少しずつ少しずつ歩く距離を増やして…
最初は、徒歩3分のコンビニに徒歩20分
次は、徒歩5分のコンビニに徒歩30分かけて歩くリハビリ。ベビーカーでスヤスヤ眠る息子がいる
パパは一歩一歩が辛そう…
でも痛いけど…
歩ける幸せ。
そして、家族と一緒にいられる幸せ。
隣に家族がいる…生きている幸せ。
ツライけど幸せなんだと
彼は、呟いた。
やっぱり…
彼は私と息子にとって世界一のパパ。
2017年7月
やっと彼が家に帰ってくる…
息子が、生まれてまだ2ヶ月の頃の入院…
今は、もう4ヶ月になった…
一緒に暮らして、8年ぐらいなるが
2ヶ月も離れていたことなんてない
8年も毎日一緒だと…
たまには1人でベッドで大の字で寝てみたいと思うことはあったが、やっぱり彼がいないベッドはさみしい。
たぶんうちは、かなり仲のいい夫婦だと思う。
彼に
「うちが仲良しすぎるから神さまが、ヤキモチ焼いて病気になってしまったのかな」と言ったら
彼は
「とんでもない神さまだなぁ…」と答えていた
神さま…
彼をこれ以上試練を与えないで
私と息子にとって宇宙一の最高な旦那さん&宇宙一の最高なパパなんだから
彼が帰ってきたら、一緒にいられることの幸せを感じながら過ごしたい。
私の毎朝の日課
仕事に行く彼を送り出してから彼には内緒でベランダから彼を見送っていた…
心の中で毎朝呟く
「彼が無事に元気で家に帰ってきますように」
あの日々が早く戻ってきますように…
その後、順調に彼は回復し、そろそろ退院を考えましょうと担当医の先生からお話があり、やっと彼が家に帰ってきてくれると思った。本当に嬉しかった。
退院の前日に栄養指導があるので参加をお願いしますと言われ、もちろん参加。
色々な指導が載っている退院後の食事についての冊子をいただき、その冊子を見ながら栄養管理士の方から1時間ぐらいの説明を受けた。
術後1ヶ月は消化の良いものでご飯は軟飯、竹の子、ごぼうなどの根菜類は消化に悪いので控えるようにして量も最初は少なめにして徐々に調節し色々な物をバランスよく食べてくださいとのことだった。1ヶ月過ぎたら特に食べては、いけない物はないと言うことだった。
説明を受け1ヶ月は、腸閉塞を起こしやすい状態ではあるので消化が悪いものは絶対にNG、食べ過ぎには注意を払って規則正しい生活を送ることを言われた。
栄養指導は退院が近い人が数名一緒に受けていた。
ほとんどの人たちは家族と一緒に話を聞いている。
なかには、患者さん本人のみで聞いてる人もいる。
手術を受けたばかりで1人で家に帰ってから自分の身の回りをしなきゃならないのは大変だなぁと思った。
うちの旦那さん以外は、お年を召された方が多い。
30代でがんに侵されることは珍しいことだが、高齢者が大半の入院患者さん、この病院にいるとやはり高齢者社会なんだなと感じる。
彼の腸は、拒絶反応を起こすことなく無事に少しずつ回復していってくれた。
私は、相変わらず、4ヶ月の息子の世話をしながら行ける時は行くという感じの日々を過ごしていた。
そんな日々のある日
彼からのLINE
凄い喜びで溢れていた
《 みて‼︎プリンだよ‼︎》
送られてきた写真には、お粥と野菜系のおかず、すまし汁
そして、、デザートのプリンが‼︎
プリンの上にはクリーム系のものが乗っている。
おいしそう。
しばらくすると
《ごちそうさまでした》
添えられた写真には
少しだけ残ったお粥、少しだけ残ったおかず、ちょい残ったすまし汁、そして空になったプリン‼︎
彼からのLINEは幸せが溢れていた。
術後何日かが無事に過ぎ…
彼も、病院内を自由に歩けるぐらいまで復活していた
時間の許す限り病院へ行くが毎日は行けない…
息子は、まだ4ヶ月…病室へは連れて行けない。
彼からLINEが毎日送られてくるが、その日は特別だった。
《久しぶりの食事》
写真が送られてきた。
口から食事が取れる
流動食だけど…1ヶ月半ぶりの食事は
格別らしい。
嬉しかったようだ。
病気になる前の彼は、食べるのが大好きで
いっぱい食べる人だった。
写真で送られてきた流動食は、少しの量だ。
その流動食を噛み締めながら一口一口を大切に口に運んだそうだ。でも半分くらいでお腹がいっぱいに…
彼もびっくりするぐらい胃が小さくなってしまったようだ。
無理をしてしまうと腸や胃が拒絶反応を起こしてしまったり、また腸閉塞になってしまうので、ゆっくりゆっくり1歩ずつが肝心だそうだ。
