日経新聞に連載している資産運用コラムに資産運用成功への10のルールというのが記載されていました。攻めの運用・守りの運用など総合的にみても、このような考え方は必要ではないでしょうか。



近年「投資の心理」は行動心理学(Behavioral Finance)という分野で研究が進んでいて、その第一人者カーネマンは、行動心理の研究でノーベル経済学賞を受賞しています。そこで、今回は、この「投資の心理」を踏まえた「資産運用成功への10のルール」を紹介しましょう。


その1-「市場が熱狂のときにおそれて売り、悲嘆にくれている時に貪欲に買う」  


この言葉は、世界最高の投資家ウォーレン・バフェットの言葉です。リーマンショック後の2009年3月、ニューヨーク・ダウが7000ドルを割り、日経平均が7100円台になったときは、まさに悲嘆にくれているような状態でした。こういうときに、貪欲に買う。そして現在ニューヨーク・ダウは1万3000ドル台後半、日経平均は1万1000円近くになっています。この安値からニューヨーク・ダウは2倍以上、日経平均は50%上昇しているのです。多くの人は「市場が熱狂している時に貪欲に買い、悲嘆にくれている時に恐れて売る」過ちをしてしまいます。これは「高くなって買い、安くなって売る」ことになります。ぜひ、「市場が熱狂のときにおそれて売り、悲嘆にくれている時に貪欲に買う」ことにより「安くなって買い、高くなって売る」ことを心がけましょう。


その2-「株価を追わず、会社の業績を追う」 


『株価を追う』-この言葉は、株式投資で最も気をつけなければならない黄色信号です。「せめて、あそこ(年初来高値)までいけば売る。」とか、「あの人はあの値段で売ったから、おれも絶対そこまで待つ。」とこだわらずに、会社の業績を追って、まだまだ伸びそうであれば年初来高値を更新しても持ち続け、もう伸びる見込みがないと思えば、さっと売るという姿勢が大事です。


その3-「たなぼた利益も大事に取っておく」 


たなぼた利益もお金には変わりませんので、大事に取っておくという姿勢が大事です。「どうせ、あぶく銭だ。これを使ってもっと儲けよう!」と高値を追い天井をつかみ、せっかくたなぼたで取った利益もすっからかんで、果ては損!ということは、よくあるパターンです。せこいと言われようが、きっちりたなぼた利益でも取っておくという姿勢が大事です。


その4-「一時の痛みは我慢して耐える」 


やぶを歩いていて蛇に噛まれたら、それはびっくりするし、さぞ痛いでしょう。めったにないことでありながら、もうこりごりと、安値で叩き売り金輪際やらないという人が出てきます。しかし、このようなことはめったにないことですから、耐えるということが大事です。100年に1度の経済危機といわれたリーマンショックの時は、誰もがものすごい痛みを感じました。しかし、あの時をじっと耐え、まっとうな資産運用をしていた人は、今となってはその長いトンネルを通り抜けようとしています。


その5-「人によく思われたいと思って、ちょっとした人生の判断を誤らない」 


将来の生活設計のためにしっかり貯金しておこうと思っても、「けち臭っ!」「あいつ、付き合いが悪いなー」と思われたくないから、貯蓄をすっかり放棄するというような間違いを犯さないことです。このちょっとした判断が、後々資産形成において、大きな差となってきます。こうなりがちな若い人ほど注意したいものです。


その6-「よく知っている会社や自分の会社が、投資にいい会社ではない」 


愛知の人は、親しみがあって、地元のトヨタを投資先に選ぶ。ご当地ファンドは、圧倒的に地元の人が買う。鉄道株は、沿線の人がたくさん持っている。メガバンクでも口座がある銀行の株を持つ。自社の株は、持ち株会などで会社の補助特典もあり、貯蓄感覚で買います。しかし親しみがある会社や自分の会社と、投資先としていい会社とは、全く別です。


その7-「周りの意見や考えに左右されずに、自分の考えや判断を信じる」 


群れの中で行動し、周りがどう動くかばかり気にしていますと、「よし売れ!今度は買い!」となり、その中でも出し抜こうとして、どたばたの短期売買になってきます。この行き先は「高値買いの安値売り」。また少しの利益を取りながら一度に大きく損をして、その利益を消してしまいます。周囲に惑わされずに、会社のことを自分なりによく調べ冷静に判断するという姿勢をしっかり持つことが大事です。


その8-「損している株はさっさと売り、利益が出ている会社の株は持ち続ける」 


人間は、あとで後悔しなければならない行動はできるだけしたくないため、売ったら上がるかもしれないと思い、損している株は持ったままになり、周りに自慢したくなる行動は喜んでするため、利益が出ている株は早く売りがちになります。その結果は「損は大きく、利益は少なく」なるので、その逆の「損は少なく、利益は大きく」を心がけることです。


その9-「一点買いをしないで、分散しよう」 


「この株で勝負!」と一点買いをすると、どうしても投機的な感覚が強くなってきます。そして損するリスクも大きくなります。そこで、ここでも投資の鉄則である、できるだけ投資先を分散することを心がけましょう。そのやり方は、次のとおりです。・たくさんのタイプの違う株を持つ 大体15社以上の、業種や規模が違う株をもつと、分散が効いてきます。内外に広く投資することも効果的です。


・働いている会社の株は、少しだけ持つ あなたはすでに会社から給料やボーナスをもらっているわけです。その上に株までもつと「会社と運命をともに」という色合いがますます濃くなってきてしまいます。もし倒産してしまったら、職を失い、さらに自社株が紙くずになってしまうのです。昨今、このケースが目立ってきています。ぜひ、このことを心がけましょう。


その10-「投資にマイナスの感情をコントロールする」 


投資において最終的に意思決定をするのは自分です。そして人間は感情の動物で、その感情がしばしば投資にマイナスに働いてしまいます。どういう感情が投資にマイナスに働くのかをよく習得して、自分の感情を意識して絶えずコントロールすることが大事です。



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