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20141010
ジュリアスシーザー

階段状のセットが目を引く。その一番上にはライオン的な像とその乳を吸おうとしている2人の子ども?的なモニュメント。

開演前から民衆がわらわらを集まってきて、BGMが止まると同時に上着を脱いで放り投げた演出は、アントニーによって反抗心を掻き立てられた後の民衆と重なる。
一番印象的だったのは、血糊を使う演出。舞台で血糊を使っているのは初めて見た。衣装が白を基調としているので、血糊の映えが美しい。蜷川さん演出のシェイクスピアシリーズは白い衣装非常に印象的。
今回も、シーザー側の衣装のインナー?が赤で、動くたびにチラチラ見えるのが素敵の一言。対立を赤と白で表したときに、シーザー側が赤だったのはシーザーの死を色で印象づけるための、伏線だったのか。シーザー殺しを画策した彼らが、自分の体にシーザーの血を塗りつけいるのはこのような王を二度と生み出さないという戒めなのか。
あえて、キュシアスとブルータスの死ぬシーンには血糊が使われていなかった。キュシアスの語るシーザーは小心者だったりと、かなり人間的弱さを持った人物に語られていた。対してキュシアスのエピソードは全て勇敢なものばかり(キュシアスの口から語られているからなのかもしれないが)でその対比が、血糊を使った人間的な死とそうでない死に投影されていたのだろうか。
階段のセット上での戦闘シーンも、かなり激しく稽古を重ねてきたことが伺えた。