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公式塾長のブログ

学習塾特命係

この話を見て思ったのは、塙五郎が提示するものは至ってシンプルなものであるということである。それは、人間にとって最も大切な関係というものは親子であり、家族であるというものである。これは現在となってはもはや死語となってしまっている感もあるが、根本的には現在も同様である。どんな親であろうが子であろうがやはり家族なのである。どうしようもない親、どうしようもない子、しかし家族なのである。縁を切りたい、それでも家族なのである。ただここに注意点がひとつ、血縁があるかどうか。これがないと、どう溺愛していてもふとどこかで血がつながっていない他人と気がつく。逆に、どれだけ嫌いであろうとふとどこかで血がつながっている家族だと気がつく。ここに出てくる親子、社会から疎外され、意固地になりながら偽の幸せを受け入れて虚しい日々をおくるこの親子にとって、一緒に食べ、見て、遊んで、この時間は彼らにとって今までにない最も幸せな時間だったのではないだろうか。そして「お父さん逃げて!」。ここでこの親と子の関係がクライマックスに達する。皮肉にも、その言葉は殺人犯逮捕に直結する。不条理な現実とはこういうことであり、現実はいつも不条理なのである。幸せの先には、不条理が潜んでいるのが現実なのである。