弁理士として仕事をしていると、その業務内容について、ご存知の方はまだまだ少なく、弁理士の知名度と理解度の向上はこれからの課題であるな～と感じます。

特許や商標などの言葉は、聞いたことがあるものの、普段、なかなか身近に感じることは少ないのではないでしょうか。

そこで、本日は、皆さまの身近にある特許や商標をご紹介いたします。

私が大好きで、仕事や勉強の合間によくいただいている、こちらの飴。沖縄産の黒糖を使用した黒飴です。

（すみません、もうＯＰＥＮ済みです…）

何といっても特徴的なのが、飴の中に黒糖がそのまま入っていること。

この黒糖が中に入った黒飴及びその製造方法が、特許になっていました（「飴菓子及び飴菓子の製造方法」（特許第3071386号））。

平成27年10月4日に、出願日から20年の存続期間を満了し、現在は権利が消滅しています。

具体的には、下記２つの請求項からなる特許です。

【請求項１】
　内核部分と外被部分とよりなる飴菓子であって、上記内核部分は、固型の黒砂糖であり、上記外被部分は、少なくとも黒砂糖と水飴とを加熱溶融混合した飴であり、加熱されて流動性を有する状態で上記内核部分に被覆されるものであることを特徴とする飴菓子。

【請求項２】
　少なくとも黒砂糖と水飴とを加熱溶融混合して高温にしかつ流動性を持たせる第１の工程と、この第１の工程でできた黒飴を冷却する第２の工程と、この第２の工程で冷却された黒飴を練合する第３の工程と、この第３の工程でできた黒飴の中に固型の状態の生の黒砂糖を巻き込んで棒状に整形する第４の工程と、この第４の工程で棒状に整形された飴を複数の小塊に切断して整形して冷却する第５の工程とを備えたことを特徴とする飴菓子の製造方法。

この発明は、従来の黒飴が、黒砂糖を水飴に混入して加熱溶融混合した後に冷やし固めたものであって、舌触りが飴の感触のみであり、定番菓子となったものの、その需要に変化が少なく、新たな需要を喚起することが困難であった、との課題を踏まえ、創作されたものでした。

実際、この飴をいただいてみると、最初は外側の飴のなめらかな口あたりがあり、最後は黒糖の濃厚な甘みが感じられ、二種類の味わいを楽しめます。

まさに、前記課題を見事に解決した黒飴といえるのではないでしょうか。

さらに、この商品は商標権でも保護されています。

登録されている商標は「生黒」で、指定商品は、第30類という区分の「菓子及びパン」等です。（商標登録第5239920号）。

黒糖をそのまま味わえる飴の雰囲気が、よく伝わる商標だと思います。

商標権者は、登録されている商品・サービス（「指定商品」・「指定役務」といいます）の範囲内で、独占的に、その登録商標を使用することができ、ライセンスなども可能です。

また、商標権は更新登録の申請さえし続ければ、何度でも、その存続期間を更新でき、特許権のように消滅することは原則としてありません。

したがって、独占的かつ継続的に登録商標を使用することができ、それだけ、商標権としての価値も向上することとなります。

このように、特許や商標は、実は身近にたくさん存在しており、弁理士は、これら特許権や商標権などの知的財産権の取得のお手伝いをしています。

知財でお困りのときは、ぜひ身近な弁理士にご相談ください。

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身近な特許・商標（沖縄黒飴）