　三浦しをん「舟を編む」。

　本屋大賞を受賞した作品ですね。この作品ではないですが、高校入試に出題もされている作家さんです。映画化もされた作品なので知っている人も多い名作だと思います。

　タイトルだけ見るとジャンルが判らない本です。新しい辞書の編纂に関するお仕事小説となっています。

　主人公は、人付き合いが苦手な出版社の営業マンから辞書編纂部に異動となった馬締（まじめ）君です。とにかく本や言葉が好きで、名前の通り真面目な良い人です。真面目さと、人の縁に恵まれて新たな辞書「大渡海」を完成させるために奔走します。

　大きな言葉の海を渡る舟になる様な辞書を完成する為に、関係者みんなが人生をかけて仕事をします。辞書には出版社、費用、時間、紙など様々な問題が関わると教えてもらえました。13年にも渡る人間の成長ドラマは感動をくれます。

　じっくり読んで欲しいので、夏休みなど長期休暇におすすめの一冊です。

　また、挿し絵代わりにカバー裏の表紙に本編のイラストが印刷されています。憎く、ありがたい演出です。

読書紹介203