おそらく、この映画の主人公は様々な人が言っているように幽霊、超自然、さらに言えば自然なのだろう。この主人公にとって、善悪とは何かは区別されていない。善悪という抽象的な概念がないからである。昔、ウルトラマンでのバルタン星人が「生命、生命とは何か」と地球人に問いかけたことと似ている。そもそも善悪とは我々人間が客観的に見て判断する倫理的概念であり、自然現象またはロボットが持つことができない、あるいは持つことに意味がないモノである。台風はお年寄りや病人が多い土地に遠慮するだろうか。津波は子どもたちが可哀想だからといって大人を襲うだろうか。地震は悪行をはたらく人間の家だけを破壊するだろうか。こういった自然現象に、感情があるはずがない。この映画の主人公も、結果的に善を行なっているようで悪行もしっかり行なっている。善、悪の区別をつけようとしないからである。なぜか。おそらく幽霊だからである。