「そんな睨むことないやんけ!」
「あんたがしょうもないこといつまでも言うからや!」
拳の抗議に晶は取りつく島もない。
「それよりもなんちゅう格好してるねん、胸の谷間見えてるやんけ!」
拳はそう言うと晶の胸を凝視した。
「見るな変態!心配せんでもあんたの前では絶対こんな格好せえへんから!」
晶は両手で胸を隠した。
「あほか!男はみんないっしょじゃ!」
「なぁ静也、おまえも胸の谷間見てたやろ?」
「帰って晶のことオカズにするよな~」
静也は図星を突かれ思わず視線をそらせてしまった。
「ほら見ろ、ほら見ろ、男はみんなスケベじゃ!」
「静也も帰ったら・・・・・・・」
拳が言い終わらないうちに再び晶の拳が炸裂した。
「イッテー!何で俺の頭殴るんじゃ!」
「っていうか、あんたホンマにサイテー!もう帰って!」
晶は冷たい視線を拳に向けた。
「そんな言い方せんでもええやろ、せっかくこの前おごるって言うてたシュークリーム買ってきたのに。」
「じゃあ、シュークリームだけ置いて帰ってよ。」
「鬼かおまえは!」
「あんたがエロいことばっかり言うからや!」
「3人で仲良く食べるってことでええんとちゃう?」
いつまで経っても埒が明かないので静也が仲裁に入った。
「何でお前に喰わせなあかんのじゃ、このムッツリスケベ!」
拳が静也の頭を平手で叩いた。
次の瞬間、3発目の晶のパンチが拳の頭に炸裂した。
「何てことするんよ、静也の頭悪なったらどうしてくれんのよ!」
晶は静也の頭を撫でながら拳を睨みつけた。
「って俺の頭はどうなんねん!」
「あんたはそれ以上、頭悪なりようないやん!」
「そこまで言うか!」
「だって事実やん。」
「俺はいいから2人でシュークリーム食べたらええやん。」
エンドレスな喧嘩にもう一度静也が仲裁に入った。
「いいよ、いいよ、せこい男におごられたくないし帰ってもらうから。」
晶の冷たい言い方に
「はい、はい、俺が悪ゥございました、どうぞ俺の買ってきたシュークリーム召し上がってください。」
拳はふてくされながらシュークリームの箱を差し出した。
「そうそう初めっからそう言うたらいいのよ。」
晶はやっと満足そうに笑った。