明人と結衣はすぐに真理子の収容されている病院に駆け付けた。


そこで2人はまだ温かみの残る真理子の遺体と対面した。


真理子は自宅から100mの交差点で自転車に乗って信号待ちをしていた。


その前で自動車同士の衝突事故が起きた。


事故の衝撃で跳ね飛ばされた1台が真理子に襲いかかった。


一瞬の出来事だった。


幸い顔に傷はなく、横たわっている真理子は本当に眠っているようである。


「真理・・・・・・・・・」


明人は真理子の頬にふれた。


ほんの数時間前まで笑顔を見せていたのに・・・・・・・・・・


「バイバイ、すぐ電話するね。」


って・・・・・・・・・・


今日、遊びに来させなければ・・・・・・・・・・・


シャワーなど浴びず、すぐ送っていれば・・・・・・・・・・・・


別れ際、もっと長く抱きしめていれば・・・・・・・・・・・・・・・・・


真理は死なずに済んだのに・・・・・・・・・・・・・・・・・


いつの間にか明人の瞳から滝のように涙があふれていた。


結衣もまた大粒の涙を流していた。


かけがえのない親友を失った悲しみと激しい後悔と深い自責の念にさいなまれている明人の様子に・・・・・・・・・・・・




次の日。


真理子の遺体は自宅に運ばれ通夜が営まれた。


明人は真理子の家族に願い、一晩中真理子のそばに付き添うことにした。


そこに結衣が顔を出した。


「あれ、帰ったん違うんか?」


「うん、ちょっと明人に見せたい物があって。」


「見せたい物?」


明人は首をかしげた。


結衣は携帯を取り出すと


「私もさっき加奈から聞いて知ったけど、真理ブログやっててんて。」


「最後の更新は多分明人と別れてから電車の中で書いたと思う。」


「今見たらつらいかも知れへんけど、どうする?」


明人は迷わず


「見せて!」


結衣は明人に携帯を渡した。