見えないもの
「過ちを繰り返さない」
前提が無い...
誰がどんな過ちを犯したのか?
それをはっきりさせずに振り回しているこの言葉は意味を成さない。
光は強すぎると何があるのか見えなくなる。
そろそろなにもかにも光で照らすことをやめて闇を光度の違いとして受け入れるべきなのでは?
そういえば最近どこかで
「本当の自分を探そう」という文章は「本当の自分がある」という事を前提としている。
なので、正しくは、「本当の自分があるのであれば、本当の自分を探そう」という文になるが、その前提は証明しようがないので意図的に省略されている。
省略されている時点で、怪しい文だな、ということに気付くが、気付かないと、暗黙の内に「本当の自分がある」ということを納得させらてしまう。
強い善は言葉だけで前提は無い。作られたものだと気付くか気付かないか...
一言
サキノハカといふ黒い花といっしょに
革命がやがてやってくる
ブルジョアジーでもプロレタリアートでも
おほよそ卑怯な下等なやつらは
みんなひとりで日向へ出た蕈のやうに
潰れて流れるその日が来る
やってしまへやってしまへ
酒を呑みたいために尤らしい波瀾を起すやつも
じぶんだけで面白いことをしつくして
人生が砂っ原だなんていふにせ教師も
いつでもきょろきょろひとと自分とくらべるやつらも
そいつらみんなをびしゃびしゃに叩きつけて
その中から卑怯な鬼どもを追ひ払へ
それらをみんな魚や豚につかせてしまへ
はがねを鍛へるやうに新らしい時代は新らしい人間を鍛へる
紺いろした山地の稜をも砕け
銀河をつかって発電所もつくれ
(宮沢賢治「サキノハカといふ黒い花といっしょに」)
一言
もう 気付いたろう 目の前のドアの鍵を
受け取れるのは 手の中がカラの時だけ
長い間 ここは居心地が良くて
いつの間にか いろいろと拾い過ぎた
どれもが 温かくて 失い難い いくつかの光
手に入れる為に捨てるんだ 揺らした天秤が掲げた方を
こんなに簡単な選択に いつまでも迷うことは無い
その涙と引き換えにして 僕らは 行ける
もう 気付いたろう 僕に君のドアは見えない
同じドアをくぐれたら… と願っていたよ
さぁ時は来た 繋いだ手を離すんだよ
カラになった手で それぞれの鍵を受け取ろう
恐らく もう 戻れない いるか忘れる 君と居た場所
手に入れる為に捨てたんだ 揺らした天秤が掲げた方を
そんなに勇敢な選択だ いつまでも迷うことは無い
その記憶と引き換えにして 僕らは
振り返らないで 悔やまないで 怖がらないで どうか 元気で
僕は唄うよ歩きながら いつまで君に届くかな
その涙と引き換えに
その記憶と引き換えに
この歌と引き換えにして 僕らは 行ける
もう 気付いたろう 目の前のドアの鍵を
受け取れるのは 手の中がカラの時だけ
ただ一人だけ
(BUMP OF CHICKEN 「同じドアをくぐれたら」)
人だけじゃなくて夢も同じだな。
天秤はぐらぐらといつまでも一つの道を掲げない。
違うか…
自分の現状からそんな夢は得られないことは分かっている。
それでも吠え続けたのはいつまでも夢の途中でいたいからだ。
やはり天秤が掲げたほうは分かっているのだ。
だが、迷っている...
ただ諦めたように思われたくなくて、思いたくなくて言い訳を探してる。
一言
「過去を否定することは、未来も否定することだ。人は自分で自分の運命を決めるわけにはいかない。受け入れるか、拒否するかのどちらかだ。ナナカマドは根のはり方が浅いと、実を結ばないものさ。」
「しかし、ただ生きたいと思うだけではなくて、そらにその上に別の力、たとえば、限りない富とか、絶対の安全とか、不死とか、そういうものを求めるようになったら、その時、人間の願望は欲望に変わるのだ。そして、もしも知識がその欲望と手を結んだら、その時こそ、邪なるものが立ちあがる。そうなると、この世の均衡はゆるぎ、破滅へと大きく傾いていくのだよ。」
「いや、世界にただひとつ、この邪な心を持つ人間に対抗できるものがいる。それは、別のいまひとりの人間だ。恥を知る者にこそ、栄光はある。悪を為しうるわしらだけが、また、それに打ち勝つこともできるのだよ。」
「知性があるのなら、あるように行動しなければ。選択が許されているのなら、それなりの責任を持って行動しなければ。」
「アレン、よい人間とはどんな人間かな? 悪を働かず、闇への扉を開かず、己れの中にも闇を持たない人間かな? 見つめてごらん、アレン、もういっぺん、よく見つめてごらん。」
「ここにいたって、わしにはわかるのだ。本当に力といえるもので、持つに値するものは、たったひとつしかないことが。それは、何かを獲得する力ではなくて、受け容れる力だ。」
一言
「できるわけがない」と思えば、脳はその優秀なメカニズムを動員して、「できない」理由を考え始めます。 (雑誌「プレジデント」)
「あなたが一番だましやすい人は、
あなた自身だよ。」
(エドワード・ブリュワー・リットン)
