると【骨格筋の弛緩】が起こり、
カラダが全く動かなくなります。
ところが、時にその状態(レム睡眠時の骨格筋弛緩状態)のまま、
意識だけが覚醒してしまうことがあります。
そうなると、【骨格筋が弛緩】しているため、
「意識はあるのに、カラダは全く動かせない」という状態になってしまいます。
つまり、これがいわゆる「金縛り」と呼ばれる状態です

医学的には、睡眠麻痺と呼ばれる睡眠時の全身の脱力と、
意識の覚醒が同時に起こった状態です。
不規則な生活、寝不足、過労、時差ぼけやストレスなどから起こるとされてます。 
脳がしっかり覚醒していないため、人が上に乗っているように感じる、
自分の部屋に人が入っているのを見た、耳元で囁かれた、
体を触られているといったような幻覚を伴う場合があります。
これは「夢」であるにもかかわらず
幽霊や心霊現象と関連づけられる原因になってしまっています。


症状の原因として、自律神経のバランスの乱れにより眠りが浅くなっている可能性が考えられると思います。
自律神経が乱れる原因としては、ストレスや不規則な生活、疲れ、季節の変わり目の急激な温度変化などが考えられます。

自律神経が乱れると、寝つきが悪くなったり、寝ている途中で目が覚める(中途覚醒)、十分に睡眠時間をとっているつもりでも、眠りが浅くなっているために結果として睡眠不足となり、翌日に目覚め辛かったり、日中に眠気や倦怠感などが起こることがあります。
この様な症状はありませんか。

早速ですが、家庭での手軽にできる対策として、次の方法を試してみて下さい。
その方法として、就寝前にホットミルクを飲まれてみて下さい。
マグカップ1杯(150ml~160ml)程度で効果が得られます。
ホットミルクを飲まれると、寝つきが良くなり、質の良い睡眠がとれる様になるので良いと思います。
牛乳には、トリプトファンという必須アミノ酸が含まれています。このトリプトファンは、体内でセロトニンという神経伝達物質に合成されます。更にこのセロトニンが、睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンの分泌を促進する働きをしますので、良く眠れる様になります。
また、牛乳にはカルシウムも含まれます。カルシウムには、精神安定効果があります。更に温めることで、リラックス効果も得られるので、寝つきが良くなります。
また、牛乳には、カルシウムの他にも、タンパク質、鉄分をはじめとするミネラル類、ビタミンA、B、Cなどがたっぷり含まれています。
ビタミンBには神経を穏かにする効果があり、自然な眠りに導いてくれます。
牛乳に含まれるタンパク質は鎮静作用があるため、心がゆっくりと落ち着いてきます。
ホットミルクの効果に否定派の方も居られますが、ホットミルクに安眠効果があるのは、事実です。但し、効果には個人差があります。
また、眠れない時に、カモミールのミルクティーもお勧めです。甘い香りのカモミールは、温めたミルクととても相性が良いです。砂糖やはちみつを加え、ちょっと甘めにしてみて下さい。精神をゆったりと落ち付ける効果があり、不眠に効果があります。カモミールティーは、眠れない夜にお勧めのハーブティーです。
一度、試してみて下さい。

症状が続く様でしたら、一度、病院を受診されることをお勧めします。

参考になりましたら、幸いです。