晶の家は町工場を経営していた。


一階が仕事場で2,3階が住居である。


その3階にある晶の部屋の前で静也は、彼女が着替え終わるのを待っていた。


「入っていいよ。」


部屋の中から晶の声が聞こえた。


ドアを開けた静也は目がテンになった。


着替え終わった晶はタンクトップにショートパンツといった出で立ちであった。


同級生男子の前でするにはあまりにも無防備な格好であるが、晶は一向に気にしている様子はなかった。


「じゃあ勉強教えてね。」


「う、うん。」


静也は動揺を抑えながら返事をした。


1時間後。


「そうそう、それでいけたやろ?」


「あっそっか、なるほどね。」


思ったように問題が解けたので晶はうれしそうに微笑んだ。


静也も晶の中2とは思えない豊かな胸の谷間に目を奪われながらも、何とか教えることができてほっとした表情を見せた。


「じゃあ、次はこれ教えて。」


晶が別の問題を示したとき、ものすごい勢いで階段を駆け上ってくる音が聞こえた。


その騒々しい足音を聞いた途端、晶の顔が曇った。


「どうしたん?」


静也が不審に思って聞くと


「嫌な予感が・・・・・・・」


晶が言い終わらないうちに部屋のドアが勢いよく開けられた。


ドアの前には顔をひきつらせた拳が立っていた。