電信柱の立て看板に電話してつながったのは、とある小さな不動産会社。

 

休みの日に先方事務所で会うこととなった。

 

場所は都内の古い雑居ビルの一室。不動産に関して何も知らない俺にあれやこれや説明する担当者と、いかにも不動産屋さんという風貌の社長。

 

今考えるとよくこれを買ったなというような一癖も二癖もある物件なのだが、どうやらこの物件はニンイバイキャクであるらしい。なんだそれ。

 

要するに自己破産しそうな人が、自己破産を回避するために売る物件ですと。

だから安く買えるんですよと。

 

家に帰って、分からなかったことをネットを頼りに調べる調べる。でも所詮間に合わせの知識。今考えると恐ろしい。が、久しぶりにやってやるぞという気持ちになっていった。

 

続く