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ある日の喫茶店・・・

店内はザワザワと混雑している。


背広を着ているビジネスマン


パソコンと格闘している男性


隣りからは、雑誌の企画案の話が聞こえてくる


周りを見渡す限り、
若い女性の姿はなかった・・・


私たちの席は5人。

ウオーターが運ばれ、
そのあと
50代くらいと思われる女性が、注文をとりにきた。


私たちは口々に注文する。

『アイスティーレモンで』
『メロンクリームソーダ』
『アイスコーヒー』
『ホット一つ』
『アイスカフェラテ』

仲間の一人が

◆『全員ちがうし(笑)』

とボソっと一言。



注文を聞きにきた女性は、特にメモもとらず、確認の復唱もなく、その場をあとにした。


すぐ様私は
◆『凄いね、覚えたんだぁ。』


と、


その言葉を追っかけるように

仲間の一人が◆『さすがプロだね』


と言った。



そして、
みんなの近況を、色々と話をしていたのも束の間、



先ほど注文にきた女性が、
◆『すみません』


と言ってきたので、

私たちの話はさえぎられ、その女性に視線が集まった。


注文を聞きにきた女性は◆『あのぅ、メロンクリームソーダと、アイスカフェラテと何でしたか?』



一瞬


私たちの中に、同じ空気が流れたのが分かった。


一瞬の間が空いたあと
口々に、自分の注文を繰り返した。


『アイスコーヒー』
『ホット』

と言った二人の言葉には

注文を聞きにきた女性が◆『ぁ、それは大丈夫です』


と答えた。



その女性が去ったあと、

一様に皆

苦笑した。


◆『オチがちゃんとあったね』・・・

と。


そのご
女性はドリンクを4つ運んできたが


1つ足りない。


女性は◆『えぇっと、あと1つは、アイスコーヒーでしたよね?』


と聞いたあと


◆『レモン忘れたので持ってきます。』
と付け加えた。


愉快な女性だった。
・・・・・・・・・・・・・・


いまでも、その喫茶店の近くを通ると
あの50代くらいの女性の顔を思い出す。


これほどまでに、
一度で自分の印象を与えられるのは、

ある意味凄いのではないのかと感心した・・!


いつかまた、

あの喫茶店にたちより
あの時と同じ女性に、注文をとりにきて貰いたいと思った。


そのとき
その女性の手には、
メモ用紙とペンが握られている事を


少しだけ期待して・・・(笑)


終わり。