午後11時


明人がベッドに横たわり深夜テレビを見ているとドン、ドンっと乱暴にドアがノックされた。


「開いてるよ。」


明人が言うや否や勢いよくドアが開けられ結衣が入って来た。


怒りのボルテージが最高潮に達しているのがわかった。


「どういうつもりよ!」


開口一番、結衣は怒声をあげた。


「おいおい、おっちゃんとおばちゃんもう寝てるねんぞ。」


明人は軽くたしなめたが


「何誤魔化してるのよ!」


結衣のボリュームはますますあがった。


明人はヤレヤレといった表情で


「俺は結衣が見合いしたらええって思ったから言うただけ。」


「何が言うただけよ、人ごとやと思って無責任な!」


「そんな無責任に言うたつもりはない。」


それを聞くと結衣はさらに不機嫌になり


「無責任やんか、私まで24やで!」


「何で今から見合いせなあかんのよ!」


「そんなに見合いしたかったら明人がすればええやんか!」


ここまで言われると明人もテンションが上がり


「何言うてんねん、女はクリスマスケーキと一緒じゃ!」


「はぁ?そっちこそ何言うてんの?」


「知らんのか!」


「女とクリスマスケーキが売れんのは24までであとは売れ残るだけって意味じゃー!」


「覚えとけ、バーカ!」


「な、な、何よそれ!」


結衣は顔を真っ赤にし手元にあったクッションを明人に投げつけた。


「イッタ、何するねん!」


明人は自分がしていた枕を結衣に投げつけた。


「痛いわね、暴力振るいなや。」


結衣は投げつけられた枕で明人の頭を叩いた。


「お前、言うてることとやってることバラバラやんけ!」


明人もクッションで叩き返した。


それから2人で相手のことを罵りながら叩き合った。


そして・・・・・・・・・


「お前ら今何時や思てるんじゃー!」


「2人ともええ年して!」


「騒ぐねんやったら表いってやれ!」


ついに博の雷が落ちた。


それをきっかけに2人ともシュンとなった。


博はそれを見ると自分の部屋に戻っていった。


結衣も何となく立ち上がり部屋を出ようとした。


それを明人が後ろから抱きしめた。


「結衣、俺と結婚するか?」


「えっ!」


明人の突然の告白に結衣は驚きの声をあげた。