次の日の放課後。


静也は異常なほどドキドキしながら晶と歩いていた。


晶に彼氏の有無を確かめる。


そう決意して来たのだが、実際晶の顔を見るとなかなか切り出せなかった。


「あ、あのさ・・・・・・・・」


それでも意を決して口を開いた。


「何?」


晶は屈託のない笑顔を向けてくる。


その笑顔を見ると次の言葉が出なかった。


「べ、勉強のほうとかどう?」


とりあえず当たり障りのない言葉でごまかした。


晶はちょっとバツが悪そうな顔をしながら


「う~ん、あんまり良くないかな?とくに数学は最悪。」


「そうなん?」


静也は自分から振った手前、適当に相槌をうった。


「うん、今度の試験悪かったら練習の時間減らして勉強せえって言われてるねん。」


晶はさらに深刻そうな顔をした。


「でも数学やったらコツだけわかったらすぐに成績上がるよ。」


「そうかな~?静也が頭いいからちがうの?」


「そんなことないよ、絶対大丈夫。」


「ホンマ?じゃあ教えてくれる?」


「もちろん!」


「じゃあさ、今日とかでもいい?」


「いいよ。」


「それやったら、このままうちの家来てくれる?」


「うん。」


思いがけず晶の家に行けることになり、静也はすっかり舞い上がっていた。


彼氏の有無などすでにどうでもよかった。