彼は、凄く耐えてきたから焦ることはしない。
ゆっくり確実に前に進んでいく。
次の日。
息子を連れて病院へ
息子は車の中でお留守番…
もちろん彼のお父さんとお母さんが見ていてくれる。
彼の病室へ
「 入るよ 」
「 やあ 」
ベッドの上で、いつもの笑顔だが…
やっぱり痛そう。
そりゃ当然だ…30cmも切っているんだもん
「 今日、歩いたよ 」
「 へ 、」
そんなにいろんな管があるのに?と心の中で思った。
「 凄いね 」
彼は、どちらかと言うと
褒められると伸びるタイプの人だ
褒められて嬉しそうにしている。
彼は、見た目と中身がちょっと違う
可愛いものが好きだったり、みんなの前では、しっかりしているけど本当は、かなりの甘えん坊だったり…
もし、このブログを彼が読んだら、
この部分は削除するよう抗議がありそうだが…
とにかく彼は、素直で可愛い人だ。
彼は、「 ありがとう 」と呟いたあと
目を閉じ眠りについた。
「 明日、また来るからね 」と眠っている彼に言い
みんな帰途についた。
家に着き、姉と母にお礼を言い、
いい子に留守番してくれていた
彼と私の大切な大切な息子に
「 パパ、頑張ってくれたよ。もちろん病院の先生たちも
パパの病気を治すために凄く頑張ってくれたんだよ。
○○くんも、いい子でお留守番してくれて
ありがとう。みんなに感謝だね。」
と伝えた。
彼が緊急入院してから…心配で心配で心細かった。
今日は少しは安心して眠れそうだ。
彼から
「俺、がんだった」と伝えられた日
涙が止まらなかった。
まだ30代で仕事も順調、息子も生まれ
本当に幸せな日々だった。
そんな日々がずっと続くと信じていた。
彼は、本当に本当に凄くいい旦那さんだ。
息子のことも凄く愛してくれ、私のことも大切に大切に
していてくれる掛け替えのないパートナー
彼と一緒にいると心から安心できる。
私の大切な人。
そんな彼が、がんになってしまった。信じられなかった。
もし彼を失ってしまったらと思うと怖かった。
手術は成功した。これで大丈夫。
今日は、疲れた少し眠ろう…
夜中、LINEの音が聞こえ起きた
彼からだった…
『 目が覚めたけど…
なんとなく断片的な記憶はあるんだけど
よく覚えてないから先生からあった説明を教えて 』
とLINEがきた
すごく彼らしいと思った。
全ての事実を知った上で納得をしたいタイプ
私は先生からあった説明を彼にLINEした。
納得してくれたようだ。
私は安心した…
手術したばかりだが、彼が元気だと言うことが
とても嬉しかった。
先生からの説明も終わり
みんな安心し笑顔になっていた
とりあえず、彼が戻ってくる階へ移動して
電話を待つことにした。
時刻は午後3時を過ぎていた。
家を出てから、もう少しで8時間経とうしていた
出産してから、こんなに息子と離れたのは初めてだ。
姉に電話をしてみよう
「 もしもし、いま無事に手術終わって部屋に戻ってくるのを
待ってるところ、今日は本当にありがとうございます。
息子の様子はどう?大丈夫? 」
「そう、無事に終わって良かったね。○○くん
ミルク飲んで、うんちして、いい子にしてるよ 」
「そっか、良かった。また電話をします。本当に今日は
ありがとう 」
「はいはい、じゃね 」
姉との電話の声の後ろで息子の声が聞こえた。
良かった、元気そうだ。
姉は3人の男の子を育ててきたママのベテランさんだ
大丈夫に決まってる。こちらの方も安心だ。
あと…どのくらいで彼は戻ってくるのだろう
最初になんて言おうかな…
先生の説明では10cm×10cmの大きさの腫瘍を取り出すため
30cmほど、お腹を切ったので相当な痛みがあるだろうと。
彼は、緊急入院してからいろんなことに耐えて耐えて
闘ってきた。本当に頑張ってくれた…
ありがとうと言う気持ちしかない。
成功したよ。○○頑張ってくれてありがとう。
これしかない。
なんてことを考えていた。
16時過ぎ…
まだ電話は鳴らない…
チクタクチクタク
心の中で、また時間の経過が気になってしまう…
何かあったのかな?なんて心配が…
チクタクチク
16時30分
待望の電話がかかってきた
電話を切り部屋へ
彼がいた
まだ、麻酔から完全に目が覚めていない…
あ、目を開けた!
「 成功だって…本当に頑張ったね。ありがとう 」
彼は
ぼんやりとした意識の中
「 ありがとう 」
「 ありがとう 」
「 ありがとう 」
と私の目を見ながら呟いた