プロスペクト理論


行動経済学や行動ファイナンスの世界の話になりますが、100円をもらったときと100円を失ったとき、そのうれしさと悲しさの絶対値は同じではないことが知られています。人の効用は、対照ではないのです。


これは、スーパーにエコバッグを持って行く人が増えたことでも有名です。当初はエコバッグを持ってきた人に対して2円なり3円なりの値引きをすることでスーパーはエコバッグの普及を図っていました。しかし、このステージではさほどエコバッグの普及は進みません。その後多くのスーパーで、エコバッグを持ってこなかった客には、レジ袋を2円なり3円で売ることにしました。客にとっては追加負担(損失)です。そうすると一挙にエコバッグの普及が進んだと言われています。


われわれは得よりも損を大いに嫌う傾向にあるわけです。