恋 と 宇宙 ④ 最終話 | 青空アロマテラピー!

青空アロマテラピー!

ココロ、感じるままに空に投げたら、きっと輝く虹になるっ

ふたりして教会へ向かうことにしました。



またもや恋と宇宙③の続きです。


こんにちは!

「青空アロマテラピー!」の 井上ミウ です。


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朝、一緒に出かけようということになって、


ネットも携帯電話もない時代、

当然、経路検索もありませんから、

また駅へ行って最寄駅を見つけるところから始まります。


乗り継ぎ時間も、行ってみなければ分かりません。



天気の良い日でした。



教会までは

バスに乗って、電車を乗り継いで、

だいぶ時間がかかったように記憶しています。


その時間、彼は楽しかったかどうか、

私には分かりません。


でも、彼の笑顔を覚えています。



考えてみれば、
私たちはなぜ2人して、教会に向かっているのか。



まるで道行きのように、向かう先は教会なのに、




私たちは、しりとりをしてみたり、


子供のような暇つぶしをしていました。





教会へ着きました。






結局、私たちはその聖母を見たのか、

もう思い出すことが出来ません。



ただ、そこの神父さまとはお話し出来ました。







奇跡とは、それがあってもなくても

結局その人の受け取り方次第 。

それを奇跡と思う人も、そうでない人もいる。

ひとつひとつのご縁を大切に生きて行ったらいい。





そういった言葉の次に
神父さまはこうおっしゃいました。




「あなたがたは恋人ですか?」





私は彼の返事を聞くのが怖くって




いち早く「友達です。」と答えました。




神父さまはこう続けました。






あなたたちも、こうしてご縁があって
教会へ来てくださった。
私はあなた方の幸せをお祈りしますよ。







私たちは教会を出て歩き出しました。





夕方にはまだ時間があるけれど、
午後の遅い時間。




歩きながら、
私は自分の大好きな叔父の話をしたのだと思う、


すると、彼は言った、

ミウさん、大好きな人ばかりですな(京都弁)


私は答えた、

だって(私の周りは)本当にいい人ばかりなんですよ



彼は言う、









僕もミウさん、大好きですわ












だけど、それは女の子としてじゃないって
私は分かっている。


宇宙を見ようとする人は、私も風も木々も一緒なのだ。




でも、





私は、私を好きになってもらいたかったの。












駅へ着いて、ホームの階段を登る。



私の前を歩く彼の手が、ちょうど視界に入る。






この手が、温かいのか、冷たいのか、

私は知ることはないんだな。






そして電車は来て、私は乗り込み、ドアが閉まる。




電車が動けば、ドアの向こうの彼の姿が見えなくなる。






次に会う約束はしなかったから、



それきり、彼に会うことはありませんでした。






もし私がもっと魅力的な女の子だったら、

彼は修行中だろうがなんだろうが

好きになってくれただろうか。


修行より私を選んでくれただろうか?



それは、彼にとって幸せだろうか。



そうなれば、私は幸せだろうか。





分からない。








私は雨粒ではない。


私は木ではない。


私は石でも、花でもない。




私は私。




どんな認識を得ようとも


私はまだこの世界を知らない。



私はまみれて生きていこう。

もっとちゃんと、人としてこの人生を。









そして私は、やっぱり失恋だったので

3ヶ月くらい毎日泣いていましたとさ。





私の恋がいかにして宇宙とつながり、

いかにして宇宙から切り離され、地上に降りて来たか。


この後、彼のことは何も分かりません。


俗世にまみれてしまっても、
お腹が出ても、
髪が薄くなっても、

きっと彼は彼として幸せでいて欲しいと願っています。



きっときっとどこかで、彼は彼として生きている。




…しっかしさ、男の子の方は
全然違う見え方してたんだろうな。
男のロマンと女のロマンって、本当に全然違うよね。
まあ、それもまた良し。



長くなりましたが、ありがとうございました。