和田アキ子が、最も歌が上手な歌手は誰かと問われて布施明と答えていたので、動画を見てみた。その動画は「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」を歌唱しているもの。確かに上手い。と思いながら聴いていて終盤に差し掛かった。問題は ❛stay❜ のサビ。ここが残念だった。この布施明という人は、癖なのか特徴なのか、終盤に必ず絶唱する。熱量をマックスに、それを歌の最後に取り入れる。それはそれで、様々な歌手の人がやっていることなので問題はないのだが、曲によっては、そこはそうではないのでは?と思わせた曲がこの「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」の場合である。私が好きなアルバムであるボズ・スキャッグスの「バットビューティフル」でボズは、最後の❛stay❜のサビを、本当に優しく切々と歌っている。チェット・ベイカーの動画を見たが、この人もトランペットからボーカルに移ると、同じように❛stay❜とささやく。この曲の一番大事な要素を、布施明は真逆に表現しているのである。それはそれで有りだと思うが、私的にはあれは残念だったなと思ってしまった。