こんばんは。
今日のNHKクローズアップ現代を
ご覧になった方、いらっしゃいますか?
医療事故に関して
NHKに100件以上の告発が寄せられたのを元に
取材した番組とのことでしたが…
正直な感想としては、
あともう一歩踏み込んで、
医療事故にまつわる問題点を明らかにしてほしかったな、
と思いました。
複数の被害者・被害者家族の肉声を番組の中で聞くことで、
「日本のどこかで少なからぬ数の医療事故が起きていて、
苦しんでいる患者やご家族がいる」
ということは確かに伝わりました。
でも、その苦しみの「性質」については、
あまり伝わらなかったのではないのかと心配しています。
私は医療事故被害者の苦しみには、
二つの要素があると思っています。
一つ目の要素は、身体的な苦しみ。
(「命を奪われた」「障害を負いQOLが下がった」など)
二つ目は、医師をはじめとする医療従事者の
不誠実な態度に直面したときの精神的な苦しみ。
例えば、
「その場その場でかなう限りの
最善の努力をしてくれるはず」と
医師を信じていたのが裏切られたあげく、
患者が情報的にも制度的にも
弱い立場にあるのをいいことに、
きちんとした説明も、
謝罪のひとことももらえないという状況に、
患者とその家族はもだえ苦しむのです。
この二つ目の苦しみについて、
番組でもっと取材するべきだったのではないか、
と思っています。
「医療事故調査制度」はきちんと機能するならば、
患者とその家族を二つ目の苦しみから救うための
大きな一歩となるはず。
なのに、現実はそうなっていない。
なぜなら、
医療事故かどうかの判断が、
医療機関の管理者(病院の院長など)に
まかされているから。
残念なことです。
人間は弱いものです。
病院の院長がここで「公平な」判断をくだせるとは
なかなか思えません。
NHKの番組の最後の方では
医療事故を起こした病院からの謝罪があって
「医療関係者もつらかったのだろう」
というお気持ちになられた方が紹介されていました。
医療事故に遭ったというつらいお気持ちに
一定の区切りをつけることができたこと、
本当によかったと思います。
でも、謝罪の言葉がもらえず、
病院側の不誠実な態度に
もがき苦しみ続けている方たちがいることも、
忘れてはいけないと思います。
追記 (2024-04-24)
NHKのサイトに報道のまとめがありました。
