花見キャンプに向けて米amazonのBBQ用品を物色していたところ「Grilling plank」なるものに遭遇。
plank=板という意味で、そのまんま木の板です。
Plank grillingなる、板の上で食材を焼くやり方で使用する、1〜1.3cm厚くらいの板とのことで、Grilling plankよりもっと厚いBaking plankっていうのもありまして、こちらはオーブン調理用の繰り返し使うタイプのものらしいです。

水に浸した板の上に食材を直接置いて覆うように蓋をします。木の香りと燻された煙が食材をおいしくして、また湿った木の上に食材を置いて焼くことで、炭火焼きが焦げ付かないしふっくら仕上がる、というアメリカやカナダではメジャーな調理法なのだそうです。炭火焼グリルと燻製とスチーム調理を混ぜたみたいな。

日本でプランクと検索すると筋トレの記事ばっかり出てきますけどね。

どんな木を使う?

プランクグリル専用の板が販売されています。

Grilling plank|Amazon.com

米Amazonではいろんな専用の板が販売されてますが、日本だとまだ探しても少ないですね。通販系だと楽天とヤフオクで少し売ってたくらい。
しかしながら板ですからね、当然専用板でなければならないなんてことは別にないので、手頃な板が入手できれば大丈夫です。ただし塗装や接着剤、防腐剤などの薬剤が使用されていない無垢の板であることと、樹脂の少ない一般に燻製で使用されるような種類の樹木の板であることが最低条件になります。接着剤を使っているベニヤ板や集成材は使えないし、無垢板でも煙に苦味が強く出るシラカバとかパイン材はイマイチみたい。

アメリカ人が言うには買わなくても木こりにもらえばいいよHAHAHA、との事なんですけど、残念ながら木こりの知り合いはいない…
板っていうのも買うとそれなりにお値段するもので、燻製チップでよく見る桜やナラ、リンゴ、くるみなんかも木材となるとこれがまたお高いし、ホームセンターとかでの扱いもない。
私が探した範囲で入手しやすかったのは杉の板か、版木用のシナノキとかくらいでした。他の木材と違って炙った時に反りにくいということもあり、日本だと杉が一番おすすめというか杉一択のような気がします。

180×910mm、厚さ14mmの杉板がホームセンターで700円くらいでした。節のところが燃えやすいので、できるだけ節の少ない板を選びます。
4等分くらいにカットして使うとして、一枚170円弱。数回使えるので、それくらいならまあ許容範囲かな?

簡単な使い方説明

板は使用前に、あらかじめ1時間〜24時間、きれいな水に浸けておきます。長い方が良し。
十分板に水を含ませることで、乗せた食材がふっくら仕上がりますし、板が反りにくく、燃えにくくなるので板自体の寿命も伸びます。燃えてしまわない限りプランクは水洗いして繰り返し通常2〜3回は使えます。
水にお酒やフルーツを入れてフレーバーをプラスすることもできます。

まず炭火またはガス火で板の片面を焼きます。ここで板をちょうどいい温度にして、表面の殺菌もします。
板から白い煙が出始めて、いい具合になったらひっくり返して、最初に焼けた面に食材を置きます。油は使いません。

蓋ができるグリルなら蓋を閉め、なければ煙を逃さないためにアルミホイルやBBQ用のアルミトレーなどを乗せます。アルミホイルで丸ごと包んでもいいです。
水蒸気メインの「白い煙」が常に出ている状態がベスト。黒い煙が出てきたら板が炎上寸前なので、火加減を調整しましょう。消火用の水スプレーも必ず準備しておくこと。引火したら、ちょっと火からおろして燃えたところにシュシュっとします。
白い煙をキープしながら食材に応じて適度に火を通したら完成です。

注意点としては、食材はひっくり返さず、蓋は極力開けない事。蒸し焼きなのでひっくり返す必要はありませんし、蓋をあけると熱と煙が逃げてしまいます。

蓋の内部に熱が回るので、上から焼かなくても焦げ目までつくんですよねえ。
肉料理や魚料理のほか、窯なしでもピザなども焼けますよ。

食材によりますが、20分程度焼いたら完成。
プランクは洗剤をつけずに水洗いし、よく乾かしておきます。たくさん焦げて使えなくなったら薪にしてしまいましょう。

やってみた(まずは台所で)

冷凍ピザをおうちのガス火で焼いてみました。180℃のオーブンで13分との表示のものを、プランクグリルで13分焼きました。
家でやるときは、換気と火事への注意を万全に。

焼き目もついていますが、やや甘いのでプラス5分〜10分くらいがいいかな?火加減をもっと強くしても良かったかも。
もちろん冷凍ではなく生地をのせて焼くこともできます。

羊肉も焼いてみましたよ。加減をはかり損なってちょっと焼きすぎました。
しかしながら、プランクのおかげで乾燥しすぎてはいませんでしたし、程よい燻製香のおかげで塩だけでも十分においしくいただけました。
いきなりキャンプで本番にしないでよかった。次こそは完璧な肉を。

版木用のシナノキでは燻製香というほど強い香りはつきませんでしたが、杉はなかなかちょうどいいかんじです。
しかしながら室内でやるときは板を焼いた後、食材と一緒にアルミホイルで丸ごと包んでしまった方がいいかもしれませんね。換気扇と窓全開にしても、家の中が3日くらいキャンプ場の臨場感というか…野趣あふれるかんじだったので…

おわり

杉も十分よい香りですが、今後はせっかくならもっと香りがガツンと強いタイプのプランクを入手したいですね!
桜かハンノキ(アルダー)かナラ(オーク)が欲しいんですけど、日本だと工芸・建材用のきれいな高い板しかなかなか売っていないので、なんなら米Amazonから個人輸入した方がいいのかもですね〜。海外発送とはいえ送料も2,000円くらいだし。

岩泉町の林業をいろいろやってるらしい岩泉フォレストマーケティングさんのサイトからは、カラマツとオニグルミのプランクが買えるみたい。国産オニグルミいいですね!!!

ウッドプランクでBBQ(カラマツ・オニグルミ) | IWAIZUMI Forest online|岩泉町の豊かな森林資源をお届け

西粟倉・森の学校さんのサイトからは、間伐材を利用した杉のウッドプランクが購入できますよ。ちょっと小さめですが18枚入り!

ウッドプランク | 西粟倉・森の学校 Online Shop

日本Amazonでも手頃なの一個だけありました

セダー(ヒマラヤスギ)グリル板 – 12パック

アメリカでの発祥はネイティブアメリカンが鮭を杉の板に乗せて炙ったものを奉納していたのがルーツとのこと。
調べてみると日本にも「板焼き」という調理法がありまして、こちらもかなり古くからある調理法みたいです。先人の知恵ですね!

板焼き(いたやき)とは - コトバンク

板の入手のしやすさを考えると、日本のキャンプシーンでのブームが来るかどうかはちょっとどうかなーとは思いますが、流行れば板も買いやすくなるので、日本でももっとメジャーになればいいな〜

PLANK GRILLING: 75 RECIPES FOR INFUSING FOOD WITH FLAVOR USING WOOD PLANKS

プランクグリルの成り立ちから具体的な方法など、大いに参考にさせていただきました。他にもいろいろな実用的な知恵が満載。