母は本の虫だった。
大学のことはよくわからないんだが
なんでも文学部だったらしい。
母はわたしに本を読んでほしいと
老人と海、赤と黒、星の王子様などなど
たくさん用意してくれた。
でも、わたしは全く読まなかった。
背表紙は見てたから、タイトルと
作者名は気がついたら覚えてた。
絵本は大好きだった。
小学生の低学年向けの本でも
少し挿絵の入っているのは楽しく読んでいた。
しかし、文字だけの本になると開きもしなかった。
これはどうしたものかと考えた母は
漫画でもいいから読みなさいと言った。
わたしは大喜びで読んだ。
ある日、わたしは夕飯も食べずに
学校の図書室で借りた伝記物の
キューリー夫人を読みふけっていた。
次の日、野口英世を読んだ。
それを見ていた母はまた考えた。
数日後、大きな地球儀と、
そして本棚には二十数冊の百科事典と
分厚い広辞苑が揃えられた。
わたしは事あるごとに百科事典を開き
地球儀をなぞった。
本の虫ならぬ、調べ虫である。
本は読まないのになぜ図書館が好きだったのか、
このへんに答えが隠されているように思う。
図書館のその圧倒的な知識の量に魅了され、
多くの背表紙の賢人たちに
見守られているような感覚に、本も読まずに
いつまでも心地よく浸っていた。
今も図書館は好きだけれど、
当時のあの感覚は残念ながら無くなった。
インターネットを手に入れてしまったからなのか、
ただ、あの図書館が特別だったからなのか。
でも、いつかまたあの心地よさに触れたい。
触れる日を楽しみに。
大学のことはよくわからないんだが
なんでも文学部だったらしい。
母はわたしに本を読んでほしいと
老人と海、赤と黒、星の王子様などなど
たくさん用意してくれた。
でも、わたしは全く読まなかった。
背表紙は見てたから、タイトルと
作者名は気がついたら覚えてた。
絵本は大好きだった。
小学生の低学年向けの本でも
少し挿絵の入っているのは楽しく読んでいた。
しかし、文字だけの本になると開きもしなかった。
これはどうしたものかと考えた母は
漫画でもいいから読みなさいと言った。
わたしは大喜びで読んだ。
ある日、わたしは夕飯も食べずに
学校の図書室で借りた伝記物の
キューリー夫人を読みふけっていた。
次の日、野口英世を読んだ。
それを見ていた母はまた考えた。
数日後、大きな地球儀と、
そして本棚には二十数冊の百科事典と
分厚い広辞苑が揃えられた。
わたしは事あるごとに百科事典を開き
地球儀をなぞった。
本の虫ならぬ、調べ虫である。
本は読まないのになぜ図書館が好きだったのか、
このへんに答えが隠されているように思う。
図書館のその圧倒的な知識の量に魅了され、
多くの背表紙の賢人たちに
見守られているような感覚に、本も読まずに
いつまでも心地よく浸っていた。
今も図書館は好きだけれど、
当時のあの感覚は残念ながら無くなった。
インターネットを手に入れてしまったからなのか、
ただ、あの図書館が特別だったからなのか。
でも、いつかまたあの心地よさに触れたい。
触れる日を楽しみに。