　望月雪絵「魔女と花火と100万円」。

　高校入試出題の作品です。

　なかなかインパクトのあるタイトルに思わず手が出ました。

　内容は、家庭や友人関係、学校関係に問題、不満がある中学2年の生徒達が、急に決められた来年度からの学校祭廃止に抵抗するというものです。

　主人公達、生徒目線で読むと宗田理「ぼくらの七日間戦争シリーズ」のように感じます。中学生なりに自立して考え、大人達に対抗しながら成長していく過程に応援したくなります。

　大人目線で読むと、申し訳ない気持ちや憤りを覚えました。文化祭廃止の理由を生徒のやる気の無さや、費用不足にして動いていません。

　しかも、それに対して動く生徒達を大人扱いで対応しています。子供を一人の人間として扱うのは大切ですが、生徒のやる気の無さを全て生徒のせいにしている教員は辞めた方が良いです。（生徒や環境が極限まで悪いときは別ですが）生徒のやる気に対して周りの大人があまりに不甲斐なく感じました。

　小中学生は主人公目線で読むのがおすすめです。

　大人は自分達に何が出来るかを考える機会としておすすめの作品です。

読書紹介113