風が強い。
途轍もなく風が強い。
この土地は強風の日が多いとはいえ、今日は特に凄まじい。
夜中からずっと唸り続けている。正直コワイ。その音のせいで悪夢まで見てしまった。
ワタシは風の音が苦手だ。子供の頃、台風の時にコワイ思いをしたからかもしれない。風の唸り声を聞いてるだけで、緊張で蕁麻疹が出る。
しかし、今日もまたワタシは戦場に向かわねばならない。まだ風の止まぬ早朝5時。この強風の中を出て行かねばならぬ恐怖。
支度をしていると、寝ていたダーリンが起きてきた。休みのクセに何度も起き上がってくる。起き上がりこぼしのように。早く寝ろ。踏みつけるぞ。
ダーリンになど構ってはいられない。
早々に出掛けようとするワタシ。その様子を見て上着を着るダーリン。
まさか・・
ダーリンは心配性。
以前も風が強い時、出勤するワタシを車まで送ってくれていた。手を繋いで、ワタシが飛ばされないように。
今日も付いてくる気だ。
ダーリンを振り切り出勤するワタシ。休みなら黙って寝ていろ。出てきたら危ないだろ。
行ってきます‼︎
ダーリンこそ釣りに行かないか心配だ。ちょっとでも風が止んだら、出て行くに違いない。
そんな事を考えながら、長い拘束時間を終了。
自由を得て外に出てみると、風は更に強くなっていた。海岸沿いのヤシの木がワッサワッサと揺れている。砂浜から吹き飛んできた砂が、無防備な顔にバシバシ当たってくる。イタイ。かなりイタイ。その攻撃に耐えながら、車に逃げ込むワタシ。
ダーリンに電話。
何処にいるんだ。この強風で外に出るなど自殺行為に等しい。家で大人しくしているんだろうか。
どうやら、というか、当然家にいたようだ。
この強風と荒波に立ち向かうような勇者・・大馬鹿ではなくて安心した。
↑海水が溢れちゃってるよっ‼︎
話を聞けば、今朝ワタシが出て行った後、部屋の外の共用廊下に出て、その端の窓からずっとワタシの歩いて行く様子を見ていたらしい。そして、車に乗り込んで発進するのを待ってから、部屋に戻ったとか。
寝てればいいのに。早朝5時だよ?
振り切って出てきた意味ないじゃん。
自宅マンションに近付くにつれ、風が強くなる。隣の建物との間を吹き抜ける風に、今朝は背中を押され倒れそうになったが・・
もうすぐ帰宅という安心感で危機感ゼロ。携帯を見ながら歩くワタシ。ふと顔を上げると、そこにダーリンの姿が・・
車が来るぞ、と言って引き寄せてくれた。
風の音で全く気が付かなかったが、駐車場から出た車がワタシに向かってきていた。歩きスマホはキケン!
どうやら、心配で迎えに来てくれたらしい。手を繋いで、風の来ないような場所を選んで歩いてくれた。
ダーリンはヒーロー。
いつもワタシを気にかけてくれる。
守ってくれる。
先日、ひどい風邪をひいた時も、1週間毎日スイカを買ってきてくれた。風邪っぴきの身体が求めているもの、それがスイカだと思える程にスイカは最高に美味しかった🍉
・・ただ、喜び過ぎたのがいけなかった。
風邪が治った今も、スイカが冷蔵庫で待っている。スイカを食え。喜べとウルサイ。
そんなダーリンに感謝。
いつも優しくしてくれてありがとう。