とりあえず、後編載せますね(-^□^-)






バレンタインデー当日。

私は、慶喜さんが前に似合っていると言ってくれた着物を着たりして精一杯めかしこんだ。

花里ちゃんも褒めてくれて


「○○はん、かいらしい格好したんや。きっと慶喜はんも見惚れてしまうさかい。気張ってね!」


「う、うん。・・・あれ?そういえば花里ちゃんの好きな人って?」


すると、花里ちゃんは頬を赤らめてうつむいた。


「わては・・・、その、お、お相撲はんが好きなんや。」


そういえば、前にそんなことを聞いた気がする。


「せやから!今日はお相撲はんに一歩でも近づけるよう、女を磨くんや!」


「・・・そっか。花里ちゃんらしくていいと思うよ!」


「なんやその取り繕ったような言い方は」


「そんなことないって!」


花里ちゃんらしいくていいと思ったのは本当だ。

そうやって努力しているのは私から見てもとてもすごいと思う。


「ふふっ。冗談やさかい。そんなに考え込まなくても良いよって。さあっ今日はお気張りやす!!」


「うん、花里ちゃんも頑張ってね!行ってきます!」


・・・・・・こうして、花里ちゃんに見送られた私は待ち合わせ場所へ向かったのだった。




しかし、さあ行こうと置屋の玄関をくぐったとたん。


「きゃっ」


誰かにぶつかってしまったようで、慌ててすみませんと頭を下げると


「慶喜さん!?」


なんと、そこにいたのは慶喜さんだった。


「あはは。つい、楽しみで早くに来てしまったから迎えに来たんだ」


そして、慶喜さんは私に手を差し出した。


「ほら、手をつなごう」


「え、えっと、じゃあ」


恥ずかしくてそろそろと手を慶喜さんの手に重ねると、いきなり指先を絡められ、かっと頬が火照るのを感じた。


「今日も○○は可愛いね。俺のためにこんなにめかしこんでくれたのかい?」


慶喜さんは少しかがみ、私と目の高さを合わせてくれているようで、視線が自然と合いなんだか照れくさくて言葉を濁らせていると


「そういうんは他所でやってくれはりますか」


「!?」


慌てて振り返ると、そこには心なしむすっとした秋斉さんが立っていた。


「やあ、秋斉。元気かい?」


「・・・わてがおるん気づいとったんではおまへん?」


「まあね」


「さっさとどっか行き!」


そのやりとりに私が思わずくすっと笑みを漏らすと、秋斉さんは微笑んで私のほうを向き


「この頃は忙しゅうてなかなか休ませてあげられへんかったさかい。今日は楽しんできておくれやす」


「ありがとうございます!」


「秋斉、俺は?」


「おはようおかえりやす」


「・・・それだけ?」


「早よおしいや!わてに馬に蹴られろ言うんかいな!!」


「「行ってきます!」」


あたふたと私たちは置屋を出たのだった。







「さて、と。それじゃあ、どうしようか?」


「はい。それじゃあ・・・」


そこで深呼吸をして


「・・・・・・こうして手をつないで散歩したいんですけど」


「手をつなぐだけでいいの?」


「えっ」


「口づけは?」


「いいです!」


真っ赤になって言うと、慶喜さんはあははと笑って


「本当はして欲しいんじゃない?」


うっと言葉に詰まってしまい


「ほら!行きましょう!」


と手を引くと


「本当に○○は可愛いんだから」


と笑っていた。




・・・こんなふうに幸せな時間はあっという間に過ぎていき、とうとう帰らなければいけない時間になった。

甘味処でお団子を食べたり、色んなお店をのぞいたり、とても楽しくて時間が経つのも忘れてしまうほどだった。


でも、また明日からはしばらく会えなくなると思うと切なくなってしまう。


「今日は、本当に楽しかったです・・・」


あの・・・と切り出す。


「言ってなかったんですが、今日は私のふるさとではバレンタインデーといって自分の好きな人にお菓子を渡して、想いを伝える日なんです。それで、お菓子を用意することはできなかったので、せめて楽しんでもらえたらと思ったんですが・・・」

「俺も楽しかったよ」


「本当ですか?」

「うん、すっごく楽しかった」


「よかった!」


心の底から嬉しくて思わず顔がほころんだ。


慶喜さんも嬉しそうに笑って


「俺は○○と一緒にいれば楽しいよ」


と、照れくさそうにしている慶喜さんはとても可愛くて、とても愛おしいと思った。


その気持ちが今にも溢れてきそうで、・・・慶喜さんに伝えたい。


「ねえ、慶喜さん。」


「なあに?」


「ちょっとかがんでくれませんか?」


いいよ、と慶喜さんがかがんでくれたので、私は思い切ってその頬に唇をつけた。


はっと我に返って体を離そうとしたら、腕を引き寄せられ・・・


一瞬何が起きているのか分からなかった。


でも、目の前のきれいな慶喜さんの目と唇の柔らかい感触で、私は今、彼とキスをしているのだと気付いた。


そのまま、腕の中に閉じ込められた。


高鳴る鼓動が伝わってしまったらどうしようと思いつつも、嬉しいという気持ちに包まれてそっと彼の背中に手を添えた。


「○○」


「はい」


「好きだよ」


「私も・・・大好きです」




〈END〉



はい。遅れてすみません!!


どんだけ遅れてるんだよ!もう夏だよ!!とか思いつつ、やっぱり前編あげてるからには完成させねばと思いupしました・・・。


本当にすみませんでしたm(_ _ )m