小学校のころのお話になります。
私の小学校には校舎を出てすぐ前に川が流れていました。まぁ、お世話にも綺麗な川ではなく汚い川でした。石も黒くなり底も見えないぐらい汚い川でした。
お昼休みにはみんなでその川に石を投げたり魚を見つけたりして遊ぶのが日常的な遊びでした。
ある日のお昼休みに友達がファミコンソフトらしき物が川辺に落ちてたのを発見しました。
そのソフトを見てみるとソフトの形はしてましたがなんのソフトなのかシールが剥がれてよく分からない状態でした。ソフトの端子部分は土で埋まっておりどう見てもちゃんとゲームできる状態ではありませんでした。
みんなで外見だけでも綺麗にしてとりあえず学校が終わってから近所の友達の所でそのソフトを遊んでみることにしました。
分かってた通りまともにソフトは動かず反応すらしませんでした。
ソフトの中にも原因があると思いソフトのカバーを開けてみると土が固まって基盤に引っ付いてました。
一応綺麗に土を取り元に戻しましたが一向にソフトは動くことなく終わりました。
その日は残念ながら謎のソフトを遊ぶことなく終わりました。

私がそのソフトを家に持ち帰り色々とやってみることにしました。
端子部分がやたら黒ずんでたので父親に見てもらうと母親に
『マネキュア落とし持ってこい』と一言
母親がマネキュア落としを持ってきて父親が端子部分にマネキュア落としを染み込ませた綿棒で綺麗に掃除を始めました。
みるみると端子部分が綺麗になっていきました。
父親が
『これで試してみろ』
私はたぶんいける!と思いファミコンに謎のソフトを差し込み息を飲むように電源を入れてみました。

なんと!ゲームが始まりました。
そのソフトは・・・
謎のソフトの正体は!
『快傑!ヤンチャ丸』でした。
遊んだことのないソフトだったので嬉しいのと思いの他面白いゲームでびっくりしました。
こんな面白いゲームを投げ捨てたのかどうかは知らないけど。もし、投げ捨てたのであればもの凄く怒りが込み上げてきました。
子供ながらゲームを作ったスタッフの方々にも失礼だし、そもそもソフト一本買ってもらうのにどれだけ苦労(基本、誕生日かクリスマス以外で買ってもらえない)がかかるのか分かってない奴の仕業だと思うと怒りが込み上げるってもんです。
とりあえずソフトに『快傑!ヤンチャ丸』とマジックで記入して友達周りで貸し合いして遊びました。
(快傑!ヤンチャ丸のゲーム画面)
長いお話でしたが一番の功労者は父親。
マネキュア落としとは除光液。
ソフトの端子を綺麗にできることを学べた思い出の『ヤンチャ丸』でした。


