青のひととき(隠れサトシックの妄想)




         2012年に本家で書いたお話しを


       こちらにお引っ越しさせて更新しております。





    本家がメインなので、こちらの更新は不定期になります。


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涙する自分が可笑しくなり
笑いながらまた涙をこぼす。

となりの席で
息子が不思議そうな顔をして
こちらを見ていた。

「ママ、嬉しいんだって。
嬉し泣き」

息子の向こう側から
主人が声を掛けると

息子は安心したように
また前を向いた

嬉しいだけじゃないんだけどな

この感情を説明する言葉も
見当たらないし
何より二人にとっては
これ以上、私の涙のわけにも
感心がなさそうだった。




ライブも後半になり
バルーンに乗った彼らが現れた

親子席のあるスタンドの高さで
移動して行く彼らは
子供を見ると
積極的に手を振って行く

子供に優しいとは
聞いていたけれど
本当なんだな

息子はというと
手作りのウチワを手に
微動だにしないで
固まっている

担当が手を振ってくれているのに
固まったままだった

ニノ君が現れた

まだ正面にも来ていないのに
満面の笑顔で
息子に手を振り続けてくれる

あんまり振るので
息子も思わず振り返した

するとさらにニノ君は
テレビでは見た事のない程の
とびきりの優しい笑顔で
指を差しくれて

白いボールを
頭からちぎるような動作をして
[君に投げるよ]という風な合図をして
抜群のコントロールで優しく投げてくれた。

ふわりと放物線を描いたボールは
息子の手に

という次の瞬間
息子の前の席の年配の女性か
手と身を伸ばし
ボールをキャッチして
はしゃいでいた。

ニノ君は額に手を当てて
[あ~]と言ってのけぞった

その頃、バルーンはすでに
息子の前を通り過ぎていたけれど
こちらを向いたまま指を差し
投げる真似をして微笑んでくれた

それはまぎれもなく
[君に投げたんだよ]という
メッセージだったんだと感じた

私はあわててウチワを裏返して
「ありがとう」の文字を見せた。

ニノ君ははじめてこちらを見て
[うん]と深くうなずくと
ファンサをしなから進んで行った。

後になって
あんなに長い間、
息子だけに関わっていて
大丈夫だったのかなと
心配になつた。

間もなくやって来た智くんは
この辺りを一瞥する事もなく
上の方にファンサを送っていた。

他のメンバーのバルーンが
目の前で渋滞するなどして
智くん以外には
手を振る事か出来て幸せだった。

でも、残念だったな…智くん…

席を知らないし
わざとじゃないと思うけど…

あっ、ニノ君が席は知ってるはず
私、何かしちゃったかな…










もぷ。