「ユリちゃん、ごはんおかわり!」


「おい、もっと肉入れろよ!」


信也と武彦が隆一の部屋で旺盛な食欲を見せていた。


「お前らちっとは野菜も喰えよ。」


隆一が注意すると


「野菜なんていつでも喰えるからな。」


「そうそう、今日は肉だけでいいよ。」


2人はいっさい聞く耳をもたないようだ。


(やれやれ。)


隆一は呆れ返ってしまった。


2人はさんざん飲み食いし、食欲が満たされると今度はユリに注目した。


「それにしてもユリちゃんって、すっげぇー美人でスタイルいいよね。」


信也が言うと


「ほんと、ほんと、胸も大きいよね、何カップ?スリーサイズ教えてよ。」


武彦も後に続く。


さすがにこれには隆一もキレた。


「おめーら、もう喰ったんだから、さっさと帰れ!」


むきになる隆一を2人がなだめた。


「そうむきになるなよ、いいじゃん3サイズぐらい、なあ、武。」


「そうだよ、こんな美人独り占めしてるんだからさぁ。」


そう言われるとそんな気になってしまうところが隆一の人の良さである。


チラリとユリの顔を見た。


ユリはちょっと下を向いて


「えーっと、上から88、57、83です。」


「な、な、何カップ?」


興奮して言葉を噛みながら武彦が訊いた。


ユリは一瞬、間をおいて


「Fカップです。」


恥ずかしそうに答えた。


「超ーナイスバディーじゃん。」


信也が感嘆の声をあげた。


それから2人は隆一に


「うらやましい、うらやましい。」


とさんざん言い続け、ある程度気がすむとやっと帰っていった。


「はぁ~」


隆一は大きくため息をついたあと


「ユリ、嫌だったろ、ゴメンな。」


隆一はユリが嫌な思いをしたんじゃないかと気を使った。


ユリは首を振って


「ぜんぜん嫌な思いなんてしてないよ。」


「それより、ありがとう。」


「えっ、何が?」


隆一は礼を言われた理由がわからなかった。


「アンドロイドの私にそんなに気を使ってくれて。」


そう答えたユリを隆一は抱きしめた。


「ばーか、ユリのことアンドロイドだなんて思ってないよ。」


「俺のちゃんとした恋人だから・・・・・」


隆一はそう言いながら、ユリの唇に自分の唇をかぶせた。


そしてそのままベッドに移動した。


さあ、これからというとき


「ちょっと待って!」


ユリが制止してきた。


「どうしたの?」


「ゴメン、仕事みたい。」


「仕事?」


隆一は意味がわからなかった。