その日もいつもどおり学校が終わると家に直帰した。
クラブ活動が義務でないのはありがたかった。
中学に入っても俺の生活は変わらず毎日だらだら暮らしていた。
‘‘俺’’の名前は佐々木 拓真、中学1年生。
特に目標とかもなく、その日、その日を面白おかしく暮らしていければそれでいいと思っている典型的な現代っ子である。
そんな俺の平穏な日常は突如破られた。
部屋で寝そべりマンガを読んでいると母の弟である和叔父が乱入してきた。
「拓、行こか?」
「はぁ?」
言うなり俺を強引に立たせ部屋から引っ張っていった。
「ちょ、どこ行くん?」
「まあ、ええから、ええから」
(ぜんぜんええことあるかー!)
俺は心の中で叫んでいた。
途中、母の顔が見えたので助けを求めようとしたが
「死なん程度にね~!」
(って、どこつれてかれるねん!)
俺は泣きそうになりながら和叔父の車に押し込められ、どこかへ連れ去られたのだった。