遠距離恋愛とまではいかない微妙な距離の間を

私たちは約2週間くらいの間隔で会っている。

あとは、毎日LINEや電話で交流を深めている。

しかし、1週間前私のLINE上の文面から彼の

心を騒がせてしまい、一時は別れの危機を迎え

てしまった。大人の恋愛というのはある時には

繊細に互いの状況を加味してしまい積極的には

なれない時がある。年齢も旬をとうに過ぎた者

同士が、縁あって交流を深めているものの正直

別の切なさが芽生える関係なのだ。結婚という

ゴールが見えない関係性というのも切なくなる。

 

 

私は外見で恋をせずに、文面から恋をした。

彼の綴る一文・一文に周囲とは異なる品格と霊

性を。また文脈や行間のセンスから丁寧な方だ

という印象を持っていた。予想通り、その後の

文通も言葉遣いが美しく、こちらの襟が正され

るような人だと思った。そんな時に相手から会

うことを提案してきたのである。顔を知らない

相手と1ヶ月にわたって文通をして、初めて会

うという今回の恋愛の流れはある種の警戒心を

抱かせた。

会った時の印象が悪かった時の逃げ道を作った。

仕事を理由に途中で抜けられるように万全の準

備を整えていた。

 

 

ホテルのラウンジで初対面した瞬間、胸が踊っ

た。大きい方であった。約180センチ近い身長。

ガッチリしていて、お顔が意外にも爽やかなの

だ。好意を持つのに時間はかからなかった。

相手も満更ではないと見えた。私たちは話が尽

きずにそのあとも目的地がない中で話に夢中で

あった。

初対面以降のLINEでの交流の文面には毎回のよ

うに「不思議な気持ち」と綴られていた。それ

が段々と「惹かれています」になり最終的には

「好きになりました」と綴られるようになった。

 

 

終始美しい言葉で、途中険悪な関係になり始めた

時でさえ美しい言葉で感情的な文面は見られない。

そこが、また私の恋心に拍車をかけた。私の知る

経営者とは少し違う。全く偉ぶらず、腰が低い。

そして私のことを今だに「さん」付けで呼ぶ。

夜の電話では寝る時間になると「ねんね」と言う。

この対比が面白い。よく話すのだが、間の取り方

が絶妙のため全く話されているように感じない。

これも、考え抜かれた対話術なのだろうか。

私自身がこの方から見習わなければならない点が

多いようだ。決して、燃えるような感情ではない。

ジワジワと炭火のように確かなものが育つような

恋愛相手なのである。さて、明後日は3回目だ。

前回のわだかまりに関しても向き合う時間となり

そうだ。