先日、てっぺんの向こうにあなたがいるを鑑賞した。

日本で初めてエベレスト登頂を果たした田部井淳子氏をモデルとした映画である。

また拙いながらも感想を述べてみる。

 

 

映画のwebサイトはこちら。

 

 

 

原案の田部井純子さんの本はこちら!

人生、山あり“時々”谷あり(潮出版社)

著者:田部井淳子

 

 

 

 

 

 

私の映画の感想は、いつもネタバレを含むものですので、ネタバレをしりたくない方は、こちらでお引き取りくださいませ。

 

 

 

 

 

私の父は、登山が趣味である。学生の頃から登山が好きで仲間内と共に登山に行っていたそうだ。だが、私自身は登山に然程興味はない。なのでこの映画も何となく見てみようかなと思っただけだった。

 

しかし!鑑賞してイメージが一気に変わった。

 

チャリティーコンサートの場面から落涙。本当は声を上げて泣きたかった。

お金が無かろうが、主婦だろうが、自分が癌に侵されようが、絶対に、諦めない多部純子さんに、勇気を貰った。

 

専業主婦なのに、莫大な登山経費をどう調達するの??と思っていたら、資金がなければ、夫を頼るのではなく、きちんとした計画や企画書を作って出資してくれる企業を回る。自分達は、絶対にエベレスト登頂を果たしてみせる!だから出資して欲しいと頭を下げるのである。

 

そうしてスポンサーを探すべく企業を回っても会社の社長らしき人物たちは、企画書すらペラペラと捲るくらいで碌に見ない。へえ〜女性達だけで、エベレストねえwwwwと言った具合にバカにするか、夫と子供がいるのに、エベレストとか言ってる場合か?と叱咤される。

 

そんなことを言われてしまって憤る仲間達を静止して次いこう!と前向きに進む純子さん

自分達を蔑ろにする奴らなんか相手にしている暇はない。ただそれだけだった。

その思いは、たとえ余命が幾ばくかになろうが、彼女にとっては、関係ないのである。

 

その思いがあのコンサートに集大されていたのだと感じたからこそ、思わず号泣してしまったのかもしれない。

 

私は、どうせ、もう〇〇だから出来ない…と出来ない理由を探していたのかもしれない。

目的の為に、やれることからやる。諦めずに何とかやる。純子さんは、そんな人だったんだろう。

 

 

てっぺんの向こうにあなたがいるというあなたとは、誰のことか?

 

それは、観ている私達の事なのかもしれないと私は思った。

純子さんは、そんなふうに、人に勇気をくれる人だから。

 

エベレストに登頂したから、世界の多部純子だからとかじゃなくて、とにかくやりたいことを目指すその姿勢が素晴らしいのだと思う。

 

息子さんも其れを誇りに思えてたらいいなと思った。

この息子さんといえば…世界の多部淳子の息子という肩書きに苦しめられていたのであるが、転校先の教師が、お前は、たまたまあの人の息子に産まれただけだろ。と彼を1人の人間として扱った。そんな事を言ってくれる人は、彼の人生の中で、今まで誰も居なかったんじゃないか?

 

そういう大切な事は、マスコミも、同級生も、親も姉も世間様も誰も言ってくれない。第三者のこの教師だけが言えた。この一言で、彼の世界は、一変したのではないか。自分の人生を漸く歩く事が出来たのだと思う。母親の淳子のように。

そういうことに自ら気付いて前に進めた彼は、確かに、あの人の息子なのだ。と思えた。


マスコミといえば、多部純子だけがマスコミや世間に持て囃され、仲間内から嫉妬され、絶縁される場面も居た堪れなかった。みんなでエベレストに登頂に挑戦してきて、たまたま彼女は体力のある身体に生まれてきて、様々なトラブルやリスクを回避してきて、その結果、たまたま登頂できたのが彼女であった。というだけであったのに。

 

本人も帰国してから空港に降りたったその時から、大勢のマスコミからのカメラフラッシュを浴びて世間の手のひら返しに圧倒されていて、かなり引いていた。

 

記者会見でも多部純子は、注目されたことを鼻にかけるわけでもなく、自分の力だけで成功したのでありません。仲間がいたからですとはっきりと明言しているのに、恐らくマスコミはセンセーショナルに切り取りをして報道したのだと思われる。

 

これは、彼女が悪いのだろうか?仲間も記者会見を見ていたはずだが、世間の多部純子への賞賛の声が大きすぎて、彼女がマウントを取っているように見えたのかもしれない。

 

淳子さんがスポンサーを募っている時に、女のくせに…と門前払いしていたのに、彼女が偉業を達した途端に、世間は、淳子さんを賞賛し始め、掌の返しっぷりに呆れる。いつの時代も、女のいいとこ取りをするものなのだと暗澹たる気持ちになった。

 

「てっぺんの向こうにあなたがいる」は、単なる女性の偉業や家族愛の話だけではない。

偏見と差別、人間の確執、絶望の淵に立たされた人間の強さ…様々なことに打ちのめされ、大切な事を教えてくれる。

 

見終わっても、何だかこれだけじゃモノ足りず…ドラマシリーズで、じっくり描いてほしいと思った。

 

私も、彼女のように強くなれるだろうか?ただ、前を向いて望みを叶えることに集中する。病気になろうが、どうしようが、とにかく、ただそれだけなのだろう。

 

 

余談だが、息子のツッコミがいちいち可笑しくて笑ってしまった。

私は、彼、好きだなあと思った。しっかりと母親に、後を頼まれた息子。

多部純子の跡目を継いだのは、彼女に理解ある娘ではなく彼女に反発していた彼だった。

それがとても感慨深く心に残った。

 

この映画で、大切なことを教えてもらいました。本当にありがとう。