FBI心理分析官で世界的に有名なジョン・E・ダグラス氏とロバート・K・レスラー(故人)の分析官としてのバイオグラフィー。どのようにプロファイリングが確立されていったのかを実際の事件とともに描いています。
【Mindhunter(マインドハンター)】(英語版)
あらすじはFBI捜査官ホールデン(モデルはダグラス氏)が現在の捜査方法が今の犯罪に追いついていないことに気づいたことからプロファイリングが始まります。やがて行動科学班にいたビル(レスラー氏)がホールデンの仕事に興味を持ち、2人は協力することに。彼らがプロファイリングの一歩としてやろうとしたのはある1人の犯罪者(サイコパス)のインタビューだった…。
コンピューターもない時代にゼロから始めることの難しさ。単にコミュニケーションと交通の手段、未発達の科学捜査のせいで難しいだけじゃない。人種や男女差別、政治ゲームが彼らのプロファイリングには絡んでいる。とくにのちに心理学者ウェンディ・カー (アン・C・バーゲス)も加わることで、その時代の女性差別が醜く浮き彫りに。
シリアルキラー。今では誰もが知っている言葉は彼らが生み出したものです。日本では不可能ですが、このドラマでは殺人犯も被害者の名前も実名。さらに殺害方法なども克明に描かれています。それがあまりにも残酷、さらにあまりにも激似の連続殺人犯の異様さにぞっとします。ホールデンがパニック障害になったように、あの近距離でインタビューしたら精神的におかしくなる。レスラー氏の著書では事実、そういう捜査官もいたとか。
1つ思うのは、ビルの養子についての話はいらないかなあと。あれだけが現実的なドラマをちょっと「そんな偶然ないって」いうフィクションにしてマイナスかな。
母親の頭部と死姦した連続殺人犯
エド・ケンパー
(左)ドラマ (右)本物
殺人カルトを率いたチャールズ・マンソン
(左)ドラマ (右)本物
この他に登場する連続殺人犯もそっくり、しかも名演。
犯罪学に興味がある方にはぜひオススメ。
宜しければマインドハンターの足がかり的作品『エイリアニスト』もどうぞ。19世紀の心理分析官のお話。こちらもぜひオススメです!
【The Alienist(エイリアニスト)】(英語版)