あと数週間で出産予定日でした。その2ヶ月前に父親が浴槽の中で心臓発作を起こして亡くなりました。

 

日中に突然見た震災の映像に呆然とし、テレビの前で突っ立っていました。電話の母と私、2人して泣きながらそれが最後のように話しました。

 

お腹の中のムスメを一番に考えなければならない。父の葬儀のときにも、震災の時にも、日本には帰国しませんでした。

涙が枯れるまで泣きたかった、胸が潰れるほど悲しみたかった。でも悲しさや辛さ全部、お腹の子供に何かあってはならないと思い必死でこらえ、我慢しました。

 

3月末の出産予定日のはずが、震災から6日後にムスメが生まれました。たぶん、激しいストレスで早まったのだと思います。

 

ムスメは無事に生まれてきてくれました。嬉しかった。ムスメが1年ずつ大きくなるたび、震災のことも思い出します。ずっと忘れることはできません。

 

その時、私のように海外にいて同じ思いを経験した方はたくさんいると思います。なのでわずかにだけですが、お手伝いしたいのです。