ご訪問ありがとうございます。気分が沈んだきっかけを数日かけて少しずつ書きました。長文駄文です。
我が家のドアベルが鳴りました。玄関が見える2階のムスメの部屋の窓からチラリと確認すると、ブロンド、Tシャツとスウェットパンツ姿のマスク不着用の1人の若者が立ってました。お隣さんのお届物預かりかと一瞬思いましたが、配送車らしき車はありません。不審な訪問販売がたまにあるし、怪しいから居留守しました。するとそのあと数回、ドアベルが鳴り、再び確認すると先程の若者。ホームオフィスのオットーに言って確認してもらうと少しの間、家の前でキョドっていたとか。あとからそれがムスメの送迎バスが同じ男子児童であることに気づきました。気持ち悪かったですが、その日はそれだけで終わりました。
数日後の5月10日(月)。
ムスメが学校から帰宅した15分後くらいしてから、また家のドアベルが鳴りました。帰宅後でバタバタしていたのでうっかりドアを開けてしまったら、先日の男子が思いつきで来たような服装とマスク不着用で立ってました。挨拶も名乗りもせず開口一番……
「ムスメの家だよね?ムスメに出てきて欲しいんだけど」
住所氏名、用件を聞いてから毅然とした態度で拒否するべきだったのですが、その時は次に何を言われるか、何をされるかわからなかったので「Nein!(No!)」とだけ強く言ってすぐドアを閉めてしまいました。すぐオットーが外を確認したら少年はいなくなってました。
その後すぐにオットーが学校に連絡し、数学年上のO君と判明しました。O君の学年はムスメの学年とは関わりがなく、話では"Sozial Schwach(貧困家庭)"で過去に問題を起こしているような感じでした。Sozial Schwachは経済的な貧困を意味しますが、家庭環境が“貧困”の意味合いもあります。住所も近いらしく、ムスメに聞いてみましたが何も知らない。担任のM先生と後日、O君のクラスの担当教師に報告、本人から事情を聞くように話し合いました。念のため、ムスメの連絡帳↓にもはっきりと書きました。
(5月10日)私「一切関わりたくないので、O君のご両親にもご報告お願いします」
(5月11日)J先生「O君の連絡先がわからないので出来ません。担任教諭が事情を聞く事になっているから最終的にはご両親へ連絡されるはずです」
翌朝のバス送迎は用心してオットーが担当、バスの運転手さんと添乗員さんにも事情を説明しました。
翌日の5月11日(火)。
ムスメの担任のM先生から電話がありました。何やら苛立ってる様子で、原因は連絡帳に書いた事らしい。まずはO君に話を聞いてから保護者に…と、先生のお話の内容は被害者は晒され、加害者情報は庇われる現代社会の仕組みに似てました。さらにO君は登校していないから話が聞けないとか。
話の雰囲気は「今の段階ではあまりやれる事はない」みたいでした。やり取りしていたいつもは冷静に対処するオットーもさすがにキレ気味になりました。
私達には個人情報云々でO君の情報は知らされないのに、向こうは我が家を知っていて、しかもムスメと同じバス。背丈が私(158cm)とかわらない思春期に入った年齢の男子が、異性の家に2度も来た意味を考えれば、何か起きればどうなるかは恐ろしく容易に想像できます。
Förderschule(特別支援学校)に通い、ムスメを含む物事の「良し悪し、善し悪し」の境界がはっきり理解できない児童なら、よからぬ行為に発展させてしまうかもしれない。いずれはどこかで何かの拍子に何かしらの犯罪の「加害者」または「被害者」になるかもしれない。1人の発達障害を持つ子供の親としては、絶対にそうなって欲しくはありません。残念ながら、本来はこういった事は親がしっかりと把握して対処するべきなのに、ドイツでも家庭環境が悪いせいで後天的な発達障害を抱えてしまう子供がいるのが現実です。
学校側の態度にオットーは、
「今度O君が家に来た場合、こちらとしては彼に氏名住所、用件を聞いたうえで警察に通報します。必要であればその際のビデオ撮影もしますし、弁護士を通じて法的に解決してもかまいません」
と伝えました。私達夫婦は「モンペ」じゃないか?学校が当事者から話を聞くことしかできなくて、疎かな保護者の監督のために自宅と学校での我が子の安全が脅かされるなら大袈裟に思われるような方法に出て子供を守ろうとするのは間違っているのでしょうか?感情的だったかもしれない。他に良い対処方法があったかもしれない。今も悩んでます。
それから何日かは家にいてもいつO君が来るのか、ムスメを連れての外出の時にはどこかにO君が待ち伏せていて、いきなり現れるのではないか。そんな事を考えて怖かったです。オットーとも話ましたが、ドイツじゃなくてアメリカならすぐウォールマートに行ってハンドガン2丁買ってくるなあと。同様に、相手が持ってくる可能性を考えてゾッとしました。
その後、私達夫婦の真剣な態度に学校で何かあったのか、O君は家に来てません。学校閉鎖になる前、再びM先生から電話がありました。校長先生と話合ったそうで、もしまた同じ問題が起これば、校長先生自らがO君を直接呼び出して事情を聞き、保護者に報告することに決めたそうです。私が知る限り、学校ではムスメが1人になる機会はゼロで、常に教師が側にいる状態。校庭で遊ぶ時間は他の教師の方々がO君に注意しているそうで、教師が仲介役をして親同士のトラブル等にならないようにする学校の対応は良いほうだと思ってます。
バスも運転手と添乗員さんの近くに座らせるように頼みました(O君はいちばん奥に座っているそうです)。ムスメにも「O君には近づいたらあかんで」と言っています。
ムスメは10歳で身体的に成長が他の子より早く、体の変化にも気づいてます。でも精神年齢は思春期にはかなり程遠く、異(同)性への興味等は全くありません。まだまだプレイモービルで幼稚園児みたいに遊ぶような無邪気さで、人にグイと来られても、抵抗せずに静かに引いてしまう。学校生活の楽しい事でも、嫌な事でもあまり語らない。特別支援学校生活3年、今まで親同士、子供同士で1度もトラブルなしでした。だから余計に衝撃的で心配になります。
今は落ち着いてきましたが、今回で学校や相手の親の対応を待っているだけではいけない事がわかりました。子供の安全のため、子供を被害者や加害者にさせないためなら行き過ぎ、モンペと思われてもいいです。
それでは